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「知」の欺瞞

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アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン『「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用』(岩波現代文庫)

■ ポストモダニズムにおける科学用語の濫用
 物理学者のアラン・ソーカルとジャン・ブリクモンが、ポストモダニストの言説には科学用語の濫用・誤用が多々あることを批判した啓蒙書。ジャック・ラカン、ジュリア・クリステヴァ、ジャン・ボードリヤール、ジル・ドゥルーズといったフランスの著名な思想家たちをぶった斬りしている。

 本書は1994年に起きた「ソーカル事件」をきっかけにして書かれた。ソーカルが数学や物理学の専門用語を織り交ぜた、それでいて全く無意味な哲学論文『境界を侵犯すること――量子重力の変形解釈学に向けて』を悪戯で評論雑誌に投稿したところ、その似非論文が精査されずに採用されてしまったのだ。
 ソーカル事件は、結果として人々に「ポストモダン思想は知的詐欺ではないか?」と疑問を抱かせたため、ポストモダニスト及びその周辺にいる評論家たちに大きな打撃を与えた。ラカンたちの言説がナンセンスであるなら(もちろん文章すべてがナンセンスというわけではないが)、ラカンたちの言説を引用して権威付けしている評論家はピエロになってしまう。
 彼らがソーカルの告発に対して正当な弁明ができない時点で、ポストモダン思想の価値は「推して知るべし」なのかもしれない。ミシェル・フーコーやロラン・バルトの文章を俎上に載せていないのは、比較的マトモであるということなのだろうか?

 巻末には付録として似非論文『境界を侵犯すること』の訳文が掲載されている。ポストモダンのパロディとしては非常に出来が良い。筒井康隆氏の『文学部唯野教授』に出てきそうで何だか笑ってしまった。

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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

表紙

荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』(集英社新書)

■ かわいい子にはホラー映画を見せよ
 人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な荒木飛呂彦先生が上梓したホラー映画ガイドブック。映画論の第2弾『荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟』とともに、優れた漫画を生み出す秘密はどこにあるのかと興味深く読んでみた。
 巻頭には「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画 Best20」のランキング表が掲載されている。荒木先生イチオシのホラー映画作品は何か、気になる人はぜひ本書を手にとって確認して欲しい。

 本書で取り上げるホラー映画とは、残虐描写が激しいいわゆる「スプラッターもの」だけではなく、心理描写に重点を置いた「サスペンスもの」も含まれている。どんな形であれ観客を怖がらせる要素がある映画を、本書ではホラー映画と見なしている。
 ホラー映画は恐いし、気持ち悪くなるから観ないという人は多いだろう。ホラー映画のDVDを自らレンタルして観る人の心理としては、非日常的な体験をして刺激を得たいという欲求があるのだと思う。ホラー映画は現実世界の安堵感を味わうため、または現実世界の苦しみを和らげるためにあるのだと考えれば、その意味合いも変わってくるのではないだろうか。

 荒木先生の熱い語り口に釣られて、紹介されていた作品の中からまだ観たことがなかったホラー映画を2本、ゲオでレンタルしてみた。う~ん、どちらもイマイチ(笑)。漫画の『ジョジョ』の方がはるかに面白いですよ、先生。

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快楽としてのミステリー

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丸谷才一『快楽としてのミステリー』(ちくま文庫)

■ 探偵小説の楽しみ方を教えてくれる粋な読書案内
 昨年亡くなられた作家の丸谷才一氏によるミステリー評論集。『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』に連載されたエッセイをまとめた名著『深夜の散歩』(福永武彦氏・中村真一郎氏との共著)ほか、ミステリー小説に関する書評を収録している。博識な丸谷氏の自由闊達な文章を楽しむことができる。

 話題があらぬ方向に飛ぶこともあるが、そこは丸谷氏の計算の内である。姿勢を崩して酒を呑んでいた男が、おもむろに立ち上がって着物の帯を締めるように、きゅっと文章を閉じる技法はお見事というしかない。小説家、批評家、書評家など様々な顔を持つ丸谷氏に対しては、なによりも名文家という肩書きが相応しいと思う。

