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カプコンアーケード 2ndスタジアム (NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカーカプコン
・ジャンルバラエティ
・発売日2022年7月22日
・価格4,000円(30本パック)



■ 残り物には福がある!?
 カプコンの人気アーケードゲームを「これでもか!」と詰め込んだ『カプコンアーケードスタジアム』。その第2弾の『カプコンアーケード 2ndスタジアム』が2022年7月22日に発売されました。無料タイトル『ソンソン』を含む合計32本が、4,000円という格安価格で楽しめます。「円安」+「インフレ」のダブルアッパー↑↑で窮乏している一般国民にとって、福音をもたらす価格設定です。
 なお、ソフトを単品で買う場合は1本400円です。前作『カプコンアーケードスタジアム』のバラ購入は1本200円だったので、この点には注意が必要でしょう。「欲しくないタイトルも結構あるんだよなぁ~」という渋ちんちんの人は、カプコン恒例の「半額セール」(たぶん来年に実施?)を待つのもありですね。セットで一括購入する方が何かとお得だと思います。

 第2弾『カプコンアーケード 2ndスタジアム』に収録されているタイトルは、第1弾『カプコンアーケードスタジアム』から漏れた残りのカプコン純正タイトルをまとめた感じですね。
 洋楽の2枚組ベストアルバムにたとえるなら、代表曲のほとんどは1枚目のCDに入っていて、2枚目のCDはボーナストラックみたいな――具体例として『ABBA Gold』を思い出しましたw 第1弾収録の『プロギアの嵐』のような「おおっ!」と驚く目玉タイトルが第2弾にはなかったので、そのあたりは少し残念に思いました。

 収録が期待されていたものの、結局第2弾にも収録されなかったカプコンのアーケードゲームをここで列挙してみましょう。
 年代順に、『ウィロー』、『エリア88』、『ドカベン』、『アドベンチャークイズ』、『クイズ三國志』、『クイズ殿様の野望』、『エイリアンVSプレデター』、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、『ストリートファイターIII』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『ストライダー飛竜2』、『グレート魔法大作戦』――う~む、大体こんなラインナップですかね。『ジョジョ』はPS3でHD ver.が出てたから、ワンチャンあるかもと期待していましたよ……。他にはマーベル系とコラボした格闘ゲームや『機動戦士ガンダム』のVS.シリーズがありますが、ガチガチの版権物なので端から諦めていました。

 あまり需要がなさそうな初代『ストリートファイターZERO』など、多すぎる格闘ゲームを2本ほど削って、クイズ系のゲームを入れるとさらにバラエティに富んで面白かったかもしれません。まあ、カプコンさんにも色々と社内の事情があるでしょうし、個人的には第2弾を発売してくれただけで嬉しいです。第1弾と合わせて、末永く遊べるオムニバスソフトになりそうです。

ソンソン  ブラックドラゴン

■ 30本バンドル購入特典は『ガンスモーク』!
 それでは本作に収録されているタイトルの中から、自分が好きな作品を何本かピックアップして紹介したいと思います。本音を言うと、すべてのアーケードゲームを同一のゲーム内ゲームセンターで遊べるように、第1弾と第2弾を統合して欲しかったですね。
 端から順に『バルガス』、『ソンソン』、『ひげ丸』、『1942』、『エグゼドエグゼス』、『戦場の狼』、『魔界村』、『ガンスモーク』、『セクションZ』……と筐体が並んでいたら、さぞ壮観な眺めだったでしょう。ま、ここで愚痴を言ってもしょうがないですか。

ソンソン
「はどーけん!(ぼそぼそとした声で)みなさんこんにちは。ニッポンを元気にするユーチューバー、岡本吉起です。今日もよろしくお願いしまあーす。うっす」でおなじみのゲームクリエイター岡本氏の代表作。カプコンのレトロアーケードゲームといったら、まずこの作品が頭に浮かぶ。コミカルなキャラクターと万人が楽しめるシンプルなゲームシステムが魅力。

超浮遊要塞エグゼドセグゼス
 徳間書店から発売されたファミコン版『エグゼドエグゼス』との比較でよく話題になる作品。「ファミコン版は限りなくクソゲーに近い“何か”だったのに、アーケード版は背景が多重スクロールして自機が浮いているように見えるやん!」と瞠目したシューティングゲームだった。2人同時プレイ可能。

ナイツ オブ ザ ラウンド ‐円卓の騎士‐
 『アーサー王物語』をモチーフにしたベルトスクロールアクション。各キャラクターの操作感や馬に乗れるところなど、同年に発売された『天地を喰らうII 赤壁の戦い』によく似ている。『天地を喰らうII』と同じく、ときどき頭を空っぽにしてプレイしたくなるスルメゲー。スーパーファミコン版が存在しているが、3人同時プレイはできなっている(最大2人同時プレイまで)。

アルティメット エコロジー
 カプコン版『R-TYPE』というべき横スクロールシューティング。出荷台数が少なかったせいか、ゲームセンターで見かけたことはなかった。フォースならぬ「アーム」の先端で敵弾を防いだり、接触攻撃ができる。アームを360度回転させてショットの発射方向を変える面白システム採用。

ヴァンパイアセイヴァー ‐The Lord of Vampire‐
 格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズの第3作目。システム的に前作の『ヴァンパイアハンター』よりも難しくなり、コアな格闘ゲーマー向けの作品。一般ウケしなかった作品ではあるが、難易度を下げて必殺技でCPUをボコボコにすると気持ちいい。リリス、バレッタといった新キャラが可愛い。ドット絵のグラフィックが最高。

ストリートファイターZERO3
 PS版をかなりやり込んだ思い出深い作品。『ZERO』シリーズは『ZERO2』派と『ZERO3』派の2つの派閥がある。対人戦を好むガチ勢の人は『ZERO2』派、CPU戦を楽しむエンジョイ勢の人は『ZERO3』派だろうか。私は断然『ZERO3』派である。ポップでオシャレな雰囲気が好き。

ヴァンパイアハンター  スーパーパズルファイターIIX

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ダービースタリオン (NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカーゲームアディクト
・ジャンルシミュレーション
・発売日2020年12月3日
・価格7,800円



■ 『ダビスタ』×音声実況のキセキ
 2020年11月29日に開催された中央競馬のジャパンカップは、史上稀に見る大熱戦となりました(新型コロナウイルス蔓延のために入場制限があり、観客数はわずか4600人でしたが)。
 無敗でクラシック三冠(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)を達成したコントレイルと、同じく無敗で牝馬三冠(桜花賞・オークス・秋華賞)を達成したデアリングタクトの二頭が、2019年に海外GI のドバイターフを制した古馬最強の三冠馬アーモンドアイと激突するという、競馬ファンが夢にまで見た頂上決戦が実現したのです。

 レース結果は1着アーモンドアイ、2着コントレイル、3着デアリングタクトと、三頭の三冠馬がワン、ツー、スリーフィニッシュ! 何この八百長が疑われるような完璧な結末は(笑)。2-5-6 の3連複でオッズ3.0。大金持ちだったら絶対に1億円を突っ込んでいましたよ。

 日本競馬界の勢いを追い風にして、2020年12月3日の絶妙なタイミングで発売されたのが、ニンテンドースイッチ版の『ダービースタリオン』。タイトルに「for Nintendo Switch」とか余計なものは一切ない、王道を征く堂々としたソフト名。本作の最大のウリは、シリーズ初の音声実況機能を搭載!
 「東芝の音声合成技術により、自分が命名した愛馬の名前を競馬中継そのままに実況してくれます。」――うおおおおおおん! これっスよこれ! 「顧客が本当に必要だったもの」はこれだったんですよ~! 薗部さ~ん、よくぞやってくれました!!😂

