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ファイナルファイト2 (SFC)

タイトル画面
・機種スーパーファミコン
・メーカーカプコン
・ジャンルアクション
・発売日1993年5月22日
・価格9,000円



■ 待望の2人同時プレイが可能に!
 スーパーファミコン版『ファイナルファイト』は、ガイの削除と2人同時プレイ不可という劣化部分が気になり、手放しで喜べる作品ではありませんでした。『ファミリーコンピュータマガジン』に掲載された「2人同時プレイができる」という大関級のウソテクは、ゲームファンの願望を如実に反映したものだったと言えます。

 発売元のカプコンも、できることなら2人同時プレイを実装したかったのでしょう。続編の『ファイナルファイト2』のテレビCMは、2人同時プレイが可能になったことをアピールする内容でした。
 前作『ファイナルファイト』のロム容量は8Mbitでしたが、続編の『ファイナルファイト2』は10Mbitと少し増量。これによってプレイアブルキャラクター3人と2人同時プレイが実現しました。やったぜ!
 ちなみに、3作目の『ファイナルファイト タフ』のロム容量は、24Mbitと大きく増加しています。これは『ファイアーエムブレム 紋章の謎』と同じサイズですね。

 本作の敵はマッドギアの残党です。マッドギアの総帥だったベルガーが死んで、組織は崩壊したと思われましたが、奴らの生命力はゴキブリ並に強靱でした。ガイの婚約者のレナ(麗奈)と、レナの父親でガイの師匠である源柳斎を誘拐して、ハガーたちに復讐をしようと企てます。
 2人を誘拐して具体的にどうしようと考えていたのかは不明です。まあ、ゴキブリに知性があると考えるのが間違いでしょう。汚物は消毒あるのみです。

 しかし、ガイの関係者が誘拐されたにもかかわらず、ガイは本作に登場しません。どうやらガイは修行の旅に出ていて、連絡が取れなかったようです。ガイの代わりに第1ステージの香港にやって来たのが、レナの妹のマキ(真紀)です。
 本作のオープニングシーンやエンディングシーンを見ると、家族思いの優しい女性のようで好感度大。ところが『ストリートファイターZERO3↑』で再登場した際には、ヤンキーっぽいがさつな性格に改悪されていました。やめてけろ。

 市長の仕事をほっぽり出してきたハガーも参戦。そしてハガー家に居候していた謎の格闘家カルロス宮本がマキとハガーに協力することになりました。彼は南米出身の日系人だと思われますが、詳しいことは分かりません。
 カルロス宮本は前作のコーディーに近い性能のキャラクターで、マキは前作のガイに近い性能のキャラクターです。扱いやすさで選ぶならカルロス宮本、かわいらしさで選ぶなら当然マキです。

オープニング      キャラクター選択画面

■ ザコ敵は一人一人が別人であるのが理想
 タイトル画面を見ていただくと分かるように、本作は「オブションモード」が付いています。こういう書き方をすると、「えっ? 初代『ファイナルファイト』にはオプションモードが無かったの?」と疑問を持つ人がいると思います。
 実は前作のオプションモードは一種の“隠し要素”になっていました。タイトル画面でLボタンを押しながらスタートボタンを押すと、設定画面に切り替わります(『ファイナルファイト・ガイ』も同じ仕様です)。ここで難易度や残機数の設定を変更することができます。友人からカセットだけを借りてプレイした人は、設定画面があることに気づかなかったのではないでしょうか。

 初代『ファイナルファイト』の設定について言うと、残機数は9人まで増やせましたが、クレジット数(コンティニュー回数)は3回から変更できず、体力を温存しながら進まないとクリアが難しいのは変わらなかったんですよね。
 しかし『ファイナルファイト2』のクレジット数(コンティニュー回数)は、デフォルトで余裕の6回です。さらにコンティニューをしてもステージの最初に戻されることはなく、直前のチェックポイントから始まります。ステージごとに1回ゲームオーバーになったとしても、なんとか全面クリアできる“ゆとり”が生まれました。

 『ファイナルファイト2』には4つの難易度(「イージー」「ノーマル」「ハード」「エキスパート」)があり、難易度を上げると敵の攻撃力や防御力がアップします。本作は難易度によってエンディング内容が変わるため、完全なエンディングを見たい人は、ぜひ「エキスパート」に挑戦してみましょう。一緒に遊んでくれる友人や兄弟がいるなら、2人同時プレイでクリアを目指すのもいいですね。
 なお、2人同時プレイの際に同キャラプレイが可能になる裏技があるので紹介しておきましょう。タイトル画面で、↓↓↑↑→←→←LRと入力して、タイトル画面の背景色が青になったら成功。2Pは色違いのキャラクターになります。

 『ファイナルファイト2』の評価については、前作よりもヌルくなったとか、敵を殴ったときの爽快感が低下したとか、マイナス面を強調する意見が多いように感じます。本作はカプコン内製ではなく外注作品であり、確かに私自身もゲームの芯の部分に違和感を抱くことがありました。なんとなく全体的に単調というか、刺激に乏しい作品であることは否めません。
 最終ステージの日本においても、アンドレ、ブル、ジョニー、マーク、スコットなどの同じ顔ぶれのザコ敵が登場すると、本当にここは日本かな?と思ってしまいますよね(笑)。せめて名前だけでも「田中」とか「佐藤」に変えるべきだったのではないでしょうか。

後ろに春麗      ウォンウォン

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源平討魔伝 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルテーブル
・発売日1988年10月21日
・価格4,900円



■ 何かの手違いでボードゲーム化
 本作はアーケードゲーム『源平討魔伝』をファミコンに移植した作品です。1987年7月に発売されたコナミの『月風魔伝』は、『源平討魔伝』の類似作品でありながらかなり出来が良く、本家ナムコの動向に関心が集まっていました。ゲームファンは“魔伝対決”の行方に注目していたのです。
 しかしナムコが発売したファミコン版『源平討魔伝』は、ゲームファンの期待を大きく裏切る内容でした。パッケージには「コンピュータボードゲーム」の文字が書かれていて、ジャンルを変更したアレンジ移植であることは一目で分かりました。「ナムコはコナミと同じ土俵で戦うことから逃げちゃったのね」と落胆したことを記憶しています。

