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ドクターマリオ (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカー任天堂
・ジャンルパズル
・発売日1990年7月27日
・価格4,900円



■ 医者というより細菌学者
 タイトーが『スペースインベーダー』で大ヒットを飛ばしたとき、他の大小様々なゲーム会社はタイトーに遅れまいと、『スペースインベーダー』を模倣した亜流ゲームを次々と世に送り出しました。
 任天堂も例外ではなく、『スペースインベーダー』をもろにパクったアーケードゲーム『スペースフィーバー』を発売。パクリ作品ではあるものの、これでいくらか“小銭”を稼ぐことができたようです。キャラクターをデザインしたのは若き日の宮本茂氏でした。

 落ち物パズルゲームの元祖である『テトリス』が日本で発売されたときも、これと同じような展開になりました。上から降ってくる物体を移動または回転させ、適切な場所に落とす、という『テトリス』の基本システムを用いた落ち物パズルが、『テトリス』の登場以降、毎年のようにリリースされたのです。
 任天堂の『ドクターマリオ』、セガの『コラムス』、コンパイルの『ぷよぷよ』、コナミの『対戦ぱずるだま』などがその代表格です。このうち、現在でも新作が発売されている作品は、『ドクターマリオ』と『ぷよぷよ』の2本です。『テトリス』フォローのゲームは、この2作品しか生き残らなかった、と言い換えることもできますね。

 故・横井軍平氏の代表作である『ドクターマリオ』は、1990年7月にファミコン版とゲームボーイ版が同時発売されました。ゲームボーイ版『テトリス』の発売は1989年6月でしたから、1年あまりで『テトリス』を応用したゲームを作ったことになります。『テトリス』を触った横井氏の頭脳に、何か閃いたものがあったのでしょう。

 ちなみに、『テトリス』の原作者であるアレクセイ・パジトノフ氏も、『テトリス』以外のパズルゲームを考案していました。ブロックを帽子に変えた『ハットリス』や、チェスの駒をモチーフにした『ナイトムーブ』などです。『ハットリス』はファミコン版が、『ナイトムーブ』はディスクシステム版があります。
 しかし『ハットリス』は『テトリス』の二番煎じにもならないつまらない作品で、『ナイトムーブ』はこれまた微妙すぎる、毒にも薬にもならないパズルゲームでした。

 パジトノフ氏はあれこれと別のゲームを作ってはいますが、『テトリス』のような有名作品は1つも生み出せていません。ゲームクリエイターとしては究極の一発屋(One-hit wonder)です。歌手にたとえるなら、「愛は勝つ」のKAN、「Take On Me」のa-haのような存在です。ただ、その一発が超新星爆発並の特大花火なんだよなぁ~。

設定画面      ゲームスタート

■ ♪僕らはいつも以心伝心♪
 『ドクターマリオ』のゲームシステムは至って簡単。上から落下する6種類のカプセルを操作し、縦または横にウィルスと同じ色を4つ以上並べると、カプセルと接触しているウィルスは消滅します。これを繰り返して、ビンの中のウィルスをすべて消すと1面クリアになります。ね、簡単でしょう?
 消えずに余ったカプセルはそのまま落下。落下したカプセルがウィルスに接触すると、状況次第で連鎖が発生します。カプセルは動くが、ウィルスは固定されたまま動かない――ここが『ドクターマリオ』のポイントですね。

 ウィルスの色は赤・青・黄の三色、カプセルの色もそれに対応して赤・青・黄の三色です。カプセルは2つのブロックがつながった形をしていて、「赤赤」「青青」「黄黄」「赤青」「青赤」「赤黄」「黄赤」「青黄」「黄青」の9パターンがあります。「赤青」と「青赤」、「赤黄」と「黄赤」、「青黄」と「黄青」は回転させると色の組み合わせは同じであるため、カプセルは6種類ということになります。

 なぜウィルスを色の三原色である赤・青・黄で表現しているのか、という点については――うん、まあ、その、何かを暗示しているのかも。
 ゲームボーイ版は画面がモノクロということで、ウィルスとカプセルを黒・白・灰の三色で表現しています。色の識別についてはゲームボーイ版も全く問題ないです。

 私はどちらかと言えば、ゲームボーイ版『ドクターマリオ』を好んでプレイしていました。テレビ画面でプレイするファミコン版よりも、お手軽で遊びやすいことが理由でした。ソフトの値段もゲームボーイ版の方が安かったですしね。
 ゲームボーイ版『ドクターマリオ』はビンの高さがファミコン版よりも1段低く、最高難易度のレベル20がファミコン版よりも難しくなっています。上の隙間が2段分しかないんですよ。スタート直後に少しでもミスをすると、カプセルが天井まで積み上がってゲームオーバー。スピードが「HI」だと、まさに「運ゲー」になります(笑)。

 『ドクターマリオ』は縦のラインだけに気を取られている間は素人、横のラインも上手く消せるようになれば一人前です。安直に縦にカプセルを積み重ねるよりも、横にカプセルを積み重ねた方が、連鎖消しの可能性が増えます。『ぷよぷよ』のように連鎖が続くと実に気持ちいい。今でもプレイすると面白い、中毒性のあるゲームだと思います。

あと少し      エンディング

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Firewatch (PC)

タイトル画面  太陽がまぶしい

■ 森林火災監視王に、おれはなる!
 『Firewatch(ファイアー・ウォッチ)』は、アメリカ・ワイオミング州の自然保護区を舞台にした、1人称視点のミステリーアドベンチャーゲームです。ロッキー山脈中部にあるイエローストーン国立公園を散策しているような気分を味わえます。
 主人公のヘンリーは、森林火災監視員に採用されたアラフォーの男性。1人称視点であるため直接ヘンリーの姿を見ることはできませんが、監視員の山小屋に飾っている自分の写真を見ると、ヒゲもじゃのたくましい容姿をしています。キャプテン・アメリカも逃亡中にヒゲを生やしていたし、アメリカでは今ヒゲづらがトレンドのようです。まあ、このゲームの時代設定は現代ではなく、1980年代ですが。

 ヘンリーにはジュリアという名前の妻がいます。ジュリアは大学の研究者でしたが、不幸なことに若年性認知症を発症。ヘンリーと一緒に生活することが困難になってしまいました。物語の冒頭でジュリアをどうするか選択肢が出てくるものの、介護施設に入れても自宅で介護しても、ジュリアと離ればなれになる結果は変わらず。一体どうすればいいのさ?