 人類には発音が難しい言葉を馬の名前にするのが楽しすぎるw 「アッー」、「アルュメ」、「カバャピョ」、「クルルァ」、「ターャジス」、「ヅェムヌァグヅ」、「ドラャーミサイル」など、面白馬名をソフトに実況させてニヤニヤしている今日この頃です。
 音声実況の一点で、個人的には「屈指の神ゲー」だと思いますが、発売当初は評判がイマイチだった本作。2021年1月27日のアップデート前までは、ロード時間がすごく長かったんですよね。特にパッケージ版(カートリッジ版)が。イライラしてゲームをやめちゃった人がいるかもしれません。

 本作はダウンロード版を買って、スイッチ本体のフラッシュメモリにインストールするのがオススメです。microSDカードにインストールするよりも本体のフラッシュメモリにインストールした方が、ロード時間が短くなるとのこと。本作のデータ容量は4.9GBなので、保存容量が32GBのスイッチ本体でもデータを整理すれば問題ないでしょう。
 スイッチ本体にインストールしたダウンロード版の場合、牧場―厩舎間の移動にかかるロード時間は3~4秒ほどですね。爆速ではないものの、ロード時間は気にならないです。

ウドンインパクト  調教

■ 圧倒的一番人気でも馬群に沈む
 『ダビスタ』シリーズをプレイするのは、PS版の『ダービースタリオン』以来久しぶりです。迫力のあるレースシーンを音声実況付きで楽しめるなんて、『ダビスタ』も進化したなぁ~としみじみ感動しました。

 PS2版、PSP版、GBA版、DS版、3DS版といった他の作品は未プレイであるため、すべての過去作との比較はできませんが、プレイしたことがあるSFC版、PS版と比べると、ややレースに勝ちにくい印象です。たとえ◎5つの大本命の馬でも、馬群に沈んで惨敗することがよくあります。前を走る数頭の馬が壁になり、必死で隙間を探して左右にスライド(いわゆるカニ歩き)。そのまま力尽きて終了。「本物の馬はそんな動きはせんやろw」と苦笑してしまいます。

 購入者のレビューを見てみると、前壁を回避する「逃げ」絶対有利のゲームバランスだと書かれていました。でも、「逃げ」を指示すると最後の直線でヘタれることが非常に多いです。
 どちらかと言えば、外枠スタートで「差し」を指示した方が勝ちやすいです。「差し」だと最後の直線の伸び脚が妙にいいです。1.5流の馬がGI レースに勝つのを何度も目撃しました。キタサンブラックやサトノダイヤモンドのようなスタミナモンスター馬なら、「逃げ」でも最後までスピードを維持できると思いますが、そんな馬は未だ生産できていません。

 本作の難易度は高いと言われていますが、セーブデータを自由にコピーできて何度でも同じレースに挑める時点で、SFC版よりも格段に易しいです。オートセーブされて、レース中にリセットしたら翌週に飛ばされるSFC版の方が、はるかに難易度が高かった。全GI 制覇まで120年もかかりましたからね。
 ぶっちゃけ、リセットありなら無敗の三冠馬も簡単に作れてしまいます。実際、そこそこ強い牝馬が生まれたので、強引にクラシック三冠を達成しました。14戦14勝の無敗の牝馬を試しに凱旋門賞に出してみましたが、まったく歯が立たなくてワロタwww 海外馬どんだけ強いのよwwwww

 所詮はリセットを繰り返して作った偽りの三冠馬。アーモンドアイの足元にも及ばない凡馬でした。はぁ~、サイキョウクラウドのような異次元の強さの馬を作って、ロンシャン競馬場をスカッと駆け抜けたいですね。
 よくよく考えたら、SFC版でもPS版でも、凱旋門賞を勝ったことは一度もなかったんだよなぁ……。まあ、海外種牡馬を集めながら、まったりとプレイしますか。

※追記(2022年8月25日)
 Frankel×ウンメイノアカイイトの産駒で、凱旋門賞に勝利しました! 4番人気でしたが、最後の直線で猛烈な追い上げを見せてくれました。もう思い残すことはないっス。

パドック  接戦

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不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス (NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカースパイク・チュンソフト
・ジャンルロールプレイング
・発売日2020年12月3日
・価格3,980円



■ たまにやりたくなるゲーム、それが『風来のシレン』
 本作は、2015年にPS Vitaで発売された『風来のシレン5plus』をニンテンドースイッチに移植した作品です。2020年12月3日に、スイッチ版とSteam版が同時発売されました。
 発売当初はゲーム中にフリーズして強制終了する(→その結果、全アイテムロスト)というとんでもないバグがありましたが、現在はアップデートで修正されて問題なく遊べます。

 『風来のシレン』シリーズには底シレン(底知れぬ)魅力があって、ときどきプレイしたくなりますよね。「スルメゲー」とはまさに『風来のシレン』のようなゲームのことを指す言葉ではないでしょうか。「勝利して99階を制覇する! それだけよ…それだけが満足感よ!」――そんな気持ちで不定期に持ち込み不可ダンジョンに挑んでいます。まあ、99%は失敗に終わってしまいますけど(笑)。
 ローグライクゲームはインディーゲームやフリーゲームなどを含めると、他にも色々と良い作品があると思いますが、スーパーファミコンの初代『風来のシレン』にガツンと衝撃を受けた者としては、やはり『風来のシレン』シリーズが一番、「心のふるさと」です。

 スイッチ版『風来のシレン5plus』は、PS Vita版『風来のシレン5plus』で追加・配信されたダンジョンに加えて、新たに「無刃の荒野」「死線の回廊」「運命神の裏庭」の3つのダンジョンが遊べます。シナリオダンジョン、クリア後ダンジョンと合わせて、ダンジョン数はなんと30以上! 圧倒的なデカ盛りボリュームに戦慄すら覚えます。
 今回レビューのために、ニンテンドーDSで発売された旧作の『風来のシレン5』と比較してみましたが、画面サイズがまったく違いますね。「ニンテンドーDSの画面ちっさw 一昔前はこんな小さな画面でゲームを遊んでいたのかwww」と思いましたよ。いやー、ゲーム機の進化の凄まじさをまざまざと体感しました。据え置き型としても携帯型としても遊べるニンテンドースイッチは優秀ですね。

 本作のBGMはすべて、すぎやまこういち先生の後継者として名前が挙がる、作曲家の松尾早人氏が手がけています。BGMはどれも最高ですね。耳に残るメロディーを聴いていると、「どことなくすぎやま風なんだけど、どことなくすぎやま風じゃない」という不思議な感覚に襲われます。
 名作ゲームはメニュー画面(名前入力画面)の曲が良い、というのが私の持論で、本作もその説に当てはめることができます。長時間聴いていても飽きないんですよね。

ネコマネキ村  小次郎太

■ 『風来のシレン』シリーズがこの先生きのこるには?
 矢稼ぎや草稼ぎなど、何かしらのアイテム稼ぎをしないまま普通に進んでいくと、60階あたりで限界がきて詰む、というのが、『風来のシレン5plus』の持ち込み不可ダンジョンです。
 ドレッドラビ(フィアーラビ系の上位種)の召喚術によって一瞬にして複数のモンスターに囲まれ、アイテムを無駄に使わされて削られます。消費アイテムの数>補充アイテムの数になっていき、復活の草が尽きてゲームオーバー。いつものよくあるパターンですね。

 『風来のシレン5plus』の持ち込み不可ダンジョンは、アイテム稼ぎが前提のゲームバランスになっている――これが初心者に厳しく、新規ユーザーが生まれにくい原因だと思います。
 初代『風来のシレン』の「フェイの最終問題」では、ゲームの序盤に強化の壺を拾うことができて、後半戦に突入する前に装備品の強化値を+40~+50くらいまで上げることが可能でした。裏技的なアイテム稼ぎをやらなくても、持ち込み不可ダンジョンをクリアできたのです。
 『風来のシレン5plus』にも強化の壺は出てきますが、店売りでしかも高価。さらに一定の確率で自然に割れてしまいます。だめだこりゃ…。