 「新語ぎらひ」という題名のエッセイでは、detective storyの訳語は、「推理小説」ではなく「探偵小説」とするのが正しいという面白い主張をしている。筆者の美的感覚からすれば、古風に聞こえる探偵小説という表現こそ高級な小説を指すようだ。歴史的仮名遣いで文章を綴ることをモットーとしている丸谷氏ならではのこだわりである。

 また、「探偵小説の諸問題」では、ジェフリー・アーチャーの『百万ドルをとり返せ!』を十年前に読んだにもかかわらず、読んだことを忘れて再び購入した失敗談を披露してくれる。読者を笑わせるための嘘かも知れないが、私は丸谷氏でも人間くさいミスをするのかと何だか安心したのである。

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奇面館の殺人

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綾辻行人『奇面館の殺人』(講談社ノベルス)

■ 奇怪な仮面とドッペルゲンガー
 綾辻氏の「館」シリーズの第9作目。小作品であった前作『びっくり館の殺人』と比較すると、分量にして約2倍の長さがある本格物である。登場人物が仮面を付けるという設定から、シリーズ第2作目の『水車館の殺人』を思い浮かべた。だが、当然ながら同じトリックは使われていない。
 「館」シリーズには「叙述トリック」を絡めている作品が多く、そのせいで『十角館の殺人』や『迷路館の殺人』などは映像化できない。本作品はどうかというと、ネタバレになるので詳しいことは書けないが、一応映像化は可能である、としておこう。

 奇怪な仮面を集めた屋敷、それも大雪で脱出不可能な屋敷での殺人事件と聞くと、おどろおどろしい描写を想像するだろう。しかし『奇面館の殺人』では、殺人が一件しか発生せず、種明かしの部分も割と淡泊な印象を受けた。
 私は本格推理小説が好きで、特に屋敷の見取図が付いていたりするとそれだけで採点が甘くなる。個人的には『水車館の殺人』よりも出来が良いと感じたが、読み手によっては刺激が少ないと感じるかもしれない。

 全部で十作品と宣言している「館」シリーズも、残りあと一作品となった。最後の作品がどのようなものになるのか、ラストを飾るのに相応しい『霧越邸殺人事件』のような重厚長大な作品になるのか、まったく想像できない。本作品が「ホップ・ステップ・ジャンプ」のステップの役割であって欲しいと願うばかりである。

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弱い日本の強い円

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佐々木融『弱い日本の強い円』(日経プレミアシリーズ)

■ 円高の本当の原因は何か
 長期的・中期的・短期的の3つのタームの為替変動要因を解説した経済入門書。円相場にまつわる俗説を、日銀出身のアナリストが実務上の経験から批判的に論じている。タイトルは現在の日本の状況を的確に表現していて秀逸である。書店で手に取る人が多いのだろうか、10万部を超えるベストセラーになっている。

 内容は実務者らしい示唆に富んだ記述が多い反面、速水元日銀総裁が語った「良いデフレ論」に類似した不可解な記述もある。本書はいわゆる「日銀理論」に依拠して書かれており、読む人の立場・考え方によって評価は大きく分かれるだろう。
 流動性の罠が発生している状況では、量的緩和政策によって円安に誘導させることはできないと説明するが、諸外国がリーマンショック後にマネーサプライを大幅に増大させて、事実上の自国通貨安政策を行っていることはどう解釈するのか。グローバル社会の中で、日本だけが金融政策が効かない特殊な事情を抱えているとは思えない。

 衆議院の総選挙を控え、マスコミ各社では「インフレターゲット政策」について丁々発止の議論を展開している。苦境に立たされている輸出企業を救うためには、円高・デフレ傾向から抜け出すことが必要なのだが、リフレ派と日銀派の対立は根深い。
 どうやら為替レートが円安に傾いて、輸出企業が息を吹き返して、景気が良くなると都合が悪い人たちが日本の中枢にいるらしい。不思議なことに。