 現実逃避をするように、ヘンリーは森林火災監視員の募集に応募します。人里離れた山小屋でたった1人、四六時中火災が発生していないかを監視する過酷な仕事です。しかし、ジュリアのことで心が傷ついたヘンリーにはうってつけの仕事でした。男には孤独になりたいときがあります。家に書斎を作りたがるのもその表れです。

 森の中の山道を進み、監視塔になった山小屋に到着。部屋に入ると、監督官のデリラから無線連絡が届きます。デリラはヘンリーよりも4歳ほど年上の女性で、この仕事を10年以上続けているベテランのようです。
 デリラとはゲーム中で一度も顔を合わせることがありません。無線での会話のみで交流します。デリラはおしゃべりな女性というか、話し好きの性格みたいですね。デリラの質問には選択肢が出現します。ジョークに対してはジョークで返答するのもよし、返答しにくい質問には無視を決め込むのもよし、プレイヤーの気分次第で会話の流れを変えることができます。『Firewatch』のウリがこの会話部分です。

 日本のゲーム会社が作るゲームの主人公は、たいていが10代の少年少女です。本作のようにアラフォー世代の男女が主人公である“枯れた”ゲームはまずないと思います。大人が共感できるゲームが少ないことが、ゲームが幼稚な趣味だと見られる原因の一つではないでしょうか。ゲームの世界は映画のようにもっと多様性があっても良いはず。

監視塔の中  人影

■ 監視している者が監視されていた件
 プレイヤーは無線で話しかけてくるデリラの指示に従い、イベントをクリアすることによって物語を進めます。食物を見つけたり薪を集めたりするサバイバル要素はなく、きちんとした筋がある中篇小説のようなゲームです。エンディングに到達したときの印象をまとめると、ミステリー小説でもホラー小説でもなく、純文学小説といった内容でした。
 IGN Japanのレビュー記事で、クラベ・エスラさんが「ポール・オースターの小説を読んでいる気持ちにさせられる」と書いていますが、上手い表現だなと思いました。オースターの小説は何か劇的な事件が起きるのではなく、新しい環境の中でトラブルに巻き込まれる話が多いんですよね。

 仕事開始1日目、「湖の近くで花火を打ち上げている馬鹿野郎がいる」との連絡を受けて、ヘンリーは花火を止めさせに行きます。「どうせウェーイ系の大学生か田舎のマイルドヤンキーの仕業だろう。あーしんど」と思いながら、現場に急行してみると、犯人は2人組の不良少女。花火に飽きたのか、すっぽんぽんになって湖の中ではしゃいでいます。少女たちに注意すると、「キモい」だの「ウザい」だの「クサい」だのと言って逆ギレ。やれやれ、僕は射精した。

 この珍事件を皮切りにして、ヘンリーの周辺ではおかしなことが発生するようになります。監視塔の窓ガラスを割られて室内が荒らされたり、電話線を切られたり、少女たちの嫌がらせにしては度を越しているように感じます。夜に懐中電灯を持った不審人物も目撃します。
 デリラからの情報によると、あの少女たちは行方不明になって自宅に戻っていないとのこと。「やべえ。レイクサイドで騒いでいる若い女性ほど、ジェイソンを苛立たせる者はいないからな。まさかあの不審人物が……」とぞわぞわする展開に。

 するとデリラはとんでもないことを告白します。「本部には少女たちを目撃していないと報告した」と言うのです。――「アホか、このアル中ババアwww 真実を伝えろやwww 俺が少女たちを襲って殺したように思われるやろwww 無実の罪で死刑にされちゃうwwwww」

 ヘンリーはデリラとの無線通信を盗聴している謎の人物を探すために、金網で封鎖された地域に侵入。発見したテントの中を捜索しているときが恐怖のピークでした。「これ、ゾディアック風の覆面をした男が背後から近づいてきているよねw」とビビって、後ろを何度も振り返りましたよ(笑)。
 前述したように、本作はあくまでも純文学風のシナリオであるため、ネタばらしの部分は拍子抜けしたというか、プレイヤーが驚愕するような結末ではありませんでした。クリアまでのプレイ時間は正味4時間くらいで、定価だと高いと感じるかも。割引セールで500円程度で買えるなら十分オススメできます。

地図を片手に  夕日

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[ 2019/02/17 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

アテナ (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーSNK
・ジャンルアクション
・発売日1987年6月5日
・価格5,500円



■ ビキニアーマー、もとい単なるビキニ
 ゲームの主人公を露出度の高い女の子にした、いわゆる「ギャルゲー」要素たっぷりのアクションゲーム『アテナ』。本作は1986年に発売されたアーケードゲーム『アテナ』のファミコン移植作品です。ファミコン版の開発元はマイクロニクス。
 このソフトには、続編『サイコソルジャー』の主題歌を収録したカセットテープが付属していました。パッケージの箱は大型サイズで、ど派手なピンク色。表面にはビキニ姿のアテナの全体像が描かれていました。「エロかわ」をウリにするのはいいとしても、これはやり過ぎでしょうw お店で買うのが恥ずかしいじゃないですか。

 SNKの看板キャラである麻宮アテナのご先祖が、このゲームに登場するアテナ姫という設定です。ギャルゲーの元祖とされるPCソフトの『夢幻戦士ヴァリス』も1986年の発売でしたが、アーケード版『アテナ』は『夢幻戦士ヴァリス』の半年前に発売されています。時系列的にはこちらが真の元祖になるのかな?
 赤いビキニ姿で戦うアテナを見たときは、「そういうのもあるのか」とゲームの世界観が広がった感じがしました。コロンブスの卵並みの発想力です。ヒゲ親父や戦闘機だけがゲームの操作キャラではなかったのです!

 プレイヤーは主人公アテナを操作して、たくさんのモンスターが出現するアクションステージを攻略していきます。Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃と、オーソドックスな操作方法ですが、ジャンプの仕様は独特で、Aボタン連続押しによって小ジャンプから大ジャンプに変化します。
 ステージ構成は、第7ステージの「迷宮の世界」を除いてアーケード版とほぼ同じ。ボスキャラの姿・形もアーケード版を忠実に再現しています。全体的なグラフィックは綺麗で、ぱっと見の印象は悪くありません。

 アーケード版『アテナ』では、ゲーム開始直後の落下シーンで、赤いドレスがぽろっと脱げてしまうユーモラスな演出がありました。しかし残念ながら、ファミコン版ではその演出を省略。ここが『アテナ』の一押しポイントなんですけどね~。まあ、家庭用ゲーム機のソフトだから、仕方がないと言えば仕方がない。
 ただ、幻想界へ通じる扉を開け閉めする演出までも省略したのは如何なものかと。次のステージに行く小部屋が何もない小部屋になっていて、説明不足だと感じました。