 ボードゲーム自体は別に嫌いではないんですよ。子供の頃は友人たちと「おばけ屋敷ゲーム」で遊んでいましたからね。でもボードゲームはリアルな盤やカードがある実物だからこそ楽しいんです。一応、本作には日本地図やコマなどの付属品が同梱してありましたが、友人たちが集まったときにテレビ画面でボードゲームをやるかなぁ……普通はやらないよなぁ……。

 本作は1人のソロプレイと2~4人のマルチプレイが可能です。4人プレイの場合、1コンと2コンを交互に持ち替えながら遊ぶことになります。
 参加人数を決めたら、次は名前入力画面へ。『ドラゴンクエスト』のように、ひらがな4文字まで入力可能です。「よりとも」「よしつね」「べんけい」など、敵キャラとして登場する人物の名前は、一部が伏せ字になります。「よりとも」→「○○とも」、「よしつね」→「○○つね」、「べんけい」→「○゛○けい」といった具合です。

 面白いことに「げつふう」と入力すると、これも「○゛○ふう」と伏せ字になります(下右画面参照)。『ハリー・ポッター』の「名前を言ってはいけないあの人」扱いですか(笑)。
 『月風魔伝』が発売されたとき、ナムコの人は『月風魔伝』についてどう思ったのか、そのあたりの裏話が知りたいですね。「パクりやがって」と本気で怒ったのか、それとも「しょうがないなぁ」と苦笑したのか。

 俳優の織田裕二が芸人の山本高広にものまねをされてへそを曲げたように、真似されて怒る人っていますからね。ゲイ疑惑がある人のものまねで、タイソン・ゲイの世界陸上ネタはマズかったのかもw まあ、月風魔は景清さんに一言「真似していいですか?」と確かめるべきだったよね。(´・ω・`)

 ちなみに、敵キャラだけではなくて、卑猥な言葉も伏せ字になります。思いつく限りの卑猥語や差別語を入力してみたところ、「せ●くす」と「お●んこ」の2つが伏せ字になりました。3文字の「ま●こ」だとOKという謎基準です。RTA界隈で人気の名前「ほも」も大丈夫ですよ。

大凶      フィールド画面

■ ボードゲーム=「運ゲー」は当然の話だが…
 このボードゲームの最終目標は、相模の国の「鎌倉」にいる源頼朝を倒すことです。1人プレイの場合、プレイヤーは壇ノ浦周辺の国からスタートして、各地を回りながら鎌倉を目指します
 頼朝と対決する前に、各地に散らばった「三種の神器」(草薙剣・八尺瓊勾玉・八咫鏡)を集める必要がありますが、三種の神器を持つ城主がいる国は、毎回ランダムに変化します。ゲーム冒頭で三種の神器がある国が表示されるので、付属の地図に神器のチップを置いて、目的地を確認しながらプレイしましょう。この三種の神器の初期配置が、ゲームを攻略する上で非常に重要になります。

 敵キャラとの戦闘は、『ドラゴンクエスト』型のコマンドバトル方式になっています(下右画面参照)。直接攻撃の「たたかう」や呪文攻撃の「じゅもん」を選択して敵を攻撃し、敵の体力(ロウソクの数で表示)をゼロにすると勝利します。
 アクションゲームだったアーケード版『源平討魔伝』からの大きな仕様変更です。おそらくこのことを知った時点で、本作に対する興味をなくしてしまった人がいたと思います。完全に別ゲーですからね。

 戦闘終了後は経験値の「徳」と通貨の「銭」を獲得。徳は景清のステータスUPに、銭は景清の体力回復に使います。徳を貯めただけでは景清は強くならないので、神社でレベルアップすることを忘れずに。
 景清のステータスは「剣力」「妖力」「防御力」「機敏さ」の4種類があります。どのステータスを優先して伸ばしていくかは、プレイヤーの自由です。

 さて、ただ景清を強くして敵を倒していくゲームであるなら、普通のロールプレイングゲームと変わりません。このゲームは城主を倒して自分の領地を拡大していくシミュレーション要素もあります。
 問題なのは、敵側である頼朝も国を占領していくこと。景清が国から出入りすると頼朝の領地も拡大しています。運が悪ければ“通常の3倍”のスピードで頼朝が勢力を伸ばしてしまいます。

 頼朝に取られた領地の城主は闇強化され、序盤の段階の景清では到底勝つことができなくなります。もし三種の神器を持つ城主が強くなっていたら、最悪ゲームが詰んでしまう可能性もあり得ます。スムーズに三種の神器を集めて鎌倉に行くことができるか否かは、運次第というわけです。う~ん、とても厳しい。
 普通にプレイするとクリアまで数時間はかかるゲーム内容であるのに、セーブ機能やパスワード機能はなし。ユーザーに対する配慮も『月風魔伝』に負けてしまった作品でありました。

マップ画面      戦闘画面

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OneShot (PC)

タイトル画面      ニコ

■ チャンスは一度きりだ
 語りたいけど、語れない。『OneShot』はそういう特殊なゲームです。このゲームは実際に自分のパソコンでプレイしないと、その価値を理解できません。YouTubeなどに投稿されているプレイ動画を見れば、手っ取り早く内容を知ることはできますが、それは表面的で薄っぺらいものに過ぎないのです。
 文章で書こうとしても同じことで、未プレイの人に『OneShot』の素晴らしさを説明することは難しいと感じます。とにかく事前情報なしでプレイしてほしい――私が言いたいのはこれだけです。よって、ネタバレが嫌な人は、続きを読むことをお控えください。

