
・機種 | ゲームボーイ |
・メーカー | アスキー |
・ジャンル | ロールプレイング |
・発売日 | 1991年10月1日 |
・価格 | 4,500円 |
■ 日本オリジナルのWIZが誕生! 『ウィザードリィ外伝I ~女王の受難~』は、ゲームボーイで発売されたウィザードリィ作品第1弾です。開発元は本家『ウィザードリィ』シリーズをファミコンに移植したゲームスタジオ。本作は日本人スタッフが作った完全オリジナルゲームです。ゲームボーイの「外伝シリーズ」は、この作品を含めて3本あります。
移植作業で培ったノウハウがあれば、日本のWIZファンを満足させる作品を作れるのではないか、そのような思惑から実現したのが、この「外伝シリーズ」です。基本的なゲームシステムは、『ウィザードリィ』~『ウィザードリィV』の旧シリーズと同じです。
『ウィザードリィVI 禁断の魔筆』以降、ゲームシステムが大きく様変わりしてしまった本家『ウィザードリィ』シリーズ。第6作目から第8作目までの新シリーズも、ゲームを始めると大いにハマるRPGだと思いますが、シリーズ初期のゲームシステムに慣れ親しんだ古参のWIZファンの間では、評価はいまひとつでした。育成システムのみならず、魔法の名前までもすべて変えてしまったのは、やりすぎだったかもしれませんね。
本作の舞台は、過去の冒険でおなじみのリルガミン王国。女王アイラスの即位3日後にアイラスの姉ソークスが失踪し、さらに困ったことにアイラスの側近であった魔法使いのタイロッサムが反乱を起こしてしまいました。タイロッサムは地下迷宮に籠もり、魔物を召喚し始めたのです。
女王アイラスはタイロッサムを討伐する冒険者を集めるために、リルガミンの街に御触れを出しました。その招聘に応じたのが、あなたとその仲間の面々です。
ゲームバランスは全体的にきつめだと思います。レベルが低い段階では物理攻撃がなかなか当たらないため、序盤はパーティーの後衛を魔法使い3人にすると攻略が楽になるでしょう。魔法使い3人全員がマダルト~ラダルトを覚えれば、モンスターの「数の暴力」に対処できるようになります。
最終的なパーティー構成は、経験値を効率的に稼げるようになる中盤以降に決めるのがベストではないでしょうか。最強の武器「村正」を装備できる侍は、必ず1人はパーティーに入れておきたいところです。
■ 前門のサイデル、後門のアイボール 『外伝I』のマップは、ダンジョンの各階が16×16マスの正方形で、地下6階層+異次元地下6階層の全12階層になっています。『ウィザードリィI』~『ウィザードリィIII』のマップは、20×20マスの正方形でしたから、ダンジョンの規模はやや小さくなった印象を受けます。
が、3DダンジョンRPGのマップは、広ければ良いというものではありません。テーマパークの巨大迷路のようなダンジョンを作っても、プレイヤーが面白いと感じるマップにはならないでしょう。
『ウィザードリィ』のダンジョンの特徴は、ショートカットを開通するまで苦労することと、ショートカットを開通した後は快適に地下深くまで潜れること。『外伝I』のエレベーターの取り扱いを見ると、この伝統を受け継いでいるのが分かります。
『外伝I』の地下1階の中央付近には、地下5階まで続いているエレベーターが備え付けられていますが、エレベーターがある部屋の扉は内側からの一方通行です。地下2階からエレベーターを利用するためには、地下3階まで行ってイベントをこなし、地下1階へワープして銀の鍵を取る必要があります。
ゲームボーイの『ウィザードリィ外伝』シリーズの3作品は、どれもダンジョンのマップがよく練ってありますね。目的地まで距離的に近いように見えて、実際はキャラクターを成長させないと到達できない――『ウィザードリィ』のダンジョンに求められるセンスとは、こういうことだと思います。
初めて『外伝I』をプレイしたときは、「ん?地下6階でゲーム終了なの? ゲームボーイのソフトだから、ボリューム的にはこんなものか・・・・・・」と侮っていました。しかし、地下6階にいるタイロッサムを倒すまでは前半戦にすぎず、そこから異次元地下1階にいるソークスを倒すまでの後半戦が始まります。
異次元地下に入ると、さらに強いモンスターが出現するようになり、戦闘の面白さがアップします。特に異次元地下1階と6階に出現するモンスターは、まさに化け物ぞろい。ダークゾーンで“骨ムカデ”のサイデルと鉢合わせしたときは、「あっ、殺されるなw」と確信しました。
