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犬神家の戸籍

表紙

遠藤正敬『犬神家の戸籍: 「血」と「家」の近代日本』(青土社)

■ 複雑怪奇な犬神家の家系
 巨匠・横溝正史の代表作『犬神家の一族』を、「戸籍」の側面から読み解いた意欲作。非常にマニアックな内容で人を選ぶ本ではあるが、横溝ファンなら一気読み間違いなしの一冊である。

 『犬神家の一族』は、犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛の遺産をめぐる骨肉の争いを描いている。佐兵衛翁は三人の妾に産ませた女子(松子、竹子、梅子の三人)がありながら、犬神家の全財産ならびに全事業を、大恩人の野々宮夫妻の孫である野々宮珠世に譲るという実に“奇妙な遺言状”を作成していた。ただし、珠世は、松子の息子・佐清、竹子の息子・佐武、梅子の息子・佐智の誰かと結婚しなければならない、という条件付きである。
 さらに遺言状には、佐兵衛が女工の青沼菊乃に産ませた男子、青沼静馬の名前が出てくる。静馬に財産の一部、成り行き次第ではすべての財産が静馬に相続される可能性があると遺言状は語っているのだ。松子、竹子、梅子の三人が怒り狂うのも無理はない。

 だが、ちょっと待って欲しい。松子、竹子、梅子の三人が佐兵衛の認知を得た庶子であるなら、彼女たちは遺留分を請求できる権利があるはずである。遺留分の制度は旧民法(明治民法)にも存在していた。
 三人の妾はすでに死亡していて、相続人は松子、竹子、梅子の子のみ三人である。各人はそれぞれ遺産総額の2分の1×3分の1=6分の1を請求できる(もし、静馬も佐兵衛の認知を得ていたとすると、彼も遺留分を請求できる。この場合、各人の取り分は遺産総額の8分の1になるが、原作に静馬と佐兵衛は戸籍上では他人という表現があり、おそらく佐兵衛は認知していなかったと考えられる)。
 佐兵衛の遺産がどれくらいなのか、原作には具体的な金額は書かれていない。仮に現在の貨幣価値に換算して100億円程度とすると、一人約16億円の大金が転がり込む計算になる。松子たちは慌てず騒がず、粛々と遺留分を請求すればいいのである。

 弁護士の古館(ふるだて)恭三は、遺言状の有効性ばかりを強調して、遺留分の「い」の字も言わない。結果的に凄惨な殺人事件を引き起こしたポンコツ弁護士である。横溝先生が遺留分の制度を知らなかったはずはなく、ストーリーを盛り上げるためにあえて無視したのかもしれない。

 横溝正史の父、横溝宜一郎は三人の女性と関係を持ち、合計八人の子供をもうけていた。正史は宜一郎と二番目の妻・波摩との間に生まれた子供である。犬神佐兵衛という怪物は、なんと正史の実体験から生み出されたキャラクターであったのだ。
 『犬神家の一族』の7年後に書かれた『悪魔の手毬唄』は、『犬神家の一族』の変容のような作品である。『悪魔の手毬唄』にも複数の女性に子供を産ませた悪魔的な人物が出てくる。「こんな父親を持った子供は苦労するんだよ」――横溝先生は読者にこう伝えたかったのではないだろうか。

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エラリー・クイーン完全ガイド

表紙

飯城勇三『エラリー・クイーン完全ガイド』(星海社新書)

■ エラリー・クイーンを愛するすべての人へ
 エラリー・クイーン研究の第一人者である飯城勇三氏が上梓した「クイーン入門書」。飯城氏は2005年にぶんか社文庫から『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』という本を出していたが、今回の『エラリー・クイーン完全ガイド』はそれとは内容が異なるようだ。『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』は書店はもとより、古本屋でも発見することができず、私は両者の違いを確認できていない。その点はご容赦願いたい。

 本書では、名探偵エラリー・クイーンが登場する全長編作品と、引退した俳優ドルリー・レーンが探偵役を務める〈悲劇四部作〉を、まだ未読の人向けに解説している。6つのコラムも面白く、読み応え十分だ。
 ミステリーファンの人なら当然知っていると思うが、〈悲劇四部作〉は当時バーナビー・ロスという別名義で発表された作品である。作者のフレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーの二人は、エラリー・クイーンとバーナビー・ロスという全く別の二人の作家がいるように錯覚させる“小芝居”をしていたのだ。