 ゲームを始めると、薄暗い部屋のベッドで寝ていた少年が目を覚まします。少年の名前はニコ。ネコのような瞳をした可愛らしい男の子です。ショタ好きの紳士・淑女の方なら、別の意味で可愛いとおも……ゲフンゲフン、まあ低次元な話は止めておきましょう。
 部屋のローテーブルの上にはパソコンが置いてあります。ニコがパソコンを起動しようとするとパスワードを要求されました。

 どうにかして部屋の中でパスワードを見つけ出し、ゲーム内のパソコンを起動させると、(ニコがゲーム内で見ている)ポップアップウインドウのテキストが表示されます。「君の『使命』はニコが帰れるように手助けすることだ。そして最も重要なことは…」の後、「チャンスは一度きりだ、******。」というテキストが出てきます。この一文は、プレイヤーのパソコン上のポップアップウインドウに表示されたもので、伏せ字の部分はパソコンのユーザー名になります。

 プレイヤーに直接語りかけてくる人物は誰なのかという疑問は措いておくとして、ここでは「第四の壁」を超える最初の演出が実行されます。メタフィクションの手法をふんだんに取り入れている点が、『OneShot』のセールスポイントです。
 ゲームを進めていくと、パソコンのマイドキュメントの中に、パスワードが書かれたテキストが挿入されたり、デスクトップの背景画面が強制的に変わって、パズルを解くヒントが表示されたり、パソコンゲームならでは仕掛けでプレイヤーを驚かせてくれます。

 滅びようとしている世界を救おうとする主人公のニコと、ニコを操作するプレイヤーは特別な関係です。「操作する」という言い方は語弊があるかもしれません。ニコはプレイヤーの分身ではなく、別人格のリアルな存在として描かれているからです。
 プレイヤーはニコを導く“神”であり、ニコに行動を促すことによって『OneShot』の世界に干渉します。一般的に「第四の壁」を超えるのはフィクション側の登場人物ですが、このゲームでは現実世界のプレイヤーも「第四の壁」を超えます。映画や小説では不可能なことがゲームでは可能なのです。『OneShot』の設定の凄さが少しでも理解してもらえたでしょうか。

ロボット      地図

■ チャンスは一度きりじゃない
 たくさんのNPCが生活している『OneShot』の世界(ワールドマシン)は、プレイヤーのコンピュータ上で実行される宇宙シミュレータによって生成されています。しかしプレイヤーはコンピュータを所有しているだけで、ワールドマシンを作ったわけではなく、プログラムを書いた人物は別にいます。それはNPCがいる世界の人間ではありません。
 そしてワールドマシンは精神的な処理能力を持つ人間が必要になります。それがニコです。ニコもまたNPCがいる世界とは別の世界からやって来た人物です。『OneShot』はこうした複雑な設定の上に成り立っている世界です。

 『OneShot』の世界を救う方法は、世界の中央にある塔に登り、太陽(電球)を元の場所に戻すことです。しかし電球を戻して世界を救うと、ニコはおそらく消えてしまう運命にあります。プレイヤーは物語の最後で、電球を戻すか、それとも電球を砕いてニコを元の世界に戻すか、究極の選択に迫られることになります。
 両方を救うことはできない――そう宣告されると悩んでしまいますよね。ニコと一緒に旅をして、ニコに愛着を抱いたプレイヤーだったら、電球を砕きたくなってしまうのではないでしょうか。

 私はどうしたかというと、心を鬼にして電球を元に戻しました。世界を救いたいと願うニコのセリフがあったからです。太陽が再び輝き、NPCたちが喜ぶエンディングを見ることができましたが、ニコは……。電球を砕いた場合の結末はご自身の目でお確かめください。世界を救うにせよ、ニコを救うにせよ、『OneShot』の物語はここで終了します。

 ……終了するはずでしたが、2017年3月20日に配信された「Solstice」アップデートによって、2周目(裏ルート)に行くことができるようになりました(2周目に行くためには、パソコン上でちょっとした操作が必要です)。つまり本作にタイムループ的な要素が追加されたわけです。
 『OneShot』は「一度きり」というテーマをウリにしていたゲームであるため、このアップデート内容には疑問を持つ人もいるようです。でも、トゥルーエンディングは誰でも見たいと思うじゃないですか。大正解ですよ、このアップデートは。

ペンダント      電球

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[ 2018/10/01 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

ICO (PS2)

タイトル画面
・機種プレイステーション2
・メーカーSCE
・ジャンルアドベンチャー
・発売日2001年12月6日
・価格5,800円



■ この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。
 プレイステーション2の初期に発売され、数多くのプレステユーザーの心に鮮烈な印象を刻み込んだ、SCEの名作ソフト『ICO(イコ)』。本作はゲームデザイナー上田文人の名を世に知らしめた作品として有名です。
 電撃オンラインの「編集部が選ぶPS2名作選」では、27人の編集者たちがそれぞれ15本の名作PS2ソフトを選出していますが、そのうち8人が『ICO』をリストに入れています。PS2ソフトは2900本近くあるにもかかわらず、この支持率ですよ。本作に対する人気の高さが推察できます。

 『ICO』は元々PS用ソフトとして開発が進められましたが、途中でPS2用ソフトに変更されたそうです。仮にPS用ソフトのまま完成していたら、ここまで賞賛されるゲームになっていたのかどうか……まあ、別の世界線の出来事を知ることは誰にもできませんけどね。
 もし拓殖銀行が破綻しなかったら、ハドソンも経営危機に陥ることはなく、高橋名人の頭髪はフサフサのままで、今頃は第4世代のPCエンジン「PC-FX エクストリーム」が発売されて、世界のビデオゲーム業界を席巻していた可能性が……それはないか……

 本作の主人公イコは、頭に角が生えた13歳の少年。村のしきたりにより、イコは海の上に聳える無人の古城に“生け贄”として連れてこられました。生け贄用のカプセルに入れられ、お城の部屋に放置されたイコ。しかしイコを連れてきた神官たちが去った後、地震のような揺れが発生し、イコが入ったカプセルは床に転げ落ちます。運良くカプセルから脱出できたイコは、古城の探索を始めました。