ステージ1      ステージ1のボス

■ 武器には露骨な優劣あり
 スタート時点のアテナは武器を何も持っていません。この状態でBボタンを押すとキック攻撃をします。着ている服もビキニだけという貧弱な装備です。豚タイプのザコモンスター・ボアを倒すと棍棒やハンマーなど破壊系の武器をドロップ。まずはそれを拾って使いましょう。使い勝手はイマイチですが、破壊系の武器はいちばん弱い棍棒でもブロックを破壊することができます。

 武器の形態は、この他に剣、弓、魔法の杖があり、それぞれ強さが異なる3つの武器があります。破壊系なら棍棒<ハンマー<鉄球棒の順に、剣系ならブルーソード<イエローソード<レッドソードの順に攻撃力が高くなります。
 最も重要な武器は、剣先からビームを発射する最強の剣「レッドソード」です。基本的にはこのレッドソードを保持したまま、ゲームを進めるのが最善です。

 特定の場所のブロックを壊すと、中から防具系のアイテムが出現します。防具には鎧、兜、盾の3種類があり、取るとアテナの防御力が上がります。防具は緑色<青色<黄色の順に強くなります。
 兜を取ると、頭突きによってもブロックを破壊することができるようになります。少なくとも兜だけは敵から壊されないように注意しましょう。

 武器の交換や防具の脱着のシステムは、カプコンの『魔界村』から影響を受けたと思われます。しかし鎧を着てしまうと、せっかくのビキニが隠れてしまうという欠点があります。肩パットや髪飾りなど、ビキニ姿が変化しないタイプの防具があれば良かったのに、と思いました。

 移植の出来は、正直なところあまり良くありません。アテナの動きはカクカクとしていて、スプライト欠けも激しいです。敵の攻撃を避けにくく、すぐに死んでしまいます。
 アーケード版『アテナ』も簡単にクリアできるような難易度ではなく、初心者だとステージ1突破も厳しいアクションゲームでしたが、アテナ自体はもっとキビキビと動かすことができました。ファミコン版『アテナ』は操作性の面で再現度が低いです。

 ザコモンスターがゴミ武器を頻繁にドロップするのが非常にいやらしいですね。拾いたくないのに拾ってしまう“事故”が多発します。最強のレッドソードから最弱の棍棒に変えられてしまうとガッカリですよ。
 通路が狭い場所だと、ドロップした武器が画面から消えるまで2~3秒立ち止まる必要があります。消えるのを待っていると、ザコモンスターが再び湧いて出てきます。このテンポの悪さはどうにかならなかったのか……

ステージ2      ステージ2のボス

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ワンダと巨像 (PS2)

タイトル画面
・機種プレイステーション2
・メーカーSCE
・ジャンルアドベンチャー
・発売日2005年10月27日
・価格6,800円



■ 最後の一撃は、せつない。
 『ICO』(PS2)を製作した上田文人チームの第2弾ソフト、それが今回レビューする『ワンダと巨像』(PS2)です。『ワンダと巨像』は『ICO』の直接的な続編ではなく、ストーリーやシステムは異なりますが、神秘的な空間に包まれている独特な情緒を『ICO』から受け継いでいます。

 『ICO』に対するネガティブな感想としてよく使われる言葉が、「雰囲気ゲー」。「グラフィックや世界観は優れているけど、肝心のゲーム性は乏しい」というニュアンスが込められた言葉です。
 確かに『ICO』は、扉を開けたり通路を切り開いたりするパズル的な要素が多く、戦闘を楽しみたいというプレイヤーにとっては不満が残るゲーム内容でした。たとえば『ドラゴンクエストIII』において、戦闘は限られた回数しかなく、ゲームの大部分はエジンベア城の岩押しパズルだったとしたら、プレイヤーの多くが退屈だと感じるでしょう。

 テレビゲームの醍醐味といえば、ド迫力のモンスターと戦う緊張感――やっぱりこれですよね。パズルゲームよりもアクションゲームが好まれるのは、いつの時代でも同じです。『ICO』の開発スタッフが、次にアクション重視のゲームを作ろうと考えたのは、とても自然なことだったと思います。

 『ワンダと巨像』の主人公は、ワンダ(Wander)という名前の青年。アサヒの缶コーヒー「ワンダ(WONDA)」とは全く関係がないです。タイガー・ウッズも出てきません。でも、本作が発売される前から缶コーヒーのワンダは存在していたので、タイトルを見たときは、「モーニングショットかな?」と思ってしまいました(笑)。

 ワンダが魂を失った少女モノ(Mono)を祭壇に横たえると、黒い影のような生き物が背後に現れます。いにしえの剣を鞘から抜くと、生き物は煙のように蒸発し、天から声が聞こえてきました。
 ワンダは声の主であるドルミン(Dormin)に、少女の魂を呼び戻して欲しいと願います。ドルミンはその代償として、この地にいる16体の巨像を倒せと命じました。

 ワンダとモノの関係についてはゲーム内で語られることはなく、モノはワンダの恋人なのか、それとも肉親なのか、その答えはプレイヤーの想像に任されています。私は妹説に一票を投じたいですね、理由は何となくですけど。

ワンダ      愛馬

■ ♪Wonda Wonda Wonda Wonda, Wonda Wonderful Yeah!♪
 冒険の拠点である「いにしえの祠」から外へ出ると、目の前には広々とした原野が広がっています。愛馬のアグロとともに、剣から放たれる光が指し示す方角に向かいましょう。到着地点の崖を登ると、第1の巨像「谷歩く大男」が悠然と姿を現します。
 さて、ここからがゲームの本番。巨像に剣を掲げて光を当てると、巨像の急所があらわになります。第1の巨像の急所は、左脚の太ももと頭頂部です。ここに剣を突き立てることで巨像にダメージを与えることができます。

 △ボタンでジャンプをしてからR1ボタンを押すと、ワンダは巨像の体にしがみつきます。巨像の体を観察すると毛がもふもふと生えている部分があります。手でつかむことができるのはそうした箇所です。
 巨像は体を揺らしてワンダを振りほどこうとするので、簡単には急所の場所までたどり着けません。巨像の動きを見て落ち着いたタイミングを狙うこと、スタミナ量に気を配りながらときどき休憩することが重要になります。

 ワンダの動きはもっさりとしていて、操作性は快適とは言えないです。視界を制限するようなカメラワークにも違和感を抱くことがあるでしょう。
 プレイヤーが感じるこうした不快さ、もどかしさは、超人的な能力を持たない普通の人間の動きを追求した結果であり、巨像に対するワンダの卑小さを表現しています。爽快なアクションを求めている人はストレスが溜まるかもしれませんが、『ワンダと巨像』は開発者の狙い通りに作られているのですよ。

 『ワンダと巨像』の欠点を言うと、巨像を倒す順番が完全に決まっているところですね。広大なフィールドがただの通り道になっています。オープンワールドだが一本道――「ちょっと何言ってるか分からない」。
 チュートリアル的な最初の巨像を倒した後は、プレイヤーの好きな順番で巨像に挑めるように作るべきだったのではないでしょうか。攻略ルートは自分で構築した方が楽しいですよね。う~ん、もう一押しで神ゲーになれたソフトなのに、いろいろと惜しい。

 なお、本作は2018年2月にPS4版が発売されました。PS3版の『ワンダと巨像』はHDリマスター版でしたが、PS4版の『ワンダと巨像』は最新テクノロジーで作り直したフルリメイク版です。美しい映像にこだわるなら、PS4版が断然オススメ!