 日本で人気があるクイーン作品は、アンケート調査「東西ミステリーベスト100」によると、〈国名シリーズ〉の『ギリシア棺の謎』や『エジプト十字架の謎』、〈悲劇四部作〉の『Xの悲劇』や『Yの悲劇』などである。
 本国アメリカにおいてはどうかというと、上記の作品ももちろん人気はあるのだが、中期に書かれた〈ライツヴィルシリーズ〉の評価が高いようだ。本書のコラム2「クイーンはアメリカでどう読まれたか?」では、そのことについて触れている。

 ライツヴィルとは、ニューヨークの北部にあるとされる架空の町で、探偵のエラリーはたびたびこの町を訪れては難事件を解決する。〈ライツヴィルシリーズ〉の長編は、刊行順に『災厄の町』、『フォックス家の殺人』、『十日間の不思議』、『ダブル・ダブル』、『帝王死す』 、『最後の女』の6作品。特に初期の3作品を〈ライツヴィル三部作〉と呼ぶことがある。

 〈ライツヴィルシリーズ〉は、トリックを重視する〈国名シリーズ〉や〈悲劇四部作〉よりもドラマ性が強く、アガサ・クリスティーの作風に近い。私は『災厄の町』と『十日間の不思議』を傑作だと思っている。最近、ハヤカワ文庫で〈ライツヴィル三部作〉の新訳版が刊行されたので、まだ読んでいない人にオススメしておきたい。

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ヨルガオ殺人事件

表紙表紙

アンソニー・ホロヴィッツ『ヨルガオ殺人事件〈上〉』(創元推理文庫)
アンソニー・ホロヴィッツ『ヨルガオ殺人事件〈下〉』(創元推理文庫)

■ 『カササギ殺人事件』の続編にして傑作!
 アンソニー・ホロヴィッツがまたやってくれた! 『カササギ殺人事件』で作中作の妙技を見せてくれたと思ったら、同じ形式の作品をこんなにも早く書き上げるとは……、いやはやホロヴィッツ氏の力量には恐れ入った。彼は現代最高のミステリー作家と表現しても過言ではないだろう。

 昨年の海外編ミステリーランキングでは、本書『ヨルガオ殺人事件』とホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』の評価が特に高かった。2つの作品とも――単なる偶然だとは思うが――失踪して生死が分からない女性の行方を、探偵役の女性が調査するという内容である。
 『自由研究には向かない殺人』は終盤に予期せぬ“どんでん返し”があり、ヤングアダルト向けミステリーの秀作だと思った。だが、『ヨルガオ殺人事件』の完成度はそれ以上である。『自由研究には向かない殺人』が大関級の力士なら、『ヨルガオ殺人事件』は横綱級の力士――それくらいの差がある。

 元編集者のスーザン・ライランドは、イギリスでホテル《ブランロウ・ホール》を所有しているトレハーン夫妻から、失踪した次女セシリーの捜索を依頼される。アラン・コンウェイが書いたミステリー小説『愚行の代償』が、セシリー失踪事件と何か関係しているということで、アラン・コンウェイを担当していたスーザンに白羽の矢が立ったのだ。
 スーザンはセシリーの家族やホテルの従業員たちから聞き込みを行い、解決の糸口を探すために『愚行の代償』を読み直す。上巻307ページから下巻245ページまで作中作の『愚行の代償』が挿入され、これをヒントにして現実世界の事件が解決される、という構成になっている。

 『愚行の代償』に登場する名探偵アティカス・ピュントは、ドイツからやって来たギリシャ系ユダヤ人という設定で、そのモデルはアガサ・クリスティが創造した名探偵エルキュール・ポアロである。
 仮にピュントをポアロに置き換えてみると、『愚行の代償』ではクリスティがあえてやらなかった“禁じ手”を使っていることになる。ポアロものをたくさん読んでいるミステリーファンほど犯人を当てられない。私は読者の先入観を利用した「トリック外トリック」にまんまと引っかかってしまった。