 しばらくして、イコは檻に閉じ込められた少女(ヨルダ)を発見します。イコがヨルダを檻から助け出すと、『ドラクエ』の「あやしいかげ」に似た魔物が出現してヨルダを連れ去ろうとしました。イコは棒を使って必死にその黒い影を追い払います。ヨルダと言葉が通じないイコでしたが、ヨルダと一緒にこの古城から脱出することを決意しました。う~ん、まさに「阿吽の呼吸」ってやつですな。

 このゲームでは、プレイヤーは少年イコを操作して、少女ヨルダを誘導・護衛しながら古城の仕掛けを解いていきます。ボルダリングが得意なイコは、壁やロープをスイスイと登っていくことができますが、ヨルダの身体能力は「体育の成績2」レベルです。たぶん鉄棒の逆上がりもできない、運動オンチの女の子じゃないのかな? ヨルダはイコと同じ経路をたどることができないため、プレイヤーはヨルダが移動できるように扉を開けたり足場を作る必要があります。

 ヨルダの手を握ると、コントローラーの振動機能が働きます。コントローラーがブルブルと震えると、本当に手をつないでいるような感触が得られます。手を引いているヨルダのことを気遣い、走るのを止めて歩くようになった時点で、プレイヤーはすでにゲームの世界に引き込まれているのです。

ヨルダ      イコ

■ 『ICO』をプレイせずして、雰囲気ゲーを語ることなかれ
 『ICO』の舞台は、「いつだかわからない時代の、どこだかわからない場所」。パッケージに描かれた風景(ジョルジョ・デ・キリコの絵画『通りの神秘と憂愁』風のイラスト)を見ると、科学文明が崩壊した後に、生き残った人間たちによって再建された未来の世界に思えますね。巨大な風車がある建物の下に、イコがヨルダの手を引いている姿が小さく描かれていて、実に幻想的です。

 また、このソフトの取扱説明書が絵本風で凝っているんですよ。取扱説明書にはイコとヨルダの物語が書かれていて、その文章の中でさりげなく操作方法やセーブ・ロードのやり方に言及しています。
 ゲームの進行状況をセーブして休みたいときは、古城のあちらこちらに置いてある「石のソファー」に座ります。ただし、イコとヨルダの二人が一緒にいないとセーブできないので注意しましょう。

 『ICO』は「雰囲気ゲーム(雰囲気ゲー)」の代表作として語られることが多いです。雰囲気ゲームとはどんな種類のゲームなのか、特にはっきりとした定義はありませんが、一般的には「神秘的な空間をさまよい歩く」、「ゲーム性よりもアート性を重視」、「HUDのようなゲームを意識させる表示をできる限り排除」などの特徴を持っています。BGMが良ければ、「癒やしゲーム」と言い換えることもできるでしょう。

 雰囲気ゲームは操作キャラクターを包んでいる空間そのものを楽しむ作品が多く、ハマる人はとことんハマる一方で、その世界観が肌に合わない人からはクソゲー扱いされることもあります。
 『LSD』、『風ノ旅ビト』、『ゆめにっき』といった作品が、雰囲気ゲームの例として挙げられるでしょうか。雰囲気ゲームという言葉を罵倒の意味合いで使う人もいるので、不用意に使うのは控えるべき言葉なのかもしれませんが。

 私個人の意見を言わせてもらうと、確かに『ICO』は雰囲気ゲームの要素を備えていますが、アクション要素や謎解き要素もしっかりと作られています。ストーリーや目的が明確である以上、ただの雰囲気ゲームというレッテルは適切ではないでしょう。『ICO』は正真正銘の「アドベンチャーゲーム」なのですよ。

 そういう意味で『ICO』は万人にオススメできるゲームだと思いますが、カメラワークにクセがあって、操作性には若干問題点があります。本作は『バイオハザード コード:ベロニカ』のような「移動カメラ」視点を採用していて、360度自由に周囲を見渡すことはできません。最近のTPS方式のゲームに馴染んだ人だと、操作に戸惑う場面があるかも。

扉開封      セーブポイント

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Newスーパーマリオブラザーズ2 (3DS)

パッケージ画像
・機種ニンテンドー3DS
・メーカー任天堂
・ジャンルアクション
・発売日2012年7月28日
・価格4,800円



■ 今度のマリオは、コインがどっさり!
 『Newスーパーマリオブラザーズ2』(3DS)は、2006年5月にニンテンドーDSで発売された『Newスーパーマリオブラザーズ』の続編です。2009年12月に発売された『Newスーパーマリオブラザーズ Wii』を含めると、『New』シリーズの3作目になります。本作はニンテンドー3DS LL本体と同時発売されました。

 今回もまた、キノコ王国のピーチ姫がクッパ軍団(コクッパ7人衆)にさらわれ、マリオとルイージが助けに行くというストーリーです。冒険の目的なんて他にいくらでも考えつくだろうと思いますが、任天堂はこの定番ネタに固執しているようです。たまにはサラサ・ランドのデイジー姫が誘拐されてもいいんですよ?