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昭和16年夏の敗戦

表紙

猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)

■ なぜ日本はアメリカと戦ったのか、という素朴な疑問
 1983年に世界文化社から刊行された『昭和16年夏の敗戦』の再文庫版。若き日の猪瀬直樹氏が執筆した出世作のノンフィクションである。

 日米開戦の約4ヶ月前、陸海軍、各省、民間企業から招集された30代の俊英たちによって組織された「内閣総力戦研究所」において、日米戦争のシミュレーションが行われていた。
 その「模擬内閣」が導き出した結論は、日本の必敗。日米の資源量と工業力の差を考慮すると、日本は長期的に戦争を維持することは出来ないと冷静に分析していたのだ。この議論の内容は、近衛文麿首相や東條英機陸相にも伝えられたが、日本は戦争を回避する術を取らなかった。だが、模擬内閣のシミュレーションが予言したとおり、日本は開戦直後においては善戦するものの、やがて圧倒的な国力の差からじり貧に追い込まれる。

 本書では、昭和16年に米国が対日石油禁輸措置を実施したため、否応なしに開戦に踏み切らざるを得なかった我が国の苦しい状況を克明に描写している。事実上、日本には強大な米国と戦って負けるか、戦わずして負けるか(中国での既得権益をすべて手放して経済レベルを落とすか)、の二択しかなかったが、日本政府及び日本軍は次のような第三のオプションを選択した。つまり、首尾良く東南アジアの油田を手に入れ、1、2年暴れてから米国と講和を結ぶ、という幻想的な展開である。日本に対して計画的にじわじわと圧力をかけていた米国が、和平交渉の席に付く筈はないのだが・・・・。

 本書が優れているのは、日本が無謀な太平洋戦争に突入した理由とその意思決定プロセスを、経緯に沿って丹念に説明している点である。軍部が描いた甘い見積もりを、明確な意思決定者がいないままに政府が追認していく様子は、日本の組織の在り方そのものである。
 読書中に常に頭の中にあった事柄は、やはり今回の原発事故との類似点である。都合の悪い報告を黙殺する、利権者の大きな声に押されて最善の道を歩めない、自分の立場が危うくなるから指導者は責任を取らない。
 形だけの経済大国になったが、本質的には何も変わっていない日本。原発事故という「第二の敗戦」に陥ったのは、必然ではなかったのか。

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ウォリス家の殺人

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D・M・ディヴァイン『ウォリス家の殺人』(創元推理文庫)

■ 古臭さを感じさせない本格ミステリーの秀作
 著者のディヴァインは、主に1960年代に活躍したイギリスのミステリー作家である。英国推理小説の王道を行く作風で知られ、本格ミステリー愛好者の中での評価は高い。日本に紹介されるのが遅れたため、一般の読者にはあまり馴染みがなかったが、最近立て続けに代表作が翻訳され、ミステリーランキングにも上位に食い込んでいる。本書はディヴァインの死後に出版された遺作の日本語訳である。

 人気作家ジョフリー・ウォリスが何者かによって殺され、歴史学者である友人のモーリス・スレイターが事件の真相を探るという筋書きである。モーリスの息子クリスと、ジョフリーの娘アンは恋仲にあるが、ジョフリーの妻ジュリアはそのことを快く思っていない。ウォリス家、スレイター家双方が家庭内で問題を抱え、人間関係が錯綜している。

 派手なトリックや、意表をついたどんでん返しはない。しかし普通小説と推理小説を縒り合わせたかのような、巧みな人物描写・心理描写が目を引く作品である。何気なく書かれた文章が、実は重要な伏線であったりするのだ。真犯人が読者の盲点で暗躍するため、最後までオチが予測できない面白さがある。同じく創元推理文庫から出ているディヴァイン作品の『悪魔はすぐそこに』、『災厄の紳士』もおすすめ。