 『愚行の代償』に隠されたヒントというのも、多くの読者が無意識に読み飛ばしてしまう箇所に書かれていて、「ヒントって、そこかよw」と笑ってしまった。作者の掌で踊らされるこの感じ、嫌いじゃない――言い直そう、正直とても心地が良い。すべての本格ミステリーはこうであって欲しい。

 ひとつ気になった部分があるのだが、それはゲイの男性について悪意がある書き方をしている点だ。死んだミステリー作家アラン・コンウェイは、家族のことを顧みない“ゲス野郎”として描かれ、8年前の事件で惨殺された被害者のフランク・パリスも自分勝手な性格のゲイであった。まったくもって救いようがない。
 
 ポリコレ棒を振り回す人たちから非難されなければ良いのだが……。

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サラブレッドに「心」はあるか

表紙

楠瀬良『サラブレッドに「心」はあるか』(中公新書ラクレ)

■ シンザンはゴール板を知っていた
 競走馬の研究家である楠瀬良氏が『週刊競馬ブック』に連載していたコラムを、新書向けに編集した一冊。一般人が競走馬に対して抱く素朴な疑問を、Q&A方式で分かりやすく解説している。

 「サラブレッドに心はあるか?」と問われたら、「そりゃあ、確実にあるでしょう」と答えるしかない。動物は思考をしない、動物は心がない「自動機械」のようなものだと考える人は、キリスト教徒で心身二元論者だったデカルトぐらいだろう。
 身近な動物である犬や猫と触れ合っていると、世の中の薄情な人間よりも情愛に満ちているのが伝わってくる。賢くて繊細な動物である馬なら、犬や猫と同等か、それ以上に豊かな心を持っているのは間違いない。

 だが、馬はレースに対してどう考えているのか――これがはっきりとは分からないらしい。馬は人間の言葉を話さないので、質問してみることができないからだ。レースに出場している競走馬は、「何をしなければならないのか」「何を求められているのか」をちゃんと理解しているのだろうかと、競馬ファンならずとも疑問を持つ人は多いと思う。

 武豊騎手は「馬(の半分くらい)はゴール板を知っている」と考えていて、逆に岡部幸雄騎手は「馬はゴール板の意味を分かっていない」と考えている。どちらが正しいのだろうか。
 武豊騎手によると、コースを2周するレースの場合、1周目の4コーナーで加速したがる馬が多いらしい。そのときは「もう1周あるよ」と教えてやると、馬は「ああ、そうなのか」と理解してリラックスするそうだ。そういう話を聞くと、馬はゴール地点を知っているとしか思えないのだ。

 本書には馬の習性についての興味深い話がたくさん書かれている。たとえば、競馬場で数年過ごした後、繁殖牝馬として元の牧場に戻ってきた馬が、幼い頃に世話をしてくれた飼育員を覚えているケースはほとんどないという。
 何となく寂しい気持ちになるが、馬は過去を振り返らず、現在を生きている動物なのだろう。昔のことをくよくよと悩みがちな人間にとっては、ある意味羨ましい話である。

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第八の探偵

表紙

アレックス・パヴェージ『第八の探偵』(ハヤカワ文庫)

■ 7つの短編ミステリーに仕掛けられたトリック
 アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』は、アガサ・クリスティーばりの長編ミステリーを丸々作中作として織り込んだ意欲作であったが、このアレックス・パヴェージの『第八の探偵』も実に面白い試みに挑戦している。今年のミステリーランキングの上位に食い込むことが予想されるオススメ文庫本である。

 本作は、作中作になった7つの短編ミステリーと、その短編ミステリーを吟味する隠遁作家と若い女性編集者の対話で構成されている。7つの短編ミステリーは作中に登場する数学論文「探偵小説の順列」に基づいて書かれていて、「理論編」と「実践編」に分かれた『天城一の密室犯罪学教程』を彷彿とさせる。
 過去に発生した「ホワイト殺人事件」と、短編集のタイトル『ホワイトの殺人事件集』には何か関係があるのか?という謎が、物語の真相とともに明かされる仕組みになっている。