 または趣向を変えて、ワリオとワルイージがマリオ兄弟と組んで冒険するという展開はどうでしょうか? 敵もありきたりなクッパ軍団ではなくて、たとえば宇宙からの侵略者とかだったら新鮮味があると思います。『Newスーパーマリオブラザーズ Wii』の操作キャラクターはマリオ、ルイージ、きいろキノピオ、あおキノピオの4人でしたが、私は没個性キャラのキノピオよりもワリオとワルイージを出して欲しかったんですよね。

 本作は『スーパーマリオブラザーズ』シリーズで“刺身のつま”的な存在だった「コイン」をテーマにしています。100枚集めると1UPしてカウント数が0に戻る従来のコイン数とは別に、各コースの最大獲得コイン数やプレイ中に集めた累計獲得コイン数が記録されていきます。
 累計獲得コイン数が100万枚を達成すると、タイトル画面に黄金のマリオ像が出現します。だからどうしたと言われると困りますが、要するに目標を達成した証みたいなものですよ。累計獲得コイン数をカンスト(999万9999枚)させると、黄金のしっぽマリオ像にグレードアップします。

 コインをテーマにしたことにより、コインを出現させるギミックが増えました。頭に被って移動するとコインが湧いて出てくる「ゴールドブロック」、画面上の敵キャラがコインをばらまくようになる「ゴールドリング」、そして新アイテムの「ゴールドフラワー」などです。このゴールドフラワーを取るとマリオが文字通り金色に輝き、巨大なゴールドファイアボールを発射できるようになります。
 ゴールドファイアボールがレンガブロックに当たると、錬金術のようにレンガブロックがコインに変化します。レンガブロックが多い場所ならコインをがっぽり稼げます。通常ステージがいきなり爽快なボーナスステージに変わるところが、本作の特徴と言えるでしょう。


■ コインの役割が変わる
 しっぽマリオに変身する「スーパーこのは」も、前作『Newスーパーマリオブラザーズ』にはなかった新アイテムです。しっぽマリオ状態のときにダッシュしてパワーを貯めると、一定時間空を飛べるようになります。しっぽマリオはファミコンの『スーパーマリオブラザーズ3』以来の久々の登場ですね。
 しっぽマリオはしっぽでメットを攻撃できたり、落下地点を微調整できたり、ファイアマリオよりも便利なんですよね。なぜしっぽが生えると空を飛べるようになるのかは謎のままですが(笑)。

 『スーパーマリオブラザーズ』シリーズでは、コインは残機数を増やす効果があります。100枚集めるとマリオの残機数が1つ増えます。つまりマリオ1人=100コインというレートです。このレートは初代『スーパーマリオブラザーズ』から変化していません。
 キノコ王国も日本のように時代が進むつれて物価が上昇している可能性はありますが、マリオ1人のお値段は据え置き。マリオは鶏卵のような物価の優等生であるのでしょう。

 『スーパーマリオブラザーズ2』(FDS)のような難易度が高い作品においては、コインは1UPキノコと同様にマリオの貴重な供給源でした。土管の中のボーナスステージに入ったら、1枚たりとも残さずにコインをかき集めたものです。
 しかし『New』シリーズになって全体的な難易度が下がり、途中セーブが可能になったことも影響して、残機数はほとんど意味がないものになってしまいました。大量の獲得コインによって残機数がどんどん増える『Newスーパーマリオブラザーズ2』ではそれが顕著です。本作の最大残機数は王冠3つで1110人です。ここまで増やすと落とし穴がマリオの死体で埋まる勢いで死なない限り、ゲームオーバーになることはないですよね。
 ちなみに、たとえ残機数が0になったとしても、「ゲームをつづける」を選べば、残機5人が追加投入されてコンティニューされます。実質的にゲームオーバーなしのゲームです。

 最近のマリオ作品では、コインは「プレイヤーの誘導」に使われることが多くなった気がしますね。コインが並んでいる場所にマリオを移動させると敵に当たらない、つまり安全地帯をコインで表現するとか、隠し通路の入り口をコインで教えるとか、コインの使い方が昔とは変わってきていると思います。
 なお、『スーパーマリオメーカー』の投稿コースで、床が見えない地点にコインの線が伸びている場合、罠である可能性が高いので注意しましょう(笑)。

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ファイナルファイト (SFC)

タイトル画面
・機種スーパーファミコン
・メーカーカプコン
・ジャンルアクション
・発売日1990年12月21日
・価格8,500円



■ SFC版『ファイナルファイト』は妥協の産物
 スーパーファミコンが登場して私が最も期待したことは、アーケードゲームの完全移植でした。7年以上も前に発売された旧式ゲーム機のファミコンでは不可能なことが、最新機種のスーパーファミコンなら実現できるのではないか、と胸をときめかせていたのです。
 PCエンジンに移植されたナムコのアーケードゲームは再現度が高かったですからね。期待が膨らむのも当然のことでした。

 スーパーファミコン本体の発売から1ヶ月後の、1990年12月21日に発売された『ファイナルファイト』。本作はカプコンのスーパーファミコン参入第1弾ソフトです。
 ベルトスクロールアクションの代名詞と言うべき『ファイナルファイト』を家で好きなときに遊べるなんて、感謝感激雨あられ――そう思ったのもつかの間、プレイアブルキャラクターから忍者のガイが削除されていることを知ります。「がーんだな……出鼻をくじかれた

 AC版『ファイナルファイト』は、コーディー、ガイ、ハガーという能力が異なる3人のキャラクターを自由に選択できるところがウリでした。パンチは強いが動きは遅いハガー、パンチは弱いが動きは速いガイ、その中間の能力を持つコーディーと、非常にバランスが良いゲームだったのです。それなのに、容量が足りないからといって、安易にガイを削るとは……マジで……カプコン絶対に許さん……

 さらにSFC版『ファイナルファイト』は「2人同時プレイも不可」という現実を突きつけられ、スーパーファミコンの性能に疑問を抱くようになりました。ロレントがボスとして登場するAC版のステージ4も丸々省略(全6ステージから全5ステージに縮小)。ガイの削除だけでも辛いのに、他にもいろいろとカットされていて酷い(笑)。
 1993年5月に発売された『ファイナルファイト2』(SFC)は、プレイアブルキャラクターが3人で、2人同時プレイも可能です。初代『ファイナルファイト』は、ロムカセットの進化を待って移植するのが賢明だったのかもしれませんね。