巨像      急所

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ファイナルファイト タフ (SFC)

タイトル画面
・機種スーパーファミコン
・メーカーカプコン
・ジャンルアクション
・発売日1995年12月22日
・価格9,800円



■ 謎の青年ディーン登場!
 『ファイナルファイト タフ』は、スーパーファミコンで発売された『ファイナルファイト』シリーズ最後の作品です。海外でのタイトルは『Final Fight 3』。初代『ファイナルファイト』のマイナーチェンジ版である『ファイナルファイト・ガイ』を含めると、シリーズ4本目の作品になります。

 本作は出荷本数が少なく、現物ソフトは希少価値があります。箱・取扱説明書付きの完品だと、おそらく10000円以上はするでしょう。現在、Wii、Wii U、Newニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されているので、遊んでみたいという人は安価なダウンロード版を選ぶのがいいと思います。Wiiのバーチャルコンソールは終了間近ですからお早めに。

 本作の敵はマッドギアの元下部組織「スカルクロス」です。前作の敵はマッドギアの残党でしたが、今回の敵はマッドギアの残党の残党レベルですね。だんだんと敵の規模・質がショボくなっているw 初代作品の縮小再生産を繰り返している『スター・ウォーズ』や『機動戦士ガンダム』を連想してしまいますよ。

 修行を終えたガイがハガー市長を訪問するシーンから物語は始まります。ちょうどそのとき、スカルクロスが留置所を襲撃するという珍事件が発生。ガイとハガーが近くにいるというのに、悪人たちはいい度胸をしてるじゃないですか。
 ガイとハガーに同行するのは、女刑事のルシアと謎の青年ディーンです。ディーンに対するルシアのセリフ「だ、誰なのアナタ!」は、プレイヤーの気持ちを代弁していると言えます。カルロス宮本に勝るとも劣らない、ぽっと出の新人です。突然どこから現れた!?

 プレイアブルキャラクターは、上記のようにガイ、ハガー、ルシア、ディーンの4人。『ファイナルファイト2』と同様に、2人同時プレイが可能です。
 4人の中ではガイが最も使いやすいキャラクターですね。攻守のバランスが優れていて、初心者にオススメです。紅一点のルシアはキック攻撃にクセがあり、意外と上級者向きのキャラクターかもしれません。ディーンはカルロス宮本(=コーディー)枠のキャラクターかと思いきや、フィニッシュに電撃攻撃を繰り出せる特異な性能を持っています。

オープニング      キャラクター選択画面

■ 1人ぼっちでも2人同時プレイ可能!
 本作では従来のパンチ、キック、掴み投げ攻撃に加えて、格闘ゲームのようなコマンド入力による必殺技が使用できるようになりました。必殺ゲージが満タンの時には、「スーパーメガクラッシュ」という正面掴みからの超必殺技も可能です。
 ただ、普通の格闘ゲームとは違い、キャラクターが上下にも移動できるため、必殺技が暴発してしまうことが多いです。十字キーを使う必殺技とベルトスクロールアクションは相性が良くないと感じました。

 ルートが分岐する点も本作の新要素です。ステージのところどころに上方向へ進める地点があり、ここが別ルートへの入り口になっています。敵を投げて背景の扉を壊すことで、別ルートの入り口が開く場合もあります。
 ラウンド3ではバス停の標識を壊すか壊さないかでルートが変化します。ラウンド3のボス・ケインと戦いたいときは、バス停の標識を壊さないように画面下で戦いましょう。ケインとディーンの間には何か因縁があるようです。

 『ファイナルファイト タフ』の目玉は、CPUが動かすキャラクターと協力して遊べる「AUTO 2P PLAY」が搭載されていることです。1人しかいなくても2人同時プレイが楽しめるなんて、スーファミのソフトも進化しましたね~。このCPUキャラクターは、強さのレベルを「WEAK」「NORMAL」「STRONG」の3段階から選ぶことができます。「AUTO 2P PLAY」をプレイするときは、お互いの攻撃が当たらないように、HIT CONFIG.をOFFにしておきましょう。

 しかし、CPUキャラクターは体力回復のアイテムを拾わず、またゲームオーバーになってもコンティニューしないため、ゲーム途中で脱落してしまう場合がほとんどです。一番強い「STRONG」に設定しても、ボスの攻撃は避けてくれないんですよね。私はラスボス戦までCPUキャラクターを“介護”できたことはないです。

 前作『ファイナルファイト2』と比較すると、敵を叩いたときの爽快感が増しています。ペチペチとした感触がバシバシとした感触に改良されているのが嬉しいです。総合的にはアーケード版『ファイナルファイト』に及ばないものの、良作に値する作品だと思いました。

ガイとルシア      デイブ

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ファイナルファイト2 (SFC)

タイトル画面
・機種スーパーファミコン
・メーカーカプコン
・ジャンルアクション
・発売日1993年5月22日
・価格9,000円



■ 待望の2人同時プレイが可能に!
 スーパーファミコン版『ファイナルファイト』は、ガイの削除と2人同時プレイ不可という劣化部分が気になり、手放しで喜べる作品ではありませんでした。『ファミリーコンピュータマガジン』に掲載された「2人同時プレイができる」という大関級のウソテクは、ゲームファンの願望を如実に反映したものだったと言えます。

 販売元のカプコンも、できることなら2人同時プレイを実装したかったのでしょう。続編の『ファイナルファイト2』のテレビCMは、2人同時プレイが可能になったことをアピールする内容でした。
 前作『ファイナルファイト』のロム容量は8Mbitでしたが、続編の『ファイナルファイト2』は10Mbitと少し増量。これによってプレイアブルキャラクター3人と2人同時プレイが実現しました。やったぜ!
 ちなみに、3作目の『ファイナルファイト タフ』のロム容量は、24Mbitと大きく増加しています。これは『ファイアーエムブレム 紋章の謎』と同じサイズですね。