 本作には「新種道具」作成というやり込み要素があります。「ネコマネキ村」のホテルの地下にある「秘伝の甕(かめ)」に道具を漬けておくと、時間の経過によってランダムで特殊能力が付与されるというシステムです。
 たとえば、透視の腕輪に鑑定師の腕輪の効果がプラスされた高性能な腕輪を作ることができ、ゲームの序盤でそれを拾うことができたら、冒険の難易度が格段に下がります。私は新種道具が出現して比較的スイスイ進める「旧道」や「天上の池」が好きですね。

 そこでふと思いつきましたが、次の『風来のシレン』作品には「スキル制」を導入してみてはいかがでしょうか? HPは初期値の15から最大100まで上げられるとか、力は初期値の8から最大50まで上げられるとか、HPの自然回復スピードがアップするとか、アイテム所持数を最大24個から最大36個まで増やせるとか、何かシレン自体を強くする仕組みがあれば、初心者でも『風来のシレン』を十分楽しめるのではないかと考えました。

 スキルは無駄に余るギタン(お金)で購入できて、ダンジョンに入る前に、プレイヤーの判断で自由にスキルをセットできるようにします。もしスキルなしでダンジョンをクリアできたら、特別な称号や報酬が貰えるようにする――こうすれば初心者、上級者のどちらもゲームを堪能できるようになると思いますよ。

 ――『風来のシレン』とかけて「整体」と解きます。
 ――その心は?
 ――どちらもツボが重要です。

 暗いダンジョンを明るく照らす、桂歌丸です。

タオ  ダンジョンのお店

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メトロイド ドレッド (NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカー任天堂
・ジャンルアクション
・発売日2021年10月8日
・価格6,980円



■ 『メトロイド ドレッド』は『スーパーメトロイド』を超えたか!?
 探索型の『メトロイド』作品としては『メトロイドフュージョン』(GBA)以来となる久々の新作ソフト、全世界が待ち望んだ『メトロイド ドレッド』(NS)がついに発売されました!
 『メトロイド』シリーズをこよなく愛する任天堂ファンの人たちは、期待と不安が入り交じった気持ちで発売日当日の朝を迎えたと思います。

 というのも、「メトロイドヴァニア」と称される探索型アクションゲームは、ここ10年の間に盛り上がりを見せ、『Hollow Knight』や『Ori and the Will of the Wisps』といった優れたインディー作品がすでにいくつも存在しているからです。最近発売されたものでは、『ENDER LILIES』の評判が良いですね。
 これらのインディー作品は元々の定価が安く、セール時にはさらに値引きされ、カメレオンクラブ閉店時のような投げ売り価格になります。『Hollow Knight』に至っては、定価1,480円の半額、タイムサービスの740円で配られる始末。

 それに引き換え、『メトロイド ドレッド』の税抜き価格は、割高感が漂う6,980円。おまけに経団連ゴリ押しの消費税が10%分加算されて、税込み価格7,678円にフュージョン。『Hollow Knight』の約5倍の価格ですよ。『Hollow Knight』より5倍高いなら、面白さも5倍高くないと釣り合いが取れません。『Hollow Knight』より5倍面白いなら、「神ゲー」を超越して「神そのもの」になってしまうじゃないですか。キリストの復活のような奇蹟が現実世界で起きるのでしょうか?

 ――「もし『Hollow Knight』よりもショボかったらどうしよう……。出来が悪かったら、インターネットの掲示板やYouTubeの動画で盛大に叩かれるよなぁ……。はぁー、何だか気が重いわー」と少し憂鬱な気分になりながら、今回『メトロイド ドレッド』をプレイしました。

 と、まあ、実際にプレイするまでは色々と余計なことを考えていたのですが、クリアした感想を言うと、紛れもなく“快作”でした。Metacriticのメタスコアは、現在89点とかなりの高得点。ユーザースコアも8.8点と高い水準にあります。
 後述するように不満点もぽつぽつあるので、『スーパーメトロイド』(SFC)を超えたかどうかは正直微妙なラインだと思いました。だけどアクションゲームが好きな人に対しては自信を持ってオススメできる作品です。いやー、駄作じゃなくて本当に良かった(汗)。本作を開発したMercury Steamのスタッフ、そしてプロデューサーの坂本賀勇氏には感謝の気持ちでいっぱいです。

 『メトロイド ドレッド』が高評価を得ることによって、シリーズの過去作も見直されているのが嬉しいですね。同じMercury Steamが開発した『メトロイド サムスリターンズ』(3DS)をやってみたいという人が増えたのか、アマゾンでの『サムスリターンズ』の販売価格が高騰しています。

エミー  ボス戦

■ 恐怖を注入するE.M.M.I.の鋭い針
 ここで、『メトロイド ドレッド』の良いところ、悪いところを箇条書きにしてみましょう。ソフト購入の参考にしていただければ幸いです。
 ニンテンドースイッチオンライン加入者のみ購入できる「ニンテンドーカタログチケット」を使えば、本作を4,990円の割引価格で買うことができます。本作+『ポケットモンスター』とか、本作+『ゼルダの伝説』とか、2本セットの1本として選ぶのに最適なソフトかもしれませんね。

●良いところ
 ・過去作では詳しく語られなかった鳥人族との関係が明らかになる。
 ・煩雑な部分はあるが、『スーパーメトロイド』よりもはるかに向上した操作性。
 ・見せ場では2Dのサイドビュー視点からダイナミックな3D表現に切り替わる。
 ・上達を実感できるボスキャラとのバトル。ムズすぎない程度のほどよい高難易度。
 ・探索に恐怖と緊張を与えるE.M.M.I.出現ゾーンの存在。
 ・全体マップに未回収のアイテムや未破壊の障害物が表示される懇切丁寧な作り。

●悪いところ
 ・導線がはっきりしすぎて、「一本道なルート」と感じてしまう部分がある。
 ・別のエリアに移動する際にかかるロード時間が約20秒と長め。
 ・主張が控えめで、今ひとつ印象に残らないBGM。

 特集記事のコラムで書きましたが、名作『スーパーメトロイド』の唯一の欠点、それは特異な操作方法でした。Aジャンプ、Bダッシュ、Xショットというイレギュラーな操作方法は、『スーパーマリオワールド』といった他のアクションゲームとは違うため、プレイ中に戸惑うことが多かったです。
 本作はBジャンプ、Yショットというオーソドックスな操作方法に改善され、快適に遊ぶことができます。ただし、左右のアナログスティックの押し込みを多用するので、プロコンが必須ですね。ラスボスは「戦っていて楽しい」と感じる良キャラでした。

 接触すると高確率でサムスを殺すロボット「E.M.M.I.(エミー)」は、エイリアンっぽい動きをしてプレイヤーをビビらせてくれます。E.M.M.I.についてはユーザーの間で賛否両論があるようですね。ゲームオーバーになってもオートセーブされた直近の場所からすぐに再トライできるので、私はストレスよりもスリルが勝っていると感じました。

 マップのあちらこちらにある「アクセスステーション」で、サムスは次に行うべき任務をアダムから指示されます。マップもそのアダムの指示に沿った作りになっていて、今は行く必要がない場所には(裏技的にシーケンスブレイクを狙わない限り)進めないように、つまり迷わないようにしてあります。これが自由度を低下させているというか、親切すぎる作りがかえって仇となっているんですよね。ストーリー上、行き先がほぼ決まっているという点は、『メトロイドフュージョン』に似ているかな。