 ちなみに、「ガイを出せ」というユーザーの意見が多かったのか、1992年3月にガイを操作できるマイナーチェンジ版の『ファイナルファイト・ガイ』(SFC)が発売されました。しかしこの作品では、ガイが復帰した代わりにコーディーが削除されています。
 ――「違う、そうじゃない。ファンが望んでいたのは、コーディー、ガイ、ハガーの3人が揃った『ファイナルファイト』なんだよ。3人のうち誰が欠けても『ファイナルファイト』は成立しないんだ。カプコンはどうしてこうも無神経なのか……」

 Perfumeからあ~ちゃん、かしゆか、のっちの誰か1人でも脱退したら、それはもうPerfumeじゃないんですよ。すっぱりと解散した方がマシですよ。つまりはそういうことです。

キャラクター選択画面      ダムド

■ メトロシティの地下鉄には樽が置いてある
 ゲームの舞台は、マイク・ハガーが市長を務める超犯罪都市のメトロシティ。メトロシティを拠点とする犯罪組織「マッドギア」は、ハガーの娘ジェシカを誘拐し、ハガー市長を脅迫します。怒り狂ったハガーは、ジェシカの恋人であるコーディー、コーディーのトレーニング仲間のガイと協力して、マッドギアを殲滅することにしました。
 SFC版『ファイナルファイト』は、コーディー&ハガーか、ガイ&ハガーの2つのバージョンしかありませんが、とりあえず3人のキャラクターの概要を書いてみましょう。

コーディー
 マーシャルアーツの達人で喧嘩のプロ。ジェシカと結婚していれば、ハガーの娘婿になるはずだった。しかしこの後に傷害罪で逮捕され、結局ジェシカとは別れてしまう。羽賀研二タイプの稀代のワル。
 刑務所から脱獄してはストリートファイトに興じるすさんだ生活を送っていたが、格闘ゲーム『ストリートファイターV』では、ハガーの後釜として市長の座に就いている。「ムショ帰りの人間が市長になれるわけないだろw カプコンいい加減にしろ!」と思ったが、メトロシティの市長にはこういう人物が適任なのかもしれない。
 ファイト前に「デスクワークは性に合わなくてね」とつぶやいているように、おおよそ真面目な生活とは無縁の性格。再び傷害事件を起こして刑務所に逆戻りするのは時間の問題と思われる。

ガイ
 武神流忍術の伝承者。3人のなかで最も動きが速い。パンチはやや軽いものの、意外とリーチが長くてスキが少ない。初心者にオススメのキャラクターである。
 名前のガイは、漢字では「凱」と書く。訓読みで「とき」とか「やす」とか「よし」と読むこともできるが、おそらく初対面の人は正しく読んでくれないだろう。老婆心ながら男の子に「凱亜(ガイア)」なんてキラキラネームを付けるのは止めるべきだと思う。それは女神の名前だからね……
 ガイは生粋の日本人のはずだが、ゲームでは「アメリカ出身」と表記されることもある。現在、日本国籍なのかアメリカ国籍なのかよく分からない。某国会議員のような二重国籍者の可能性あり。さすが忍者きたない。

ハガー
 アーノルド・シュワルツェネッガーのような肉体派政治家。右方向(→)を向いているときはズボンのベルトを右肩に、左方向(←)を向いているときは左肩に素早く掛け替える変態。警官のエディもマッドギアの幹部であることから分かるように、周囲は敵だらけで警察すら信用できない危機的状況に陥っていた。
 コーディーとガイは格闘ゲームの『ストリートファイター』シリーズに登場しているが、ハガーはこれまで一度も参戦していない。理由については、ザンギエフとキャラが被っているからという説が有力。しかしハガーとザンギエフって、言うほど似ているだろうか?

 ガイ不在に不満を抱きつつも、『ファイナルファイト』を楽しもうとプレイを開始した私は、ある事実に気づき驚愕しました。なんとコンティニュー回数に制限があるのです(たったの3回だけ)。そしてAC版のような「その場復活」ではなく、ステージの最初に戻される「戻り復活」を採用しています。「簡単にクリアさせてたまるか!」というカプコンの意思をビンビンと感じました。
 その結果、ステージ4のボス・アビゲイルを攻略できなかった私は憤死しました。――「この茹でだこ強すぎやろ。何回やっても突破できないんだが」 (´;Д;`)

ポイズン&ロキシー      ソドム

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月風魔伝 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーコナミ
・ジャンルアクション
・発売日1987年7月7日
・価格4,900円



■ コナミ版『源平討魔伝』爆誕!
 ナムコの『源平討魔伝』(AC)が好きだったコナミの開発者が作った、『源平討魔伝』っぽい作風のアクションRPG、それが今回レビューする『月風魔伝(げつふうまでん)』(FC)です。タイトルはもとより、世界観や主人公の風貌などがあまりにも『源平討魔伝』に似ていたため、「これは模倣作品ではないのか?」とゲームファンの間で物議を醸したソフトでありました。

 ゲームの世界では、どこまでが“オマージュ”でどこからが“パクリ”になるのか、線引きが非常に難しいと感じます。ゲームシステム自体を真似ることがパクリに該当するのであれば、『ドクターマリオ』や『ぷよぷよ』は『テトリス』のパクリになりますし、『ゴッドイーター』や『ソウル・サクリファイス』は『モンスターハンター』のパクリになります(もっと遡れば、『モンスターハンター』は『ファンタシースターオンライン』を参考にして作られています)。そうはいうものの、本気でこれらの作品をパクリだと主張する人はほとんどいないですよね。

 もし任天堂以外のゲーム会社が、ヒゲを生やした小太りのおじさんを主人公にして、「ヤッフー」と奇声を発しながらコインを集める横スクロールのアクションゲームを作れば、それは完全にアウトでしょう。しかし主人公を美少女キャラに変えて、コインの代わりに宝石を集めるゲームにすれば、そのゲームが問題視されることはないと思います。

