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ファミコンとその時代

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上村雅之+細井浩一+中村彰憲『ファミコンとその時代』(NTT出版)

■ ファミコンの誕生とゲーム文化史
 革命的な家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」が発売されてから、今年でちょうど30年が経過した。本書は、ファミコンの開発責任者であった任天堂開発第二部長(当時)の上村雅之氏ほか二名が執筆したファミコン小論である。内部事情に詳しい上村氏が執筆に携わっており、ゲームライターが書いた類似のファミコン解説本とは一線を画する学術的な内容になっている。

 第1章と第2章でファミコン以前の家庭用ゲーム機の歴史を丹念にたどり、第3章でようやく本書のテーマであるファミコンが登場する。携帯型液晶ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」のブームが下火になり、次の一手を模索していた任天堂は、各家庭にあるテレビを利用した新しいゲーム機を考案していた。

 技術的な問題として、カセット式テレビゲームを製品化する際に重大なリスクになると想定されたのは、カセットの「接触不良」と「静電破壊」である。結局のところ、この2つの懸念材料はメーカー側が対策を施したため大きなトラブルとはならなかったのだが、仮に解決の見通しが立たなかった場合、ファミコンは全く別の形になっていた可能性がある。
 アメリカ発のアタリショックによるゲーム専用機アレルギーが、流通業界や小売業界に蔓延していたさなか、ファミコンの仕様にかなり神経質になっていたことを伺える。

 ファミコンが発売されてから1年間は、任天堂製のソフトしか発売されなかった。ゲームセンターで人気があった『ドンキーコング』や『マリオブラザーズ』が主力タイトルであったが、それらはアーケード版から劣化しており、コアなゲームファンの視点から見ればやや求心力に欠けていたことは事実である。
 ファミコンが爆発的に売れ始めたのは、ナムコがサードに参入して『パックマン』や『ゼビウス』をファミコンに移植してからである。他社の有名ゲームの後押しがなければ、ファミコンが一時代を築くことはなかったかもしれない。

 そこで気になったのは、故・山内溥元社長がビジネス誌で語った「任天堂というのは、独りぼっちの企業なのです」という言葉。ファミコンという歴史に残る名ゲーム機を誕生させ、道なき道を開拓してきたという自負から発言したものだと思うが、任天堂がこれから先も独自路線を続けていけるのか一抹の不安を感じるのである。

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映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?

表紙

斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』(ダイヤモンド社)

■ 映画の入場料金1800円は適正な価格か?
 現在、日本での映画の鑑賞料金は1回1800円である。アメリカでは7~8ドルで鑑賞できることを考えるとかなり高いと感じる。日本人は世界で一番高い映画料金を支払っていると言ってよい。
 そもそも以前から、上映時間90分の低予算映画も、3時間弱の超大作映画も同じ1800円というのは納得し難い料金設定だと思っていた。上映時間が短い映画は、その分安くするのが妥当ではないのか。

 映画料金は1960年代から物価の上昇とともに上がり続け、1993年に現在の価格である1800円に落ち着いた。正確に言えば、物価の上昇に合わせたのではなく、入場者数の減少分を補う目的で強引に値上げしてきたのだ。
 全席入れ替え制により二度見はできない。したがって、このあたりが心理的な上限価格だと思われる。もし料金が2000円以上になったら、入場者数がさらに減ることは目に見えている。

 著者の斉藤守彦氏(映画ジャーナリスト)が約300人に取ったアンケートの結果、91.12%が一般入場料金1800円を「高い」と回答した。「安い」と回答した者は見事にゼロである。日本人の大多数が現在の映画料金に関して不満があるようだ。
 ビデオレンタルが開始された当初、レンタル料金は一泊二日で500円であった。最近では100円以下でDVDを一週間借りられる。ビデオレンタル市場は価格破壊が進んだが、映画館の入場料金は一度も値下げされたことはない。

 本文の記述によると、最近の平均入場料金(実際に客が支払った金額の平均)は1200円程度になっている。つまり、観客の80%以上が、映画デー1000円やレイトショー1200円を利用して割引料金で鑑賞していることになる。バカ正直に正規料金1800円を支払っている人は少ないということだ。
 それなら終日1200円に値下げして客をもっと呼び込めば、確実に売り上げアップが望めると思うのだが、不思議なことに映画関係者はそうは考えないらしい。
 背景にあるのは、映画の製作・配給・興行が一体となった日本の映画産業の特殊な実態と、料金を維持してこれからも殿様商売を続けたいという後ろ向きの姿勢である。本書を読めば、どうして彼らが入場料1800円にこだわるのか知ることができる。