 本作の敵はマッドギアの残党です。マッドギアの総帥だったベルガーが死んで、組織は崩壊したと思われましたが、奴らの生命力はゴキブリ並に強靱でした。ガイの婚約者のレナ(麗奈)と、レナの父親でガイの師匠である源柳斎を誘拐して、ハガーたちに復讐をしようと企てます。
 2人を誘拐して具体的にどうしようと考えていたのかは不明です。まあ、ゴキブリに知性があると考えるのが間違いでしょう。汚物は消毒あるのみです。

 しかし、ガイの関係者が誘拐されたにもかかわらず、ガイは本作に登場しません。どうやらガイは修行の旅に出ていて、連絡が取れなかったようです。ガイの代わりに第1ステージの香港にやって来たのが、レナの妹のマキ(真紀)です。
 本作のオープニングシーンやエンディングシーンを見ると、家族思いの優しい女性のようで好感度大。ところが『ストリートファイターZERO3↑』で再登場した際には、ヤンキーっぽいがさつな性格に改悪されていました。やめてけろ。

 市長の仕事をほっぽり出してきたハガーも参戦。そしてハガー家に居候していた謎の格闘家カルロス宮本が、マキとハガーに協力することになりました。彼は南米出身の日系人だと思われますが、詳しいことは分かりません。
 カルロス宮本は前作のコーディーに近い性能のキャラクターで、マキは前作のガイに近い性能のキャラクターです。扱いやすさで選ぶならカルロス宮本、かわいらしさで選ぶなら当然マキです。

オープニング      キャラクター選択画面

■ ザコ敵は一人一人が別人であるのが理想
 タイトル画面を見ていただくと分かるように、本作は「オプションモード」が付いています。こういう書き方をすると、「えっ? 初代『ファイナルファイト』にはオプションモードが無かったの?」と疑問を持つ人がいると思います。
 実は前作のオプションモードは一種の“隠し要素”になっていました。タイトル画面でLボタンを押しながらスタートボタンを押すと、設定画面に切り替わります(『ファイナルファイト・ガイ』も同じ仕様です)。ここで難易度や残機数の設定を変更することができます。友人からカセットだけを借りてプレイした人は、設定画面があることに気づかなかったのではないでしょうか。

 初代『ファイナルファイト』の設定について言うと、残機数は9人まで増やせましたが、クレジット数(コンティニュー回数)は3回から変更できず、体力を温存しながら進まないとクリアが難しいのは変わらなかったんですよね。
 しかし『ファイナルファイト2』のクレジット数(コンティニュー回数)は、デフォルトで余裕の6回です。さらにコンティニューをしてもステージの最初に戻されることはなく、直前のチェックポイントから始まります。ステージごとに1回ゲームオーバーになったとしても、なんとか全面クリアできる“ゆとり”が生まれました。

 『ファイナルファイト2』には4つの難易度(「イージー」「ノーマル」「ハード」「エキスパート」)があり、難易度を上げると敵の攻撃力や防御力がアップします。本作は難易度によってエンディング内容が変わるため、完全なエンディングを見たい人は、ぜひ「エキスパート」に挑戦してみましょう。一緒に遊んでくれる友人や兄弟がいるなら、2人同時プレイでクリアを目指すのもいいですね。
 なお、2人同時プレイの際に同キャラプレイが可能になる裏技があるので紹介しておきましょう。タイトル画面で、↓↓↑↑→←→←LRと入力して、タイトル画面の背景色が青になったら成功。2Pは色違いのキャラクターになります。

 『ファイナルファイト2』の評価については、前作よりもヌルくなったとか、敵を殴ったときの爽快感が低下したとか、マイナス面を強調する意見が多いように感じます。本作はカプコン内製ではなく外注作品であり、確かに私自身もゲームの芯の部分に違和感を抱くことがありました。なんとなく全体的に単調というか、刺激に乏しい作品であることは否めません。
 最終ステージの日本においても、アンドレ、ブル、ジョニー、マーク、ジャックなどの同じ顔ぶれのザコ敵が登場すると、本当にここは日本かな?と思ってしまいますよね(笑)。せめて名前だけでも「田中」とか「佐藤」に変えるべきだったのではないでしょうか。

後ろに春麗      ウォンウォン

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源平討魔伝 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルテーブル
・発売日1988年10月21日
・価格4,900円



■ 何かの手違いでボードゲーム化
 本作はアーケードゲーム『源平討魔伝』をファミコンに移植した作品です。1987年7月に発売されたコナミの『月風魔伝』は、『源平討魔伝』の類似作品でありながらかなり出来が良く、本家ナムコの動向に関心が集まっていました。ゲームファンは“魔伝対決”の行方に注目していたのです。
 しかしナムコが発売したファミコン版『源平討魔伝』は、ゲームファンの期待を大きく裏切る内容でした。パッケージには「コンピュータボードゲーム」の文字が書かれていて、ジャンルを変更したアレンジ移植であることは一目で分かりました。「ナムコはコナミと同じ土俵で戦うことから逃げちゃったのね」と落胆したことを記憶しています。

 ボードゲーム自体は別に嫌いではないんですよ。子供の頃は友人たちと「おばけ屋敷ゲーム」で遊んでいましたからね。でもボードゲームはリアルな盤やカードがある実物だからこそ楽しいんです。一応、本作には日本地図やコマなどの付属品が同梱してありましたが、友人たちが集まったときにテレビ画面でボードゲームをやるかなぁ……普通はやらないよなぁ……。

 本作は1人のソロプレイと2~4人のマルチプレイが可能です。4人プレイの場合、1コンと2コンを交互に持ち替えながら遊ぶことになります。
 参加人数を決めたら、次は名前入力画面へ。『ドラゴンクエスト』のように、ひらがな4文字まで入力可能です。「よりとも」「よしつね」「べんけい」など、敵キャラとして登場する人物の名前は、一部が伏せ字になります。「よりとも」→「○○とも」、「よしつね」→「○○つね」、「べんけい」→「○゛○けい」といった具合です。

 面白いことに「げつふう」と入力すると、これも「○゛○ふう」と伏せ字になります(下右画面参照)。『ハリー・ポッター』の「名前を言ってはいけないあの人」扱いですか(笑)。
 『月風魔伝』が発売されたとき、ナムコの人は『月風魔伝』についてどう思ったのか、そのあたりの裏話が知りたいですね。「パクりやがって」と本気で怒ったのか、それとも「しょうがないなぁ」と苦笑したのか。

