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スタートボタンを押してください

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D・H・ウィルソン&J・J・アダムズ編『スタートボタンを押してください』(創元SF文庫)

■ はじめに神は画面を創造された。
 ビデオゲームと小説の融合を試みたSF短編集。『All You Need Is Kill』の桜坂洋、『紙の動物園』のケン・リュウ、『火星の人』のアンディ・ウィアー、『リトル・ブラザー』のコリイ・ドクトロウといった、現在活躍中の人気SF作家たちが健筆を振るっている。『ゲームウォーズ(レディ・プレイヤー1)』のアーネスト・クラインが序文を担当。
 原書は2015年に刊行された"Press Start to Play"という本で、全26編の中から日本人好みの12編を厳選して収録している。翻訳されていない未収録の短編にも興味がある人は、原書を買うしかないだろう。

 本書はビデオゲームをモチーフにした作品を取りそろえているが、短編の登場人物たちは必ずしもビデオゲームをプレイしているわけではない。MMORPGやFPSをプレイしていて、ゲームの世界と現実の世界の境目が曖昧になっていく、という展開の作品もあれば、ゲーム的シチュエーションを文学に昇華させた作品もある。私個人の意見としては、後者のような少しひねったタイプのSF小説が好きである。

 本書のトップを飾る桜坂洋「リスポーン」は、生き返って再スタートするゲーム特有の死生観をテーマにした作品。おそらく日本人読者の間では一番人気がある作品だと思う。映画『マトリックス』の敵役であるエージェントが、ネオたちに殺されても殺されても別の人間に乗り移って襲ってくる恐怖を思い出した。恐怖を感じるのは襲われる側だけではなく、襲う側も気が狂いそうになるのだな、と妙に納得(笑)。
 肉体転移の話といえば、グレッグ・イーガンの短編小説「貸金庫」(ハヤカワ文庫『祈りの海』に収録)が傑作として知られている。「貸金庫」が《静》とすれば、「リスポーン」は《動》である。

 他には、ホリー・ブラック「1アップ」(死んだ友人が制作したテキストアドベンチャーゲームを解く話)や、アンディ・ウィアー「ツウォリア」(万能の能力を持ったコンピュータープログラムの話)が面白いと感じた。12編すべてを読めば、自分のツボにはまる作品が2~3編は見つかるはず。

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