 「あー、どこにも進む道が見つからないわー。詰んだわー」
   ↓
 「とりあえず、ボムでそこら中を爆破していたら穴ぼこが開いたわ」
   ↓
 「秘密の通路があって先に進めるぜ」

 このように、探索型アクションはちょっと不親切なくらいが、探索の面白味が出ていいんですよ(笑)。ダメージゾーンだと思ったらダミーのダメージゾーンで下にすり抜けられた、なんてギミックが初代『メトロイド』や『スーパーメトロイド』にはあったじゃないですか。

 本作には中盤にさしかかったあたりで、序盤に攻略した地下深くのエリアが凍り付くという意外な展開があります。『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の「逆さ城」を思い出して「ほう、面白いな」と感じましたが、ここでも行く必要がない場所の扉は閉まっていて、基本的に窮屈な作り。もう少しプレイヤーを迷わせる構造でも大丈夫でしたよ。

 総合的に見て、『メトロイド ドレッド』は任天堂が発売したスイッチ用ソフトの上位に来る作品です。願わくば、『メトロイド ドレッド』のシステムで作られたリメイク版の『スーパーメトロイド』を遊んでみたいと思いました。Mercury Steamにはもう一仕事お願いしておきましょう。

アイテム発見  クレイド

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カプコンアーケードスタジアム(NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカーカプコン
・ジャンルバラエティ
・発売日2021年2月18日
・価格4,000円(30本パック)



■ カプコンの歴史はアーケードにあり!
 『カプコンアーケードスタジアム』は、カプコンがこれまでに発売してきた人気アーケードゲームをドドーンと32本(別売りの『魔界村』を含む)収録したオムニバスソフトです。2021年2月18日からSwitchで先行販売され、2021年5月25日にPS4版、Xbox One版、PC版も販売開始されました。
 移植完成度を考えたらPC版を選ぶのがベストだろうなと思いましたが、そんなの待てずにSwitch版の30本パックをすぐに買っちゃいましたよ。『1943』と『魔界村』の2本が無料でもらえて大満足です。

 セット価格4,000円を32本で割って計算すると、1本125円ですよ。ローソンの「手巻きおにぎり 紀州南高梅」と同じ値段です。超安すぎw 実質タダじゃないですか。実際は4,000円支払っていますが、やっぱりタダみたいなものじゃないですか。
 10本パックが1つ2,980円、一括で30本パックを購入すると7,980円くらいになるのかな?と予想していたら、予想のほぼ半額の価格。まさに大盤振る舞いですね。
 この『アーケードスタジアム』は、カプコンのワイン醸造家CEO辻本憲三氏直々のプロジェクトのようです。辻本氏は意外とゲームの方も愛していたんだなぁ(涙)。

 収録タイトルを見て気になったのが、『ソンソン』と『エグゼドエグゼス』が入っていないことでした。露骨な岡本吉起外しw カプコンと岡本氏の間に「どんな事情があるか知らないけど、どんな事情があるか知らないけど」(カミーユ風)、『ソンソン』外したらあきまへんて。『ソンソン』は海外ではウケなかったようですが、国内ではカプコンという会社をアーケード第2作目の『ソンソン』で知ったという人が多いと思いますよ。

 『アーケードスタジアム』のプロジェクトは今後も継続することが決定しています。第4弾の10本パックが追加されるとしたら、『ソンソン』、『エグゼドエグゼス』、『ブラックドラゴン』、このあたりは入れてほしいですね。『ヴァンパイア』シリーズもぜひお願いしたいところです。
 ベルトスクロールアクションの『ザ・キングオブドラゴンズ』、『ナイツ オブ ザ ラウンド』の2本を加えると、先に発売された『カプコン ベルトアクション コレクション』が完全に劣化ソフトになってしまいますが、かまへん、かまへん。もう、とことん決定版を追求してください。

大魔界村  天地を喰らうII

■ 新しい機能で新しいゲーム体験を!
 さて、この『アーケードスタジアム』、単に昔のアーケードゲームを詰め合わせにしたソフトではありません。難しいカプコンのアーケードゲームを、誰でも快適にプレイできるように、いくつもの機能がプラスされています。

 オプションモードでは、ゲーム難易度、残機数、エクステンド、ボム数、ゲームスピード、ディスプレイのパターンなどを細かく設定できます。
 セーブ/ロード機能を使えば、いつでもゲームを中断・再開することができます。凡ミスをして死んだとしても、わざわざ最初からやり直す必要はありません。

 リアルタイムでプレイ状況を巻き戻すことができる「巻き戻し機能」は非常に便利ですね。特に不具合もなく、自由に使用することができました。
 ゲームスピードをスローにして、巻き戻し機能を活用すれば、私のような下手っぴでも弾幕系シューティングゲームの『ギガウイング』や『プロギアの嵐』をクリアできます。ゆっくりとしたスピードで弾幕の隙間をくぐり抜けるのがこんなに楽しいとは!

 これからのレトロゲームの移植は、こうした便利機能の追加が必須となるでしょう。「アーケードアーカイブス」のゲームにも一応「中断セーブ」といった機能はありますが、『アーケードスタジアム』のユーザーフレンドリーな機能は至れり尽くせりですね。他社も参考にしてほしいです。

 また、PS4版、Xbox One版、PC版の販売開始に伴い、5月25日に新機能の「無敵プレイ」モードが実装されました。これは100円で追加購入可能です。バンナムだったら1,000円は徴収しそうですね。
 無敵になれば、アクションゲームだろうが、シューティングゲームだろうが、格闘ゲームだろうが、クリアし放題。カプコン公認の“チートモード”で、ゲームセンターで味わった鬱憤を、思う存分晴らそうではありませんか!

スパIIX  ギガウイング

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ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S (NS)

タイトル画面
・機種ニンテンドースイッチ
・メーカースクウェア・エニックス
・ジャンルロールプレイング
・発売日2019年9月27日
・価格7,980円



■ タイトルのSは、ずばりSUPERのSだ!
 本作は2017年7月29日に、PS4と3DSで発売された通常版『ドラゴンクエスト11』のパワーアップバージョンです。旧PS4版『ドラクエ11』と比較すると追加要素が色々とありますが、最大の違いはキャラクターの音声が収録されたことです。
 豪華声優陣による全キャラクターのフルボイス化は、ゲーム内容を劇的に向上させる効果がありました。戦闘中にキャラクターの掛け声・叫び声がある場合とない場合では、臨場感に雲泥の差があります。ボイスなしの“ポポポ版”『ドラクエ11』なんて、味気なくて価値が半値八掛け二割引ですよ。不完全な旧PS4版『ドラクエ11』を買ってしまった約140万人のPS4ユーザーの人たちのご心痛を想像すると、同情を禁じ得ません。セーブデータを引き継ぐこともできませんからね。スクエニの完全版商法に反感を抱く人がいても、まあ当然かと思います。

 『ドラクエ11 S』の追加要素は、以下のように書き切れないほどあります。
 ・味方、敵含めて、主要キャラクターのセリフに音声が付いた。日本語と英語の切り替えも可能。
 ・サウンド設定で音源をオーケストラかシンセサイザーか選べるようになった。
 ・フィールド移動時にダッシュが可能になった。
 ・フィールド移動時にパーティーのメンバーの姿が表示されるようになった。
 ・新たな乗り物モンスターが追加された。
 ・よく使うコマンドを「べんりメニュー」の中に集約した。
 ・戦闘スピードを、「ふつう」「はやい」「超はやい」の三段階から選べるようになった。
 ・通常版『ドラクエ11』では語られなかった、仲間たちの個別ストーリーが追加された。
 ・『ドラクエ11 S』限定の真の裏ボスが追加された。
 ・3DS版『ドラクエ11』にあった、ヨッチ村のクエストが追加された。
 ・3Dモードと2Dモードを随時切り替えられるようになった。
 ・見た目装備品の増加と、装備の見た目だけを変更できる機能が追加された。
 ・旅の思い出を写真に収めることができる「フォトモード」が追加された。
 ・「買い物ができない」「すべての敵が強い」など、お好みの縛りプレイが可能になった。