 私は作中作の7つの短編ミステリーを、「んー、つまらなくはないが、何だか微妙な出来だな」と思いながら読み進めていた。だが、「質があまり高くない」ということがある種の“伏線”になっていたとはね……ヤラレタ! これ以上書くとネタバレしそうなので、今回はここまで。
 ミステリー小説をラストから読む悪癖がある人に、この作品については「それだけは止めておけ」とアドバイスしておきたい。

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X68000パーフェクトカタログ

表紙

前田尋之『X68000パーフェクトカタログ』(ジーウォーク)

■ クリエイターを養成したパーソナルワークステーション
 シャープという電機メーカーがかつて日本に存在していたことを、皆さんは憶えているだろうか。「アホなことを言うな! シャープはまだ大阪の堺市にあるじゃないか!」とおっしゃる人がいるかもしれない。だが、決定的支援を受けたシャープに、いかほどの戦力が残っていようと、それはすでに形骸である。もうね、日本企業じゃないんだよね(涙)。

 X68000は、1987年3月28日にシャープが発売した高性能パーソナルワークステーションである。「パーソナルワークステーション」とはメーカーのシャープが作った造語で、現代の用語に変換すると、ずばり「ゲーミングPC」に該当する。
 見たまえ、そのツインタワー型の美しいフォルムを! 四角い箱形の本体の上にちっさなモニターを載せるPC-9800と比べると、X68000の方は古さを全く感じないではないか。

 なんとこのX68000、CPUにアーケードゲームの基板に使われていたモトローラ社のチップ「MC68000」を採用していて、ゲームセンターで大人気だったアーケードゲームを完全移植できる性能を持っていたのだ! シャープはX68000という“ビグ・ザム”を戦場に投入し、パソコン事業のライバル企業であったNECや富士通に徹底抗戦を挑んだのである。

 家庭用ゲーム機といえばファミリーコンピュータがあるだけで、PCエンジンもメガドライブもまだ発売されていなかった頃の話である。X68000が当時のゲーム小僧に与えた衝撃は容易に想像できると思う。とはいうものの、当時の私は、アーケードゲームがプレイできるパソコンがあるらしい、というあやふやな情報しか持っていなかった。値段が高すぎてとても手が出せる商品ではなかったからである。
 初代X68000の定価は369,000円で、この時代は消費税を考慮しなくてよかったが、現在の貨幣価値に換算すると440,000円~460,000円くらいの感覚である。排気量が少ないバイクなら買えてしまう価格だ。

 本書『X68000パーフェクトカタログ』は、X68000用に発売されたゲームソフトを紹介するカタログ本である。アーケードからの移植作品、『信長の野望』シリーズなどの戦略シミュレーションゲーム、そして男の子のリビドーを刺激するギャルゲーの数々と、過去の名作・秀作を偲ぶことができる。
 Amazonのカスタマーレビューを見ると、プログラミングソフトや音楽ソフトといったクリエイティブ系のソフトを紹介していないという不満の声があった。X68000はゲームをするだけのパソコンではなかったので、本書に低評価を付ける人の気持ちも分かる。

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MSXパーフェクトカタログ

表紙

前田尋之『MSXパーフェクトカタログ』(ジーウォーク)

■ どれを選ぶかMSX
 パソコンゲーマーが愛して止まない、ホビーパソコンの代名詞であるMSX。本書はMSXとその後継機MSX2で発売されたゲームソフトを年代順にまとめたカタログ本である。MSXのソフトを画像付きで紹介しているインターネットのサイトは少なく、紹介していてもソフト数が限られているため、これは非常に価値がある本だと思う。目の付けどころが「パーフェクトカタログ」の良さだ。

 MSXはマイクロソフトのビル・ゲイツやアスキーの西和彦らが旗振り役となって立ち上げたパソコンの共通規格である。ソフト事業に専念したかったビル・ゲイツはMSX事業に対してはやや消極的だったようだが、松下電器産業、ソニー、三洋電機、東芝、日立製作所、ヤマハ、三菱電機、日本ビクター、カシオ計算機、キヤノンなど、日本の有名電機メーカーがこぞってMSX事業に参入し、各社は規格に沿ったパソコン本体を発売していった。
 パソコン事業で独自路線を歩んでいたNECやシャープはMSXの理念には賛同したもののハードは販売せず、富士通は1機種のみを発売したあとすぐにMSX共同体から離脱してしまった。MSXはパソコン事業に乗り遅れていた企業にとって、まさに「渡りに船」の規格であったのだ。