 俳優の織田裕二が芸人の山本高広にものまねをされてへそを曲げたように、真似されて怒る人っていますからね。ゲイ疑惑がある人のものまねで、タイソン・ゲイの世界陸上ネタはマズかったのかもw まあ、月風魔は景清さんに一言「真似していいですか?」と確かめるべきだったよね。(´・ω・`)

 ちなみに、敵キャラだけではなくて、卑猥な言葉も伏せ字になります。思いつく限りの卑猥語や差別語を入力してみたところ、「せ●くす」と「お●んこ」の2つが伏せ字になりました。3文字の「ま●こ」だとOKという謎基準です。RTA界隈で人気の名前「ほも」も大丈夫ですよ。

大凶      フィールド画面

■ ボードゲーム=「運ゲー」は当然の話だが…
 このボードゲームの最終目標は、相模の国の「鎌倉」にいる源頼朝を倒すことです。1人プレイの場合、プレイヤーは壇ノ浦周辺の国からスタートして、各地を回りながら鎌倉を目指します
 頼朝と対決する前に、各地に散らばった「三種の神器」(草薙剣・八尺瓊勾玉・八咫鏡)を集める必要がありますが、三種の神器を持つ城主がいる国は、毎回ランダムに変化します。ゲーム冒頭で三種の神器がある国が表示されるので、付属の地図に神器のチップを置いて、目的地を確認しながらプレイしましょう。この三種の神器の初期配置が、ゲームを攻略する上で非常に重要になります。

 敵キャラとの戦闘は、『ドラゴンクエスト』型のコマンドバトル方式になっています(下右画面参照)。直接攻撃の「たたかう」や呪文攻撃の「じゅもん」を選択して敵を攻撃し、敵の体力(ロウソクの数で表示)をゼロにすると勝利します。
 アクションゲームだったアーケード版『源平討魔伝』からの大きな仕様変更です。おそらくこのことを知った時点で、本作に対する興味をなくしてしまった人がいたと思います。完全に別ゲーですからね。

 戦闘終了後は経験値の「徳」と通貨の「銭」を獲得。徳は景清のステータスUPに、銭は景清の体力回復に使います。徳を貯めただけでは景清は強くならないので、神社でレベルアップすることを忘れずに。
 景清のステータスは「剣力」「妖力」「防御力」「機敏さ」の4種類があります。どのステータスを優先して伸ばしていくかは、プレイヤーの自由です。

 さて、ただ景清を強くして敵を倒していくゲームであるなら、普通のロールプレイングゲームと変わりません。このゲームは城主を倒して自分の領地を拡大していくシミュレーション要素もあります。
 問題なのは、敵側である頼朝も国を占領していくこと。景清が国から出入りすると頼朝の領地も拡大しています。運が悪ければ“通常の3倍”のスピードで頼朝が勢力を伸ばしてしまいます。

 頼朝に取られた領地の城主は闇強化され、序盤の段階の景清では到底勝つことができなくなります。もし三種の神器を持つ城主が強くなっていたら、最悪ゲームが詰んでしまう可能性もあり得ます。スムーズに三種の神器を集めて鎌倉に行くことができるか否かは、運次第というわけです。う~ん、とても厳しい。
 普通にプレイするとクリアまで数時間はかかるゲーム内容であるのに、セーブ機能やパスワード機能はなし。ユーザーに対する配慮も『月風魔伝』に負けてしまった作品でありました。

マップ画面      戦闘画面

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OneShot (PC)

タイトル画面      ニコ

■ チャンスは一度きりだ
 語りたいけど、語れない。『OneShot』はそういう特殊なゲームです。このゲームは実際に自分のパソコンでプレイしないと、その価値を理解できません。YouTubeなどに投稿されているプレイ動画を見れば、手っ取り早く内容を知ることはできますが、それは表面的で薄っぺらいものに過ぎないのです。
 文章で書こうとしても同じことで、未プレイの人に『OneShot』の素晴らしさを説明することは難しいと感じます。とにかく事前情報なしでプレイしてほしい――私が言いたいのはこれだけです。よって、ネタバレが嫌な人は、続きを読むことをお控えください。

 ゲームを始めると、薄暗い部屋のベッドで寝ていた少年が目を覚まします。少年の名前はニコ。ネコのような瞳をした可愛らしい男の子です。ショタ好きの紳士・淑女の方なら、別の意味で可愛いとおも……ゲフンゲフン、まあ低次元な話は止めておきましょう。
 部屋のローテーブルの上にはパソコンが置いてあります。ニコがパソコンを起動しようとするとパスワードを要求されました。

 どうにかして部屋の中でパスワードを見つけ出し、ゲーム内のパソコンを起動させると、(ニコがゲーム内で見ている)ポップアップウインドウのテキストが表示されます。「君の『使命』はニコが帰れるように手助けすることだ。そして最も重要なことは…」の後、「チャンスは一度きりだ、******。」というテキストが出てきます。この一文は、プレイヤーのパソコン上のポップアップウインドウに表示されたもので、伏せ字の部分はパソコンのユーザー名になります。

 プレイヤーに直接語りかけてくる人物は誰なのかという疑問は措いておくとして、ここでは「第四の壁」を超える最初の演出が実行されます。メタフィクションの手法をふんだんに取り入れている点が、『OneShot』のセールスポイントです。
 ゲームを進めていくと、パソコンのマイドキュメントの中に、パスワードが書かれたテキストが挿入されたり、デスクトップの背景画面が強制的に変わって、パズルを解くヒントが表示されたり、パソコンゲームならでは仕掛けでプレイヤーを驚かせてくれます。

 滅びようとしている世界を救おうとする主人公のニコと、ニコを操作するプレイヤーは特別な関係です。「操作する」という言い方は語弊があるかもしれません。ニコはプレイヤーの分身ではなく、別人格のリアルな存在として描かれているからです。
 プレイヤーはニコを導く“神”であり、ニコに行動を促すことによって『OneShot』の世界に干渉します。一般的に「第四の壁」を超えるのはフィクション側の登場人物ですが、このゲームでは現実世界のプレイヤーも「第四の壁」を超えます。映画や小説では不可能なことがゲームでは可能なのです。『OneShot』の設定の凄さが少しでも理解してもらえたでしょうか。