 旧PS4版『ドラクエ11』から風景描写は少し劣化していますが、心地よくプレイできる数々の追加要素のおかげで、劣化部分はほとんど気になりません。
 『ドラクエ』上級者は、縛りプレイの「すべての敵が強い」でゲームを始めることをオススメします。マホカンタ、マジックバリア、ラリホー、マヌーサといった普通はあまり使わない補助魔法の真価を知ることができますよ。

 今から買うとしたら、2020年12月4日に4,980円の新価格で再販されたゴージャス版『ドラクエ11 S』一択ですね。なお、同日に発売されたPS4版『ドラクエ11 S』とSteam版『ドラクエ11 S』は、グラフィックがスイッチ版『ドラクエ11 S』のものと同じです。
 PS4ユーザーとしては、グラフィックが綺麗な旧PS4版『ドラクエ11』にボイスが追加されるのがベストだったのでしょう。しかしPS4ユーザーが希望していたような、DLCでボイス追加という形は実現しませんでした。

セーニャとベロニカ  ブリジット

■ 過去作の良き思い出を求めて
 『ドラゴンクエスト11』は『ドラクエ』シリーズの集大成的な作品です。過去作で好評だった面白イベント(ぱふぱふ屋の親父、武闘会への参加、子供の名前はトンヌラ、兄弟の価格競争など)が数多く再現され、過去作で使われた名曲がふんだんに取り入れられています。
 作曲担当のすぎやまこういち先生が今年で90歳になられますので、原作者の堀井雄二氏は「これが最後のナンバリングタイトルになるかもしれない」という気持ちで作ったのではないでしょうか。「二番煎じ」「焼き増し」という批判の声が上がるのを覚悟の上で、ファンサービスに徹した作りになっています。特に『ドラクエ3』に思い入れがある人は、『ドラクエ11』を最後までプレイすると涙腺が緩むこと必至です。

 『ドラクエ11』のパーティー構成を見たとき、いちばん不安だったのがオネエキャラのシルビアでした。「このシルビアっていう色物キャラクターは、いくらなんでも『ドラクエ』の世界観に合わないんじゃないかなぁ」と考えてました。
 ところが、このシルビアさん、情に厚くて騎士道精神にあふれたすっげーいい人(笑)。乙女の優しさと剣士の鋭さを兼ね備えた良キャラでした。攻撃力を上げるバイキルトの呪文と、パーティー全員のHPを回復するハッスルダンスの特技を覚えるので、ボス戦では重宝しました。高火力アタッカーのカミュのサポート役にピッタリです。

 鳥山明先生がデザインしたモンスターが、自然な形で3D化されているところも高評価の要因です。複雑な造形をしたライオンヘッドやスカイドラゴンを見て、「ほー、立体になるとこんな姿をしているんだー」と感動しました。『ドラクエ』シリーズに登場するモンスターは、ラストダンジョンにいる強い敵であってもどことなく愛嬌があって微笑ましいですよね。

 3Dモードと2Dモードの切り替えについてですが、3Dモードから2Dモード、または2Dモードから3Dモードに変更した場合、再開ポイントを指定されたリスト一覧から選ぶことになります。再開ポイントの数はストーリーの進行状況によって増えていきますが、シナリオの各章の最初に戻ってしまうため、章を途中までプレイした状況はリセットされます。そのため3DS版『ドラクエ11』で可能だった、この町やこのダンジョンは2Dモードに切り替えてお手軽に探索、という遊び方は、『ドラクエ11 S』では難しくなっています。

 しかし、3Dモードと2Dモードの切り替えによって、疑似的な「強くてニューゲーム」が実装されていると考えることもできます。
 たとえば、3Dモードでストーリーを終盤まで進めて、キャラクターを強化したデータを保存しておき、2Dモードに切り替えする際に最初の再開ポイント「成人の儀式」を選べば、強いキャラクターでストーリーを冒頭から始めることができます。そしてすぐに2Dモードから3Dモードに戻せば(「成人の儀式」のイベントをもう一度最初からやり直す手間はあります)、元の3Dモードで「強くてニューゲーム」を楽しめます。
 残念ながら、「勇者のつるぎ」のようなストーリー上重要なアイテムは消えてしまいますけどね(ストーリーを進めて再入手する必要があるということです)。

 なお、「復活の呪文」を使った簡易的な「強くてニューゲーム」も用意してあります。これはレベルだけを引き継いで、物語の中盤までの再開ポイントからやり直せるシステムです。
 『ドラクエ11』の発表会で、すべての状態を記録したセーブデータを「復活の呪文」方式にした場合、2万字必要になると堀井さんは言っていましたw

アリス  ジャックポット

■ ベロニカは死ぬことにした
 ここからはストーリーの核心部分に触れるため、ネタバレには注意してください

 『ドラクエ11 S』は100点満点で93点以上の良ゲームだと思いますが、不満点も少しあります。不満点その1は、ラスボスを撃破するまでに、世界の各地巡りを実質3周しなければならないことです。
 旅の仲間たちとオーブを集めて、命の大樹で勇者のつるぎを取ろうとするところまでが1周目。離ればなれになった仲間たちを再結集させ、魔王になったウルノーガを倒すところまでが2周目。仲間の一人であったベロニカを生き返らせるために時間を巻き戻して、魔王になる前のウルノーガを倒し、その副作用で生まれた邪神ニズゼルファを倒すところまでが3周目です。完全クリアまでとにかく長い道のりです。
 このことについて「シナリオにボリュームがある」と捉えるのか、「だらだらと引き延ばしている」と捉えるのか、プレイヤーによって意見が分かれるところだと思います。

 時間の巻き戻しについても矛盾があるというか、仲間のカミュが「主人公だけが過去に戻る」というような誤った認識を話すので、話を聞いているプレイヤーも混乱してしまいます。主人公が過去に戻っても、世界線が分岐しているわけではないんですよね。ただ、時間が聖地ラムダ訪問の時点まで巻き戻るだけで、現在の世界にいる仲間たちと永遠に別れるわけでもない。
 しかしそう考えると、エンディングで賢者セニカが勇者ローシュに会うために過去に戻るというのはどういう理屈なのか……。こちらは普通にタイムトラベルをしているように見えましたが……。……んー、まあ、そのあたりの細かいことは堀井さんだけが知っているのでしょう。

 不満点その2は、クリア後の隠しダンジョンに相当する3つの「ネルセンの試練」がコピペダンジョンであること。スーパーファミコン時代の『ドラクエ』作品のときは、ロム容量の問題があってコピペも仕方がないと思いましたが、今の時代にコピペダンジョンを見せられると、「手抜き」と感じてしまいます。

 不満点その3は、3Dモードだとお宝の探索に時間がかかること。新しい町に到着して、一軒一軒訪問して、タンスや樽や壺を調べて、狭い路地裏なんかも丁寧に見て回って、「大体お宝は取り尽くしたかな~」と思って、カミュの「とうぞくのはな」で調べてみると、「どうやら この場所には まだ 11個 お宝がありそうな においがするぜ」と言われました。
 (;゚д゚) ファッ!? と目を疑いましたよ(笑)。マジでお宝の場所が分からん。

 不満点その4は、あぶない水着が全然危なくないこと。いや、もう心底ガッカリですよ。なんですか、この家族連れで海水浴に来たおばちゃんが着ているようなダサい水着は。昔の攻略本に掲載されていたあぶない水着のイラストと、デザインがまるで違うじゃないですか!