 映画関係者は最低でも1800円は徴収したい、できれば端数を無くして2000円は取りたいと考えている。観客は1200円程度なら見に行っても良い、DVDのレンタル料金や国際相場を考えると1000円ぐらいが適正だと考えている。その差は2倍である。両者の間の溝は埋まりそうもない。

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自動車産業の終焉

表紙

イアン・カーソン/ヴィジェイ・V・ヴェイティーズワラン『自動車産業の終焉 次世代クルマ戦争に勝ち残るのはどこか』(二見書房)

■ とにかくクルマが売れない
 2008年12月22日、トヨタ自動車が発表した通期決算予想は大きな衝撃を持って伝えられた。2008年3月期の最高益(2兆2703億円)から一転、1500億円の赤字に転落する見通しとなった。トヨタ自動車が営業赤字になるのは、1941年3月期以来、戦後初の出来事だという。
 世界同時不況による極度の販売不振と、1ドル90円を割り込む急速な円高。ふたつの巨大な竜巻が重なり、日本の自動車業界を確実に破壊しながら進んでいる状況だ。竜巻がどこに向かうにせよ、エネルギーが弱まるにしたがい、いずれは消滅するだろう。しかし竜巻が消えた後に残っているのは、果たしてすべてのメーカーなのだろうか?

 国内で自動車が売れなくなったのは、特に今になって始まったことではない。1990年の777万台をピークにして徐々に販売台数は減り続け、日本自動車工業会の発表によると、2009年の国内販売台数は486万台にとどまるという。実に31年ぶりに500万台を下回ってしまった。
 その理由は様々だ。①若者人口の減少による(特に新車の)需要減、②低所得労働者の増加による購入者の減少、③ライフスタイルの変化、携帯電話やパソコンなどより安価な商品の購入を優先、④都市部での交通インフラの整備、⑤自動車の性能アップによる買い換え年数の伸張、⑥ガソリン高騰による維持費の増大、・・・・と少し思いつくままに挙げてもこれだけの要因があり、事態の好転は容易ではない。

 経済評論家の森永卓郎氏の考察によると、自動車が売れなくなったのは人口減少(ドライバー人口の減少)が原因ではなく、年収200万円以下の低所得者が増加したことと、それに伴い貯蓄率が低下したのが原因だという。
 結局ところ「買いたいのに買えないのか」、それとも「買いたくないから買わないのか」、どちらの影響が大きいのだろうか。いずれにせよ、自動車産業を取り巻く環境の急激な悪化をみるに、2009年は産業の転換期となりそうな予感がする。


■ 自動車産業と表裏一体の石油産業
 長たらしい前置きはさておき、今回紹介する本は、雑誌『エコノミスト』の記事を加筆したものであり、原題を 『ZOOM The Global Race to Fuel the Car of the Future』 という。邦訳の題名だけ見ると、各自動車メーカーを分析している本かと思われるかもしれないが、内容の半分はエネルギー問題に費やされている。20世紀を牽引してきた二大産業に言及しており、コンパクトながらその視野は広い。
 「問題は石油だ。自動車ではない。だから、わたしたちがしなくてはならないのは、自動車を捨てることではなく、新しい自動車を開発することだ。クリーンな自動車が登場すれば、それが変化の牽引役になって、交通に新たな時代がもたらされるだろう。ところがその新しい自動車の登場が遅れている。石油会社は明らかに、自分たちの主力商品が市場から消えることを望んでいないし、自動車メーカーも真のイノベーションや長期的なビジョンをほとんど示していない。」(本文9ページ)

 次世代カーの最有力候補とされている水素自動車だが、コストの面で普及にはまだしばらく時間がかかると思われる。次世代カーへの移行が遅れている理由は、他ならぬ自動車会社自身のエゴが絡んでいる。本書では自動車産業と石油産業がアメリカ政府を巻き込んで、いかに意図的に産業のイノベーションを妨害してきたか、そしてその結果、GMを代表とするビッグ3が競争力を失い、日本の自動車メーカーの後塵を拝することとなった経緯が語られる。後半では、温暖化などの環境問題にも触れており、最近の経済混迷の原因を知る上でタイムリーな良書と言えよう。

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