 MSX、MSX2の価格は性能によって大きく異なり、数万円から十数万円とばらつきがあった。最も安い商品はカシオの低価格モデルで、そのお値段は19,800円。30万円以上したNECのPC-9800シリーズと比べるとかなり安く、一般家庭でも手が届く価格帯ではあったが、ゲームを遊びたい小中学生にとっては種類が多すぎて買いにくい商品であったことは否めない。もしファミコンが存在しなかったら、ゲームキッズはみんなMSXを買っていたのだろうか。いや、MSXがファミコンのように爆発的に売れたとは想像し難い。

 MSXで気を吐いていたゲーム会社といえば、何といってもコナミ。小島秀夫監督も関わった『夢大陸アドベンチャー』という屈指の名作もあり、MSXユーザーはコナミが良質なソフトを供給してくれることに感謝していたのである。
 私が好きなコナミのMSXソフトは『コナミのベースボール』。この作品は「アウト」「セーフ」「ストライク」の審判の声を電子音で表現した意欲作だった。『実況パワフルプロ野球』の元祖はここにあり!

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スーパーファミコンコンプリートガイド

表紙

レトロゲーム愛好会『スーパーファミコンコンプリートガイド』(主婦の友社)

■ ライバル機を蹴散らした任天堂の最強ハード
 先月の27日に刊行された、ゲームソフトカタログ『コンプリートガイド』シリーズのスーパーファミコン版。ページ数は448ページと、とても分厚い作りになっている。情報がぎっちりと蓄えられている感じがして幸せな気分になれる。
 『ファミコンコンプリートガイド』はノーマル版とデラックス版がすでに発売されていて、『スーパーファミコンコンプリートガイド』も後でデラックス版が発売される可能性は高いが、私は扱いやすいコンパクトサイズのノーマル版で十分満足している。

 スーパーファミコンは任天堂がファミコンの後継機として発売したゲーム機である。当初の計画から1年4ヶ月ほど遅れた、1990年11月21日にリリースされた。発売が延期されている間に、旧式のファミコンに見切りをつけてPCエンジンやメガドライブを購入した人がいたかもしれない。だが、私は他社のゲーム機に浮気をしないで待ちましたぞ!

 ローンチタイトルは『スーパーマリオワールド』と『F-ZERO』の2本だけだった。しかし1ヶ月後の12月21日には人気作品の『グラディウスIII』と『ファイナルファイト』が登場し、翌年には『シムシティー』、『ファイナルファンタジーIV』、『超魔界村』、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』と今でも色褪せない秀作ソフトが途切れることなく発売されたため、ソフト数は特に気にならなかったと記憶している。
 またスーパーファミコンが発売されてファミコンがすぐに死に絶えたわけではなく、1991年頃は『ドラゴンクエストIV』や『ファイナルファンタジーIII』なども定期的に遊んでいた。ファミコンとスーパーファミコンの「二刀流」、大谷スタイルがその頃の主流であった。

 スーパーファミコンで発売されたソフトを年代順に振り返っていたら、スーパーファミコンのキラーソフトは1992年6月に発売された『ストリートファイターII』であったことを再認識した。『ドラゴンクエストV』でも『ファイナルファンタジーV』でもなく、『ストリートファイターII』こそがスーパーファミコンの起爆剤になったのである。そう考えると、カプコンって凄いゲーム会社だよね?