 次回作の『ドラゴンクエスト12』は、ぜひCERO Zでお願いします。

妖魔軍王ブギー  ヒノノギ火山の禁足地

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Hollow Knight (PC)

タイトル画面  主人公

■ 健気で儚い虫たちの世界
 メトロイドヴァニアにソウルライクの要素を加えた傑作インディーゲーム『Hollow Knight(ホロウナイト)』。地図を持たずに地下深くへと潜っていく緊張感、近道が開通したときの開放感、自キャラの身体能力が段階的に上昇していく高揚感――これぞメトロイドヴァニアの醍醐味です。本作はこの「三感」をしっかりと押さえています。
 スーファミ時代に『スーパーメトロイド』をプレイしたときのキラキラと輝くような記憶が甦ったと言いますか、ああ、自分はこういうタイプのゲームが大好きなんだなと再認識しました。神ゲー、控えめに表現すると「天使ゲー」ですね。

 2017年2月25日にSteamで発売されてから4回にも及ぶ無料の大型アップデート(「隠された夢」「グリム巡業団」「生命の血」「神を求む者」)を経て、安い価格(Steamでの定価は1,480円)と圧倒的なボリュームが釣り合わない破格のゲームになりました。
 ノーマルエンディングまでの所要時間は30~40時間ほどです。実績解除を目指して収拾要素を100%にしたり、DLCで追加されたボスキャラをすべて撃破しようとするとさらにプレイ時間が延びるでしょう。

 『Hollow Knight』の舞台は、擬人化された虫たちが生活する地下王国の「ハロウネスト」。アリの巣のように地下に広がったダンジョンの構造とゲームの世界観が見事にはまり、光と闇が交差する幻想的な風景が広がっています。アニメのセル画を思わせる手描きの艶やかなグラフィックには終始唸らされました。
 縞模様のマントをまとい、武器の「釘」を携えて旅をしている小さな昆虫が本作の主人公です。特に名前は付けられておらず、性別もオスなのかメスなのかはっきりとは分かりません。LGBTQの活動に対する一つの対策のようなものを感じないでもないですが、まあ、順当に考えて男の子だと思いますけどね。何度か出会うことになるNPCのホーネット(続編として発売予定の『Hollow Knight: Silksong』の主人公)は、言葉遣いや声質から女の子かなと感じました。

 戦闘アクションの完成度はインディーゲームとは思えないほど高く、自キャラを操作しているときの心地良さは極上です。ゲームをスタートした直後の主人公は、マリオのようにフワッと1回ジャンプして、射程が短い剣の釘を振ることしかできませんが、シナリオを進めて未知なるアイテムを集めていくと、その本来の機動力が開花していきます。
 地上や空中で素早く横移動(ダッシュ)することが可能になる「蛾の羽根の衣」、壁キックジャンプが可能になる「カマキリの爪」、二段ジャンプが可能になる「統治者の翼」、この3点セットを身につけることで、忍者のような俊敏性を得ることができます。プロボクサーのモハメド・アリが言った「蝶のように舞い、蜂のように刺す」とは、まさに本作の主人公にぴったりの言葉です(虫だけにね)。

 上突き攻撃、下突き攻撃は最初から可能で、『超魔界村』の主人公アーサーのような、二段ジャンプはできるが攻撃は横方向にしかできない、といったふざけた制約はないです。『超魔界村』の難しさって、ステージの構造や敵キャラの配置云々ではなく、自キャラの動きの悪さに起因していますよね。
 『Hollow Knight』はスティックを傾けたとき、ボタンを押したときのレスポンスが良く、何かに失敗したときは完全に自分の操作ミスだと納得することができます。敵にダメージを与えたときの感触も良く、敵はオレンジ色の体液を出しながらはじけ飛びます。ふぅ~、気持ちいい~。

幻想的な風景  ホーネット

■ 挫折する寸前にクリアできる絶妙な難易度
 前述した「蛾の羽根の衣」や「カマキリの爪」は、取ると永続的に自キャラの能力を上げるアイテムですが、それとは別に、スロットにセットすることで能力を上げる「チャーム」というアイテムが約40種類あります。釘のリーチを伸ばすチャームや移動速度を上げるチャームなど、状況に応じて自分が好きなチャームを休憩所のベンチでセットします。
 ただし、チャームをセットできるスロット数には制限があり、スロット数は最大で11まで増やせます。強いチャームは必要スロット数も多いため、基本的には5~6種類のチャームを組み合わせてセットする形になるでしょう。

 初見プレイでは、マップ上に現在位置を表示するチャーム「放浪者のコンパス」を常に付けておくのがいいと思います。これがないと今どこにいるのか分からなくなりますから。この「放浪者のコンパス」でスロット数を1つ使ってしまうのはもったいない気がしますけどね。
 なお、各エリアのマップは、コーニファーというNPCから購入しないと描写すらされないという鬼仕様です。新しいエリアに入ったら、まずはコーニファーがいる場所を探すことを優先しましょう。鼻歌が聞こえてくる方向に行けば会えますよ。

 『Hollow Knight』のゲームシステムで面白いなと感じたことは、体力(HP)の回復方法です。XboxのコントローラーだとBボタン、PSのコントローラーだと○ボタンを長押しすると、ソウル(MP)を消費して体力(HP)が回復します。ボタンを長押ししている間は無防備になるため、周囲に敵がいない安全な場所で実行しましょう。ボス戦の最中でも体力(HP)の回復は可能ですが、敵の攻撃の合間に素早く行うことが求められます。
 「ハイヴの血」というチャームをセットすると、自動で体力(HP)を徐々に回復してくれますが、このチャームの必要スロット数は4つと多く、他のチャームを減らさなければなりません。どのチャームを付けるのがベストなのか、このあたりは悩みどころですよね。

 各エリアの要所にいるボスキャラは非常に強く、ゴリ押しで釘をブンブン振ってもまず勝てないでしょう。ボス戦では敵の攻撃パターンを学習して、確実に回避をしながらダメージを与えることが重要になります。難易度はかなり高いと思いますが、『デモンズソウル』や『ダークソウル』的な難しさなので、10回ほどチャレンジすればそのうち倒せるのではないでしょうか。『デモンズソウル』や『ダークソウル』と違う点は、ボスキャラの体力メーターがないところです。トドメを刺すまで気を緩めることができないので、最後まで緊迫した戦闘が楽しめます。
 ゲーム終盤で戦うことになる「監視塔の騎士」は別格の強さでした。このボスキャラ6体に対しては、釘ではなく魔法弾(復讐の魂 / シェイドソウル)で攻撃することをオススメします(魔法弾がたくさん撃てるチャームをセットしておきましょう)。最初、倒し方が分からずにここで詰みそうになりましたよ(笑)。

 『Hollow Knight』が「かなり難しい」と言われている理由の一つは、真ラスボスを出現させるために必要なアイテム(白い破片)がある「白い宮殿」の存在だと思います。このエリアは、トゲ、高速ヤリ、回転ノコギリをギリギリで避けながら進む、電流イライラ棒のような激辛ステージです。
 『I Wanna be the Guy』的というか、『Celeste』的というか、『Super Meat Boy』的というか、「うへぇ、メトロイドヴァニアにこういうものは求めていないんだけどなぁ~」とぼやきながら渋々プレイ。クリアまで時間がかかりそうだなと思っていましたが、意外とすんなりクリアすることができました。決してアクションゲームが上手いわけではありません。このゲームの操作性の良さのおかげです。
 でも、続編の『Hollow Knight: Silksong』には、こういうの入れないでね(笑)。