ロボット      地図

■ チャンスは一度きりじゃない
 たくさんのNPCが生活している『OneShot』の世界(ワールドマシン)は、プレイヤーのコンピュータ上で実行される宇宙シミュレータによって生成されています。しかしプレイヤーはコンピュータを所有しているだけで、ワールドマシンを作ったわけではなく、プログラムを書いた人物は別にいます。それはNPCがいる世界の人間ではありません。
 そしてワールドマシンは精神的な処理能力を持つ人間が必要になります。それがニコです。ニコもまたNPCがいる世界とは別の世界からやって来た人物です。『OneShot』はこうした複雑な設定の上に成り立っている世界です。

 『OneShot』の世界を救う方法は、世界の中央にある塔に登り、太陽(電球)を元の場所に戻すことです。しかし電球を戻して世界を救うと、ニコはおそらく消えてしまう運命にあります。プレイヤーは物語の最後で、電球を戻すか、それとも電球を砕いてニコを元の世界に戻すか、究極の選択に迫られることになります。
 両方を救うことはできない――そう宣告されると悩んでしまいますよね。ニコと一緒に旅をして、ニコに愛着を抱いたプレイヤーだったら、電球を砕きたくなってしまうのではないでしょうか。

 私はどうしたかというと、心を鬼にして電球を元に戻しました。世界を救いたいと願うニコのセリフがあったからです。太陽が再び輝き、NPCたちが喜ぶエンディングを見ることができましたが、ニコは……。電球を砕いた場合の結末はご自身の目でお確かめください。世界を救うにせよ、ニコを救うにせよ、『OneShot』の物語はここで終了します。

 ……終了するはずでしたが、2017年3月20日に配信された「Solstice」アップデートによって、2周目(裏ルート)に行くことができるようになりました(2周目に行くためには、パソコン上でちょっとした操作が必要です)。つまり本作にタイムループ的な要素が追加されたわけです。
 『OneShot』は「一度きり」というテーマをウリにしていたゲームであるため、このアップデート内容には疑問を持つ人もいるようです。でも、トゥルーエンディングは誰でも見たいと思うじゃないですか。大正解ですよ、このアップデートは。

ペンダント      電球

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[ 2018/10/01 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

ICO (PS2)

タイトル画面
・機種プレイステーション2
・メーカーSCE
・ジャンルアドベンチャー
・発売日2001年12月6日
・価格5,800円



■ この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。
 プレイステーション2の初期に発売され、数多くのプレステユーザーの心に鮮烈な印象を刻み込んだ、SCEの名作ソフト『ICO(イコ)』。本作はゲームデザイナー上田文人の名を世に知らしめた作品として有名です。
 電撃オンラインの「編集部が選ぶPS2名作選」では、27人の編集者たちがそれぞれ15本の名作PS2ソフトを選出していますが、そのうち8人が『ICO』をリストに入れています。PS2ソフトは2900本近くあるにもかかわらず、この支持率ですよ。本作に対する人気の高さが推察できます。

 『ICO』は元々PS用ソフトとして開発が進められましたが、途中でPS2用ソフトに変更されたそうです。仮にPS用ソフトのまま完成していたら、ここまで賞賛されるゲームになっていたのかどうか……まあ、別の世界線の出来事を知ることは誰にもできませんけどね。
 もし拓殖銀行が破綻しなかったら、ハドソンも経営危機に陥ることはなく、高橋名人の頭髪はフサフサのままで、今頃は第4世代のPCエンジン「PC-FX エクストリーム」が発売されて、世界のビデオゲーム業界を席巻していた可能性が……それはないか……

 本作の主人公イコは、頭に角が生えた13歳の少年。村のしきたりにより、イコは海の上に聳える無人の古城に“生け贄”として連れてこられました。生け贄用のカプセルに入れられ、お城の部屋に放置されたイコ。しかしイコを連れてきた神官たちが去った後、地震のような揺れが発生し、イコが入ったカプセルは床に転げ落ちます。運良くカプセルから脱出できたイコは、古城の探索を始めました。

 しばらくして、イコは檻に閉じ込められた少女(ヨルダ)を発見します。イコがヨルダを檻から助け出すと、『ドラクエ』の「あやしいかげ」に似た魔物が出現してヨルダを連れ去ろうとしました。イコは棒を使って必死にその黒い影を追い払います。ヨルダと言葉が通じないイコでしたが、ヨルダと一緒にこの古城から脱出することを決意しました。う~ん、まさに「阿吽の呼吸」ってやつですな。

 このゲームでは、プレイヤーは少年イコを操作して、少女ヨルダを誘導・護衛しながら古城の仕掛けを解いていきます。ボルダリングが得意なイコは、壁やロープをスイスイと登っていくことができますが、ヨルダの身体能力は「体育の成績2」レベルです。たぶん鉄棒の逆上がりもできない、運動オンチの女の子じゃないのかな? ヨルダはイコと同じ経路をたどることができないため、プレイヤーはヨルダが移動できるように扉を開けたり足場を作る必要があります。

 ヨルダの手を握ると、コントローラーの振動機能が働きます。コントローラーがブルブルと震えると、本当に手をつないでいるような感触が得られます。手を引いているヨルダのことを気遣い、走るのを止めて歩くようになった時点で、プレイヤーはすでにゲームの世界に引き込まれているのです。

ヨルダ      イコ

■ 『ICO』をプレイせずして、雰囲気ゲーを語ることなかれ
 『ICO』の舞台は、「いつだかわからない時代の、どこだかわからない場所」。パッケージに描かれた風景(ジョルジョ・デ・キリコの絵画『通りの神秘と憂愁』風のイラスト)を見ると、科学文明が崩壊した後に、生き残った人間たちによって再建された未来の世界に思えますね。巨大な風車がある建物の下に、イコがヨルダの手を引いている姿が小さく描かれていて、実に幻想的です。

 また、このソフトの取扱説明書が絵本風で凝っているんですよ。取扱説明書にはイコとヨルダの物語が書かれていて、その文章の中でさりげなく操作方法やセーブ・ロードのやり方に言及しています。
 ゲームの進行状況をセーブして休みたいときは、古城のあちらこちらに置いてある「石のソファー」に座ります。ただし、イコとヨルダの二人が一緒にいないとセーブできないので注意しましょう。

 『ICO』は「雰囲気ゲーム(雰囲気ゲー)」の代表作として語られることが多いです。雰囲気ゲームとはどんな種類のゲームなのか、特にはっきりとした定義はありませんが、一般的には「神秘的な空間をさまよい歩く」、「ゲーム性よりもアート性を重視」、「HUDのようなゲームを意識させる表示をできる限り排除」などの特徴を持っています。BGMが良ければ、「癒やしゲーム」と言い換えることもできるでしょう。