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BIS規制の嘘

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東谷暁『BIS規制の嘘 日本と世界の金融危機を招いた元凶』(PHP)

■ 錦の御旗「BIS規制」批判
 連休明けの今日、東京市場ではメガバンクの株価が続落している。原因は今年末に新しい自己資本比率規制(新BIS規制)が決定されようとしているからだ。欧米の銀行に比べ、邦銀は伝統的に自己資本比率が低い。この新しい法案が可決されると、今まで自己資本に含めることを認められていた資産が除外されることになり、結果として大幅な自己資本の増資を迫られることになる。
 また国内では、JALのつなぎ融資の問題や、中小企業に対する返済猶予の要請などもあり、悪材料に事欠かない。

 比較的財務が健全とされていた三菱UFJフィナンシャルグループが、いち早く1兆円の普通株増資の決断をした。それにより窮地に陥っているのが、三井住友とみずほの2行だ。新しい自己資本比率を達成するためには、追加で増資を行う必要がある。しかし両行とも半年前に9000億円と5000億円の普通株による増資をしたばかり。さらに巨額の増資をするとなると、株の希薄化→株価下落の流れは決定的となる。今の株安はその懸念を先取りしたものだと言える。

 1987年、スイスのバーゼルにある国際決済銀行(BIS)において、先進諸国が合意をしたBIS規制の内容を要約すると次の通りとなる。
 「国際業務を行う銀行は、自己資本を信用リスクと市場リスクの合計額で割った自己資本比率が8%以上でなければならない」(本文26ページ)
 BIS規制は、建前上は国際金融市場の公正な競争と健全な業務の実現を目的としたものだが、実際は、当時バブル経済の興隆で巨大な力を蓄えつつあった日本の銀行を狙い撃ちしたものではなかったのかという疑惑がある。

 ゲームに負けそうとなると途中でルールを変え、戦局をひっくり返そうとするのは欧米の常套手段だ。汚いと言えば、汚い。しかしルール違反ではない。なぜならルール自体がすでに変えられているからだ。
 なにも日本政府が自国に不利なルール改正に対して、手をこまねいて傍観しているわけではない。問題は、日本が抵抗虚しく、国際間の熾烈な駆け引きに負け続けていることだ。

 「自己資本比率8%」という条件には、自然法則のような明確な根拠はない。自己資本比率が8%以上であれば、銀行は健全な業務をできるという保証はどこにもないのである。逆にこの数値を無理に維持しようとするため、貸し渋りや貸し剥がしを助長しているという意見がある。

 邦銀の足枷となっている「BIS規制」とはいったい何なのか。誰がどうやって決めているのか。その正当性はあるのか。これらの様々な問題提起を行っているのが、この『BIS規制の嘘』(PHP)である。サブプライム問題の解決に時間がかかっているのも、BIS規制の欠陥に原因があるのではないかと指摘している。
 本書は1999年2月に刊行された『BIS規制の嘘』の増補版である。BIS規制問題を中心に扱った書籍は少ないため、興味深い一冊である。

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マキアヴェッリ語録

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塩野七生『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫)

■ 現代日本の指南書となるか トップに立つ者の必読書
 支持率低迷にあえぐ麻生総理が、政治運営の羅針盤にと書店で買い求めた書籍の中に、この本が含まれていたことを報道で耳にした。もっとも「楽天家」の現総理のこと、信頼性に欠ける世論調査など本心から気にもしていない可能性があるが。
 日本語では「Machiavelli」の表記について、「マキャベリ」、「マキャヴェリ」などとばらつきがあるが、著者に倣って以下「マキアヴェッリ」とする。