教師モノモン  巡業団の長グリム

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[ 2020/11/23 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

Reventure (PC)

タイトル画面  1年と1日目

■ 100種類のエンディングがあなたを待つ!
 初代『ドラゴンクエスト』(FC)は、マルチエンディングをいち早く導入した画期的なロールプレイングゲームでした。ラスボスの竜王に話しかけると、「もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを ○○○○に やろう。どうじゃ? わしの みかたに なるか?」と言って、プレイヤーを誘惑してきますよね。この「やるやる詐欺」にまんまと騙されてしまうと、画面が黒くなってフリーズ。「闇の世界」をもらう前に竜王に教えてもらった復活の呪文は、「レベル1、装備品なし、所持金0」から始まるゴミパスワードで、「ひでぇなw」と笑った記憶があります。

 今回レビューする『Reventure(レベンチャー)』は、こういった大量のバッドエンディングが存在する、ユニークなアクションアドベンチャーゲームです。エンディングの数は全部で100種類! バカバカしいものから薄笑いを浮かべてしまうものまで(要するにほとんどがギャグ)、小学三年生の男子が授業中に考えたような面白エンディングが多数用意してあります。

 このゲームの主人公は、『ゼルダの伝説』のリンクのような姿をしたティム(ドット絵はかなり粗いですがw)。魔王ダークロードにさらわれたプリンセスを救い出すことがティムに与えられた使命です。
 お城の兵士から話を聞くと、まずは西の山で「伝説の剣」を手に入れる必要があるとのこと。「まあ、武器がなければ冒険は始まらないよね」ということで、自宅から左方面にある西の山へ向かいます。

 西の山の洞窟には老人がいて、ティムに「伝説の剣」を渡そうと待っていました。これは初代『ゼルダの伝説』(FDS)のパロディでしょう。スタート時に「ヒトリデハキケンジャ コレヲ サズケヨウ」と言って剣をくれる老人を思い出します。
 剣を手に入れて、喜び勇んで飛び降りると、下にいた老人に剣先が当たり、彼を殺してしまいました(下右画面参照)。これが#1のエンディング「ティムは危険人物!」です。――おまけに財布を盗んでいるので、強盗殺人罪が成立しますね(笑)。

 こんな具合に、ティムのおふざけ行動によって、次々とバッドエンディングが発生します。何かを行うのではなく、何もしないことで発生するバッドエンディングもあります。まるでプレイヤーの発想力が試されているようです。
 バッドエンディングの状況によって、再スタートしたときにティムの姿が変化するのも面白いですね。たとえば針が全身に刺さって死ぬと、リスポーン時には体が穴だらけになっています(笑)。

伝説の剣  人殺しー

■ プリンセスの救出は通過点にすぎない
 ゲーム内でティムが獲得するアイテムには、「伝説の剣」の他に、「ショベル」、「フックショット」、「バクダン」、「ニワトリ」などがあり、それぞれ重量が設定されています。アイテムを取ることで行動範囲が広がり、今まで行けなかった場所に行けるようになりますが、ティムの体が重くなりジャンプ力が低下します。むやみに所持アイテムを増やしてしまうと、逆に行けなくなる場所が出てくるんですよ。

 『Reventure』には、必要アイテムを持った状態で目的の場所までどうやって行くか、というパズル要素が加味されています。最初はただのバカゲーに見えましたが、アクションの挙動を含めて意外と丁寧に作られているな、という印象を持ちました。
 アイテムの種類からピンと来ると思いますが、本作は基本的に『ゼルダの伝説』のパロディがちりばめられたゲームです。「ニワトリ」を担ぎ上げるとパラシュートになるというギミックは、まさに『ゼルダの伝説』そのもの。また『ゼルダの伝説』以外にも、有名ドット絵ゲーのパロディがたくさん仕込んであります。『ショベルナイト』を意識しているのか、「伝説の剣」の代わりに「ショベル」を持って行っても、兵士は城門を開けてくれました。

 ティムの目的はプリンセスを救い出すこと、と書きましたが、プリンセスを助けてお城に連れて帰るエンディングの通し番号は#51で、全シナリオの中間に位置します。
 実はプリンセスを救うエンディングもバッドエンディングの一つなのです。なぜバッドエンディングになるかというと、城に戻ったプリンセスは暴君になり、圧政を始めるからです(笑)。もう何が正解なのか分からないw

 100あるエンディングのうち、自力で到達できそうなものは70から80くらいでしょうか。救済措置としてエンディングのヒントが書かれた紙切れが所々に落ちていますが、書いてあることが抽象的すぎて、これを見ただけでは打開は難しいですね。時間を無駄にしたくない人は、攻略サイトか攻略動画を見るのが手っ取り早いでしょう。
 プレイした人全員に体験してほしいのが、100番目のエンディング。他の99通りのエンディングをすべて見ると、開かなかったとある扉が開いて最後のエンディング――トゥルーエンディングが始まります。開発スタッフはこのオチがやりたかったのねw 納得、納得、大満足。

 頑張ればファミコンでも実現できそうな、アイディア勝利の良ゲームだと思いました。ドット絵のレトロゲームが好きな人にオススメします。

怪しいプリンセス  ドラゴン

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[ 2020/09/05 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

モアイくん (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーコナミ
・ジャンルパズル
・発売日1990年3月9日
・価格4,800円



■ プチモアイの「プッチー」たちを、救い出せ!
 『グラディウス』や『沙羅曼蛇』など、1980年代のコナミ作品に敵キャラやオブジェとしてたびたび登場していたモアイ。コナミのマスコットキャラクターといえばモアイ、過去にはそういう時代がありました。コナミゲームのBGM作曲を担当していた佐々木嘉則氏がモアイのような風貌をしていたことから、モアイをゲームキャラクターとして出すようになったそうです。どれだけモアイに似ていたのか、佐々木氏の当時の顔写真を見てみたいですね。

 みなさんご承知のように、コナミのモアイの元ネタは、チリ領イースター島にある人面石像です。イースター島の住民たちがなぜモアイ像を作ったのか、その目的は現在でも完全に解明されてはいません。Wikipediaには複数の仮説が書かれていますが、私は祖先崇拝のために建てられたという仮説を聞いたことがあります。

 最大の謎は、モアイ像を石切場からどうやって海岸近くの設置場所まで運んだのか、という点です。YouTubeでは、立たせたモアイ像に三本のロープを引っかけて、大勢の人間の力でバランスを取りながら運んでいる検証動画を見ることができます。しかしこの実験で使用されたのは現代の頑丈なロープです。モアイ像が作られた中世時代、それも絶海の孤島のイースター島にはそんな優秀な道具は存在しなかったはずです。もしタイムマシンがあればタイムトラベルしてみたいスポットの一つですね。

 本作はモアイの「モアイくん」を主人公にしたアクションパズルゲームです。1988年1月に発売された『コナミワイワイワールド』では、「モアイ・アレキサンドリア」という名前のモアイがプレイアブルキャラクターになっていましたが、ついにゲームの主人公に出世しました(拍手)。本作のモアイくんはモアイ族の勇者という設定です。

 ゲームのルールは至ってシンプル。一画面で構成されたステージ内にいるプッチー(モアイ族の子供)をすべて救助(回収)して、扉がある場所にたどり着くとステージクリアです。全56ステージと、ボリュームはまあまあ。画面の右端と左端はつながっていて行き来することができます。昔のゲームあるあるですね。

 操作方法は、十字キーで左右に移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで頭突きです。頭突きで敵を攻撃したり、横方向にあるブロックを破壊することができます。
 ステージにある爆弾を拾うと、Bボタン+十字キーの下で爆弾を設置できます。爆弾は足元のブロックを爆破するときに使います。爆弾はステージ内使い切りで、次のステージに持ち越すことはできません。