 雰囲気ゲームは操作キャラクターを包んでいる空間そのものを楽しむ作品が多く、ハマる人はとことんハマる一方で、その世界観が肌に合わない人からはクソゲー扱いされることもあります。
 『LSD』、『風ノ旅ビト』、『ゆめにっき』といった作品が、雰囲気ゲームの例として挙げられるでしょうか。雰囲気ゲームという言葉を罵倒の意味合いで使う人もいるので、不用意に使うのは控えるべき言葉なのかもしれませんが。

 私個人の意見を言わせてもらうと、確かに『ICO』は雰囲気ゲームの要素を備えていますが、アクション要素や謎解き要素もしっかりと作られています。ストーリーや目的が明確である以上、ただの雰囲気ゲームというレッテルは適切ではないでしょう。『ICO』は正真正銘の「アドベンチャーゲーム」なのですよ。

 そういう意味で『ICO』は万人にオススメできるゲームだと思いますが、カメラワークにクセがあって、操作性には若干問題点があります。本作は『バイオハザード コード:ベロニカ』のような「移動カメラ」視点を採用していて、360度自由に周囲を見渡すことはできません。最近のTPS方式のゲームに馴染んだ人だと、操作に戸惑う場面があるかも。

扉開封      セーブポイント

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Newスーパーマリオブラザーズ2 (3DS)

パッケージ画像
・機種ニンテンドー3DS
・メーカー任天堂
・ジャンルアクション
・発売日2012年7月28日
・価格4,800円



■ 今度のマリオは、コインがどっさり!
 『Newスーパーマリオブラザーズ2』(3DS)は、2006年5月にニンテンドーDSで発売された『Newスーパーマリオブラザーズ』の続編です。2009年12月に発売された『Newスーパーマリオブラザーズ Wii』を含めると、『New』シリーズの3作目になります。本作はニンテンドー3DS LL本体と同時発売されました。

 今回もまた、キノコ王国のピーチ姫がクッパ軍団(コクッパ7人衆)にさらわれ、マリオとルイージが助けに行くというストーリーです。冒険の目的なんて他にいくらでも考えつくだろうと思いますが、任天堂はこの定番ネタに固執しているようです。たまにはサラサ・ランドのデイジー姫が誘拐されてもいいんですよ?

 または趣向を変えて、ワリオとワルイージがマリオ兄弟と組んで冒険するという展開はどうでしょうか? 敵もありきたりなクッパ軍団ではなくて、たとえば宇宙からの侵略者とかだったら新鮮味があると思います。『Newスーパーマリオブラザーズ Wii』の操作キャラクターはマリオ、ルイージ、きいろキノピオ、あおキノピオの4人でしたが、私は没個性キャラのキノピオよりもワリオとワルイージを出して欲しかったんですよね。

 本作は『スーパーマリオブラザーズ』シリーズで“刺身のつま”的な存在だった「コイン」をテーマにしています。100枚集めると1UPしてカウント数が0に戻る従来のコイン数とは別に、各コースの最大獲得コイン数やプレイ中に集めた累計獲得コイン数が記録されていきます。
 累計獲得コイン数が100万枚を達成すると、タイトル画面に黄金のマリオ像が出現します。だからどうしたと言われると困りますが、要するに目標を達成した証みたいなものですよ。累計獲得コイン数をカンスト(999万9999枚)させると、黄金のしっぽマリオ像にグレードアップします。

 コインをテーマにしたことにより、コインを出現させるギミックが増えました。頭に被って移動するとコインが湧いて出てくる「ゴールドブロック」、画面上の敵キャラがコインをばらまくようになる「ゴールドリング」、そして新アイテムの「ゴールドフラワー」などです。このゴールドフラワーを取るとマリオが文字通り金色に輝き、巨大なゴールドファイアボールを発射できるようになります。
 ゴールドファイアボールがレンガブロックに当たると、錬金術のようにレンガブロックがコインに変化します。レンガブロックが多い場所ならコインをがっぽり稼げます。通常ステージがいきなり爽快なボーナスステージに変わるところが、本作の特徴と言えるでしょう。


■ コインの役割が変わる
 しっぽマリオに変身する「スーパーこのは」も、前作『Newスーパーマリオブラザーズ』にはなかった新アイテムです。しっぽマリオ状態のときにダッシュしてパワーを貯めると、一定時間空を飛べるようになります。しっぽマリオはファミコンの『スーパーマリオブラザーズ3』以来の久々の登場ですね。
 しっぽマリオはしっぽでメットを攻撃できたり、落下地点を微調整できたり、ファイアマリオよりも便利なんですよね。なぜしっぽが生えると空を飛べるようになるのかは謎のままですが(笑)。

 『スーパーマリオブラザーズ』シリーズでは、コインは残機数を増やす効果があります。100枚集めるとマリオの残機数が1つ増えます。つまりマリオ1人=100コインというレートです。このレートは初代『スーパーマリオブラザーズ』から変化していません。
 キノコ王国も日本のように時代が進むつれて物価が上昇している可能性はありますが、マリオ1人のお値段は据え置き。マリオは鶏卵のような物価の優等生であるのでしょう。

 『スーパーマリオブラザーズ2』(FDS)のような難易度が高い作品においては、コインは1UPキノコと同様にマリオの貴重な供給源でした。土管の中のボーナスステージに入ったら、1枚たりとも残さずにコインをかき集めたものです。
 しかし『New』シリーズになって全体的な難易度が下がり、途中セーブが可能になったことも影響して、残機数はほとんど意味がないものになってしまいました。大量の獲得コインによって残機数がどんどん増える『Newスーパーマリオブラザーズ2』ではそれが顕著です。本作の最大残機数は王冠3つで1110人です。ここまで増やすと落とし穴がマリオの死体で埋まる勢いで死なない限り、ゲームオーバーになることはないですよね。
 ちなみに、たとえ残機数が0になったとしても、「ゲームをつづける」を選べば、残機5人が追加投入されてコンティニューされます。実質的にゲームオーバーなしのゲームです。

 最近のマリオ作品では、コインは「プレイヤーの誘導」に使われることが多くなった気がしますね。コインが並んでいる場所にマリオを移動させると敵に当たらない、つまり安全地帯をコインで表現するとか、隠し通路の入り口をコインで教えるとか、コインの使い方が昔とは変わってきていると思います。
 なお、『スーパーマリオメーカー』の投稿コースで、床が見えない地点にコインの線が伸びている場合、罠である可能性が高いので注意しましょう(笑)。

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ども、ブログ管理人のうどん太郎です。
主にレトロゲームのレビューと関連ゲーム動画の紹介をしています。

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