 この本は、マキアヴェッリの大著『君主論』と『政略論』を主として、彼のエッセンスを塩野女史の指で抽出した箴言集である。国家を統治する第一人者の心構えを、冷徹で現実的な視線から語ったマキアヴェッリ。彼の思想に対して、しばしば「目的のためには手段を選ばない権謀術数主義」と批判的に見ることがあるが、これは『政略論』の有名な一節を歪曲したものであり、本質的に誤った捉え方である。
 実際は、「人民を守護し国の平和を守るために、その全権を担う人物は、いかなる手段を用いても(結果さえ良ければ)それは正当化される」という、実に当たり前のことを述べているにすぎない。なぜ彼の考えがここまで誤解されて流布したのか、その経緯が気になるところではある。

 本書を通読してみて感じたのは、マキアヴェッリの思想の根本は、強い権力志向を求めるというものではなく、指導者においては「非情と寛容」、外交においては「攻勢と守勢」のバランス感覚の重要性を説く点にある。どちらかに凝り固まってはならず、常に状況に応じて相反する二者の手段を使い分けなければならない。
 実践は困難である。だが、国の指導者たる者や組織のリーダーは、その努力を怠ってはならないとするのが、マキアヴェッリズムの真骨頂であると、私自身は受け止めた。

 また、マキアヴェッリの著書は、元々懇意にしていたメディチ家に献上されたものであるが、その鋭い警句のひとつひとつが、現代の日本人に向けられているようで胸に突き刺さった。
 例えば、次の『君主論』からの抜粋。

 自らの安全を自らの力によって守る意志をもたない場合、いかなる国家といえども、独立と平和を期待することはできない。なぜなら、自らを守るという力量によらずに、運のみに頼るということになるからである。(本文82ページ)

 または、次の『政略論』からの抜粋。

 指導者を持たない群衆は、無価値も同然の存在である。(本文115ページ)

 読了後、この国の現状と政治家たちの体たらくに嘆息をもらしたくなるのは、私だけではないだろう。

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巨匠の傑作パズルベスト100

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伴田良輔『巨匠の傑作パズルベスト100』(文春新書)

■ ケーニヒスベルクの橋は1回で渡れるのか?
 子供の頃に使っていた某学習教材に付録として入っていたと記憶しているが、その中に「消える妖精」というパズルがあった。上下のカードをずらすことで、描かれた妖精の人数が1人増えたり減ったりするという図形消失パズルだ。私は何度もそのカードをずらしながら、トリックの概観をつかんだ後でも、なにやら狐につままれたような朦朧とした気分になったことがある。
 この世界でも有名な古典パズルは、天才パズル作家のサム・ロイド(1841年-1911年)が考案した作品だ。別の形では、円盤の周囲に描かれた辮髪の中国人が1人消える「地球をとびだせ」というパズルもある。(本文21ページ)

 「消える妖精」のトリックは、妖精1人1人を一本の棒だとして考えると分かりやすいのだが、上下をずらすことで一本の棒の長さが長くなったり短くなったりするため、その分1人消えたり1人増えたりしているように見えるのだ。「消える妖精」のパズルは、妖精の頭の部分と足の部分が極めて巧みに描かれているため、その過程が簡単にバレないように出来ている。
 このトリックは、島田荘司氏のミステリー小説『占星術殺人事件』で応用されたが、漫画『金田一少年の事件簿』の「異人館村殺人事件」において無断で流用されたため、一時問題になったことがあった。

 文春新書で刊行されたこの『巨匠の傑作パズルベスト100』は、19世紀にパズルブームを引き起こしたサム・ロイド(アメリカ)と、もう一人の天才パズル王ヘンリー・アーネスト・デュードニー(イギリス)の代表的なパズル作品+αを紹介した本である。どこかで見たようなお馴染みのパズルもあれば、初めて見る興味深いパズルもあった。多くが数学的な裏付けがあり、深く考えると夜に眠れなくなりそうである。当時の数学者でさえも悩んだ問題があり、私たちが解けなくても別に不思議ではない。巻末の「解答篇」と照らし合わせながら、リラックスして楽しむべき携帯パズル本である。

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ども、ブログ管理人のうどん太郎です。
主にレトロゲームのレビューと関連ゲーム動画の紹介をしています。

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