ステージ1      ステージ2

■ 「笑点」と「吉本新喜劇」のテーマ曲
 モアイくんのジャンプ力は低く、1マス離れた1マス高い場所までしかジャンプが届きません。最初のステージ1の構造(上左画面参照)が、モアイくんの基礎能力とこのゲームのルールを物語っています。2マス分の高さがある場所に行きたいときは、丸い岩を押して移動させ、足場を作る必要があります。どことなく『フラッピー』と『バベルの塔』の影響を感じるパズルゲームです。

 プッチーたちをすべて救助してから扉に行くことがクリア条件ですから、最後に扉に行けるようにモアイくんが進むルートを考えなければなりません。何も考えず適当にブロックを破壊したり岩を下に落としたりすると、クリア不可能になって詰みます。詰んだ場合はセレクトボタンで「自滅」します。

 序盤のステージは簡単にクリアできますが、中盤以降になるとステージの構造が複雑になり、難易度が上昇します。手順は分かったとしてもモアイくんを攻撃する敵キャラがいるため、タイミングが少し狂うとミスになる場合が出てきます。
 敵キャラは頭突きで排除できますが、一定時間が経過すると同じ場所に復活します。時間制限もあって、ゆっくりと考えさせてくれないんですよ、このパズルゲームは。自力で全ステージをクリアした人は「えらいっ」と思います。

 『モアイくん』を語る上で欠かせないことといえば、このゲームに使用されているBGM。奇数ステージは「笑点」のテーマ曲、偶数ステージは「吉本新喜劇」のテーマ曲が流れます。理由は不明です(笑)。このゲームのプロデューサーはお笑い番組が好きだったのでしょうか。
 権利関係にうるさいコナミが勝手にテレビ番組の曲を使うはずはないので、もちろんJASRACの許可を得て使用していますよ~、……よね? まあ、既存の曲を使うのはいいとして、ラスボスのスカルキングがいる最終ステージくらいはコナミオリジナルのBGMにすべきだったのではないでしょうか。ここでも「吉本新喜劇」のテーマ曲が流れるので脱力しました(笑)。

 なお、このゲームにはステージセレクトの裏技が存在します。タイトル画面でセレクトボタンと十字キーの下を押しながらスタートボタンを押すと、ステージ選択画面に切り替わります。途中のステージからゲームを再開したいときは、この便利な裏技を使いましょう!

ステージ3      ステージ4

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Iconoclasts (PC)

タイトル画面  スタート地点

■ 美しいドット絵は癒やし
 PS4やXbox Oneで発売される最新ゲームは、そのほとんどがフォトリアルな3Dゲームです。実写と見紛うようなグラフィックは確かに「凄い!」と感じますが、「こういう類いの作品は映画とかドラマにしてくれれば楽チンチンなのに」と思うこともあります。ロールプレイングゲームはエンディング到達までに何十時間もかかりますからね。
 『ウィッチャー3』のように、プレイヤーの選択によってストーリーやエンディングが変化するゲームならともかく、誰がプレイしても結末が同じになる完全一本道のレールプレイングゲームは、CGムービーだけで十分じゃないですか?

 今回レビューするソフトは、インディーゲーム開発者のJoakim Sandberg氏が7年の歳月を費やして完成させた、探索型アクションゲーム『Iconoclasts(アイコノクラスツ)』です。数枚のスクリーンショットをご覧いただくと分かるように、キャラクターや背景は緻密なドット絵で描かれています。
 個人制作のインディーゲームといえば、過去にレビュー記事を書いた『Axiom Verge』の出来には感心しましたが、本作はそれと同等かそれ以上の出来映えです。私は3Dゲームよりもこういうドット絵の2Dゲームが好きなんですよ。Steamのストアではいつも「ドット絵」のタグをクリックして、良質なドット絵ゲーを探しています。

 『Axiom Verge』は内容的に『スーパーメトロイド』にかなり近い、典型的なメトロイドヴァニア系のゲームでした。本作にも「メトロイドヴァニア」のタグは付いていますが、探索要素はそこまで強くなく、閉じている扉を開けたり、障害物を取り除いたりするパズル要素を重視した作りになっています。ステージに隠された宝箱を回収する探索要素はあくまでも“おまけ”です。ガチガチのメトロイドヴァニアを期待している人は「求めていたものとは少し違う」と感じるかもしれません。
 ストーリーを進めていくと、中盤以降にワープゾーンが開放され、クリア済みのステージに戻ることができるようになります。取れなかった宝箱は後からでも回収できるので、その点はご安心ください。

 宝箱の中には主人公を強化するためのクラフト用アイテムが入っています。クラフト用アイテムを集めてクラフト台で加工すれば、主人公の能力をアップするカスタムパーツを作ることができます。カスタムパーツの付け替えはセーブポイントで行います。
 カスタムパーツは補助的な性質のものであり、特に付けなくてもクリアは可能です。私は無理に集めなくてもいいかな?と思い、宝箱の回収はやらないままエンディングを迎えました。実績のグローバルデータを見てみると、実績「宝の山」(1度のプレイですべての宝箱を開ける)の取得率は7.8%。意外とやり込んでいる人が多くて驚きました。

ボス戦その1  エージェント

■ 機転と閃きが必要なボス戦
 ゲームの舞台は、「マザー」を頂点とした「ワン・コンサーン」というカルト教団のような組織が人々を支配している世界。本作は枯渇の危機に直面している資源「アイボリー」を管理するワン・コンサーンと、ワン・コンサーンの圧政に抵抗するレジスタンスの争いを描いています。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』のような「ディストピアもの」ですね。
 主人公の女性メカニック・ロビンは、ちょっとした事件によってワン・コンサーンから追われる身となり、殺し屋エージェント・ブラックに命を狙われます。イシルガーの少女ミナ、超能力者ロイヤルといった人々に助けられながら、ロビンはワン・コンサーンに立ち向かうことになります。

 主人公はレジスタンス側――まあ、これはディストピアものの“お約束”ですね。主人公が市民を虐げる体制側だとゲームにならないですから(笑)。『ファイナルファンタジーIV』の主人公セシルも、悪の暗黒騎士の立場から早々に離脱していましたよね。
 ロビンはワン・コンサーンの本拠地に潜入し、そして最後はロケットに乗り込んで月へと行きます。『ファイナルファンタジーIV』を例に出したのは、ストーリー展開が似ているなと感じたためでした。

 ロビンの武器は射撃武器の銃と、打撃武器のレンチ。レンチは仕掛けの歯車を回すときにも使う優れものです。銃には性質が異なる銃弾がいくつか用意されていて、敵によって発射する銃弾を切り替えます。
 攻撃アクション、及びジャンプアクションの操作性は快適でとても遊びやすいです。ジャンプからの踏みつけが若干出しにくいかなと思った以外は、ストレスなくロビンを動かすことができました。本作に対するユーザーの評価が高いのも納得です。

 20体ほどいるボスキャラはバラエティに富んでいて、プレイヤーを飽きさせません。赤く光っている部分を攻撃すれば倒せる、といった単純なボスキャラはおらず、倒すためにはいくつかの手順を踏む必要があります。
 恥ずかしながら私は、ステージの道中で1回、ボス戦で2回、何をどうすべきなのか分からずに詰まってしまい、何度もゲームオーバーになったあげく、YouTubeの動画で答えを見てしまいました。すべて自力でクリアしなかったのは心残りです。

 クリア後に攻略サイトを見てみたら、ミナの好感度が高い場合、ラスボス戦で助けに来てくれるイベントがあると書かれていました。おいらのミナは助けになんか来てくれなかったよ(悲)。

ボス戦その2  ボス戦その3

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[ 2019/12/18 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)
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