 おそらく一つのジャンルとして確立したゲームを参考にして同じようなゲームを作るのは許されますが、キャラクターのデザインまでもそっくりにして同じようなゲームを作るのはマズいんじゃないかと思います。
 そう考えると、『月風魔伝』はギリギリアウトな作品なんですよね(笑)。『源平討魔伝』の主人公・景清と『月風魔伝』の主人公・月風魔は、「赤毛の長髪」という最大の特徴が一致。これでは言い逃れができませんよ。スターリンと岡田眞澄が生き写しであったように、二人はよく似ています。月風魔の髪型は侍式のポニーテールにしておけば似すぎなかったのに。

 ゲームの舞台は、今からはるか未来の西暦14672年(魔暦元年)の地球。地獄界から地上界に現れた魔王・龍骨鬼によって、地上を統治する月氏三兄弟の長兄と次兄が殺され、三本の霊剣・波動剣も奪われてしまいました。一人生き残った末弟の風魔が、龍骨鬼を倒すべく地獄界を冒険するという内容です。

 『源平討魔伝』との差別化を図るためか、「中世時代の物語じゃないっスよ」と猛烈にアピールしているように見えます。月氏三兄弟は古代中国の北方を支配していた月氏がルーツでしょうか。
 月風魔が主人公のフルネームであることから、タイトルの『月風魔伝』は、「月風↓魔伝↓」と発音するのではなく、「月風魔↑伝↓」と発音するのです。こ↑こ↓重要ポイントですよ。

フィールドマップ      お婆

■ BIGモード再現にかけた秘策とは!?
 1987年7月に『月風魔伝』が発売された時点では、ファミコン版『源平討魔伝』もPCエンジン版『源平討魔伝』もまだ発売されていませんでした。「あ~、家で『源平討魔伝』をプレイしたいなぁ」と煩悶していたゲームファンは、丁度いい“代替物”である『月風魔伝』に飛びつきました。――「本物の『源平討魔伝』じゃないけど、これはこれでいい線いっているゲームだな」と評価がかなり高かったですね。さすがコナミといったところですよ。

 本作は次の3つのモードで構成されています。
フィールドマップ
 見下ろし型の全体マップ画面。迷路のように細い道がくねった構造で、『リンクの冒険』(FDS)の第四神殿がある「迷路島」を思い起こさせる。
 マップにはアクションステージに入る「鳥居」、貴重な情報を教えてくれるお婆がいる「ほこら」、アイテムを購入する「道具屋」などがある。

アクションステージ
 横スクロール型のオーソドックスなアクション面。剣を振り回しながらザコ敵を倒して出口へと進む。足場がない地点に落ちてしまうとミスになるので十分な注意が必要。出現するザコ敵はゲームが進行するにつれて強くなる。

3Dダンジョン
 『ウィザードリィ』のような疑似3Dダンジョンを進む特殊な面。画面下に月風魔の後ろ姿が描かれている。敵と遭遇すると剣戟アクションがスタートする。壁が真っ黒なので進むべき道が分かりにくく迷いやすい。マッピングによる攻略が必須であろう。

 この3つのモードは、『源平討魔伝』の「平面モード」、「横モード」、「BIGモード」に対応していると言えます。コナミの開発者は『源平討魔伝』をファミコンで再現することに拘っていたのでしょう。本来ならナムコがやるべき仕事をコナミがやった――どういうことなの、これ……
 「平面モード」は「フィールドマップ」で再現して、「横モード」は「アクションステージ」で再現するとして、問題は最後の「BIGモード」ですよ。ファミコンではスプライトの制約上、横スクロールのアクション面で巨大なキャラクターを動かすことは無理です。

 そこで考案したのが3Dダンジョンにおける月風魔の巨大化。月風魔は上半身だけの表示とはいえ、大きなキャラクターと大きなキャラクターが戦う「BIGモード」の(雰囲気的な)再現に成功しました。恐るべきコナミの執念です。「真のファミコン版『源平討魔伝』は『月風魔伝』である」と言われる理由がここにあります。

 序盤のゲームバランスはやや厳しめですが、「力」の文字を飛ばすアイテム「守り太鼓」を取ると楽になります。また、「魔性のコマ」というアイテムを取ることで、『メトロイド』の「スクリューアタック」に相当する体当たり攻撃が可能になります。じっくりと月風魔を強化すれば、ラスボス撃破も難しくないでしょう。

アクションステージ      ボス戦

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Dark Souls III - The Fire Fades Edition (PC)

タイトル画面  巨人ヨーム

■ 火の無い灰は、残り火を求める
 世界中で絶大な人気を誇る『ダークソウル』シリーズの完結編『ダークソウル3』。本作は本編とDLCの2本をセットにしたお得な商品です。現在行われているSteamのサマーセール(6月21日~7月5日の期間)では、なんと定価の70%OFFの1749円で購入できます。 「すごい時代になったでしょう。でもそれが、Steamなんだよね
 PC版『ダークソウル3』はフレームレートが60fpsと安定していて、ロード時間も速く非常に快適です。GTX 1060以上のグラフィックボード搭載のゲーミングPCをお持ちの方は、PS4版よりもPC版をオススメします(※PS4 ProでプレイするとPS4版もフレームレートが向上するようです)。

 『ダークソウル3』はシリーズの完結編ということで、前作・前々作の不満点を改善した見事なゲームに仕上がっています。フロム・ソフトウェアの集大成的な作品と言っていいでしょう。『ダークソウル1』と『ダークソウル2』はゲームデザインにところどころ「粗さ」を感じましたが、『3』は徹底的に磨き抜かれています。このレベルの作品には滅多にお目にかかれないですよ。