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イヴリン嬢は七回殺される

表紙

スチュアート・タートン『イヴリン嬢は七回殺される』(文藝春秋)

■ タイムループと人格転移の合わせ技!
 今年発売された本格ミステリー小説で、個人的に最も読み応えがあった一冊。今年の複数のミステリーランキングで10位以内にランクインしている。ある理由でブラックヒース館にやって来た主人公の男が、タイムループを繰り返しながら、舞踏会の夜に発生する殺人事件の真相を暴くという内容だ。
 タイムループとミステリーを組み合わせた作品といえば、西澤保彦の『七回死んだ男』が名作として知られているが、『イヴリン嬢は七回殺される』はさらに人格転移というSF要素を付け加えている。本書で主人公が転移する人間は、総勢八名である。

 読む前は、まずAという人間で1日を過ごし、その日が終わると次にBという人間に乗り移ってまた同じ1日を過ごすというプロットだと思っていた。だが、本書の設定はもっと複雑である。1番目に乗り移った人間が眠るか意識を失うと、2番目の人間に乗り移って1日が始まる。2番目に乗り移った人間も眠るか意識を失うと、3番目の人間に乗り移るが、前の人間が目を覚ますと再びその人間に乗り移って1日の続きが再開される。眠ったまま午前0時を過ぎるか、死ぬ(殺される)とその人間にはもう転移しない。

 主人公が乗り移っている人間(視点)と過ごしている時間帯が目まぐるしく移り変わるため、「分かりにくい」と否定的な意見を持つ読者もいると思う。しかし私が読む前に予想していたプロットだと、最後の人間のときに最終的な解決をすることが初めから確定してしまう。それでは面白くないと考えたのであろう。私は作者の挑戦的な試みを支持したい。
 作者は本書を執筆するにあたり、登場人物一人一人の詳細なタイムスケジュール表を作成したようだ。プロットが破綻する一歩手前で踏みとどまった渾身の力作。頭が冴えているときに読むことをお勧めする。

 なお、複数のミステリーランキングで1位に輝いたアンソニー・ホロヴィッツの『メインテーマは殺人』(創元推理文庫)は、早い段階で犯人を特定できてしまったので、私自身の評価は佳作程度だった。

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ゲームボーイコンプリートガイド

表紙

レトロゲーム愛好会『ゲームボーイコンプリートガイド』(主婦の友社)

■ 君となら、どこまでも、いつまでも。
 発売が半年ほど延期になっていた『ゲームボーイコンプリートガイド』が、先月下旬になってようやく書店に並び始めた。某大型書店でサクッと購入。
 これで所有しているゲームボーイソフトのカタログ本は、『GB1236タイトル完全カタログ』、『GB1236タイトル完全網羅エミュレータブック』、『ゲームボーイパーフェクトカタログ』と合わせて4冊となった。うん、ゲームボーイの本については、もう充分かもしれない(笑)。
 ゲームボーイアドバンスソフトのカタログ本は、すでに『ゲームボーイアドバンスパーフェクトカタログ』が出たので、次はニンテンドーDSとニンテンドー3DSのカタログ本に期待したい。

 去年発売された『ゲームボーイパーフェクトカタログ』はB5サイズの大判本だったが、『ゲームボーイコンプリートガイド』はA5サイズの手頃な大きさである。ときどき本棚から取りだしてソフトの発売日や価格を確認するときは、こちらを使いそうな予感がする。
 『ゲームボーイコンプリートガイド』のソフト紹介には、タイトル画面の写真が掲載されている。タイトル画面は“ゲームの顔”であるので嬉しい。『ゲームボーイパーフェクトカタログ』がタイトル画面を載せていないのは不満だった。

 ゲームボーイソフトは基本的に3種類のカートリッジがある。ゲームボーイ用ソフトの灰色カートリッジ、ゲームボーイ&ゲームボーイカラー共通ソフトの黒色カートリッジ、ゲームボーイカラー専用ソフトのスケルトンカートリッジである。
 例外は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』で、初期に発売されたバージョンは灰色カートリッジだが、ゲームボーイカラーに対応している。また逆に、黒色カートリッジでありながら、ゲームボーイカラーに対応していないソフトもいくつかある。本書でそういう例外を探してみるのも面白いだろう。

 ちなみに、ゲームボーイ最後のソフトは、小学館が発売した『ドラえもんのスタディボーイ かんじよみかきマスター』という知育ゲームである。全世界で1億台以上売り上げたゲームボーイは、人知れず静かに終了していたのだ。

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ども、ブログ管理人のうどん太郎です。
主にレトロゲームのレビューと関連ゲーム動画の紹介をしています。

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