 個人的にはローリングの性能がアップしている点が嬉しかったですね。キャラクターの動きが軽快になり、操作していて実に楽しいです。『1』と『2』は亀仙人の甲羅を背中に付けているような“鈍重感”がありましたからね。――「そうそう『デモンズソウル』はこんな感じで動いていたんだよ!」と昔を思い出して涙が溢れました(笑)。
 戦闘アクションには「戦技」の要素が追加され、戦い方のバリエーションが増えました。武器や盾の種類によって操作方法は若干異なりますが、基本的には両手持ちのときにL2ボタン長押しで構えの姿勢になります。その状態でR1ボタンまたはR2ボタンを押すことによって、威力が高く特異なモーションの“必殺技”を繰り出すことができます(一撃で倒せるとは言っていない)。

 魔法の仕組みは、回数制からゲージ制(FP制)に変更。この点に関しても『デモンズ』仕様に戻りました。『1』や『2』のような回数制だと、魔法使いキャラは魔法を使い切ると無力化していましたからね。純魔タイプのキャラクターが好きな人には朗報だと思いますよ。
 減ったFP(魔力ゲージ)は「エストの灰瓶」を使用することによって回復することができます。ちなみにHP(体力ゲージ)を回復する通常の「エストの瓶」とはトレードオフの関係にあります。たとえば「エストの瓶」の使用回数を減らして「エストの灰瓶」の使用回数を増やせば、魔法をより多く発射できます。この設定は「火継ぎの祭祀場」にいる鍛冶屋のアンドレイに依頼して行います。何でもできるアンドレイさん、ステキ(笑)。

火継ぎの祭祀場  巨大蟹

■ マップの完成度は高い
 『ダークソウル3』で特に感心したことは、建物の構造と敵キャラの配置ですね。敵キャラをただ増やしてプレイヤーを困らせるのではなく、プレイヤーの視線を想定して的確な位置に適度な数の敵キャラを配置しています。「ここではプレイヤーの視線は右側に伸びる通路に向いているだろうから、左側の角に敵キャラを潜ませておこう」とか、「宝箱を開けるために視線を下に向けるだろうから、天井から敵キャラが落ちてくるようにしよう」とか、注意力散漫なプレイヤーに対して「しまった!」と思わせる巧みな作りになっています。

 休息の場所である篝火の配置も理想的ですね。「そろそろ体力が尽きかけているから休みたいな~」と思った頃に、新しい篝火を発見したときやショートカット用の扉を開けたときの安堵感は格別でした。
 ショートカットでいちばん印象に残った場所は、ゲーム中盤の「深みの聖堂」です。このエリアは入り口の「清拭の小教会」の篝火から出発して、墓地~屋根~聖堂内部と長い旅路の果てに「清拭の小教会」に通じる1つめのショートカット用の扉を開け、さらに奥へと進んで再び「清拭の小教会」に戻り、2つめのショートカット用の扉を開けます。ショートカット用の扉をすべて開けると、ボス戦の場所までのアクセスが容易になります。ここはショートカットの作り方の見本のような構造でした。

 本作はエリアとエリアのつながりも自然だと思います。『1』では光量が多くて明るい「飛竜の谷」のすぐ裏側が夜のように暗い「小ロンド遺跡」だったり、『2』では溶岩地帯にあるはずの「熔鉄城」が空中に浮かんでいたり(笑)、時空が歪んでいるような奇妙なエリアがありました。『3』ではそういった不自然な場所をなくしています。攻略サイトの全体マップを見ると、矛盾がないように各エリアを組み合わせていることが分かります。

 最後に気になった部分を少し言いますと、最初の試練であるボスの「灰の審判者、グンダ」は強すぎでしょう。私は『ダークソウル』シリーズの経験者なので3回目のチャレンジで倒せましたが、初心者だと倒すのにもっと時間がかかるかもしれません。
 先のエリアに進めばさらに強いボスはたくさんいますから、チュートリアルのグンダはバターのように“柔らかく”してもよかったんですよ。第二形態はヘビ花火みたいでヤバいw

 また、NPC関連のイベントが複雑で分かりにくいのも問題があると思いました。放っておくと勝手に死んだり殺されたりするNPCが何人かいるんですよね。NPC関連のイベントを最後まで進めたい人は、攻略本か攻略サイトに頼るしかないのが実状です。

 ロンドールのヨエルよ、お前はどうして死んだんだ?

イチローのポーズ  アノール・ロンド

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[ 2018/06/30 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 (PS2)

タイトル画面
・機種プレイステーション2
・メーカーチュンソフト
・ジャンルノベル
・発売日2006年7月27日
・価格5,800円



■ 男女8人夏物語 in 三日月島
 本作は2002年7月に発売された『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』(PS2)の続編です。タイトルは『3(スリー)』ではなく『×3(トリプル)』となっています。これは前作・前々作のメインシナリオ(ミステリーパート)が収録されていることに加え、探偵役が3人、解き明かす謎も3つという意味が込められています。

 『かまいたちの夜2』のメインシナリオは田中啓文氏が担当していましたが、本作では再び我孫子武丸氏がメインシナリオを執筆しています。我孫子氏へのインタビューによると、不完全燃焼だった『2』のメインシナリオを補足したいという気持ちがあったそうですよ。

 『1』と『2』は大学生の矢島透が主人公で、彼が探偵役になって事件の謎を解いていくという内容でした。『×3』では彼に加えて、会社社長の香山誠一、シュプールの元アルバイト久保田俊夫、OLの北野啓子の4人が主人公になっています。同じ物語を4人の異なる視点から見ていくと、事件の真相が判明します。

 真エンディングを見るためには、プレイヤーは下記のように、①香山誠一編(その1)→ ②矢島透編 → ③久保田俊夫編 → ④北野啓子編 → ⑤香山誠一編(その2)の順番で物語を進める必要があります。

 ①香山は1年前に島で死んだ妻の夏美の霊を弔うため、管理人室で祈祷を始めるが、何者かに頭を殴られ意識を失ってしまう。
 ②透はマスターキーのトリックを解き、香山を襲った犯人を言い当てる。だが、謎が残ったまま物語は終了する。
 ③俊夫は透の推理をさらに推し進め、共犯者を発見する。しかし共犯者が暴れ出し、透は射殺されてしまう。
 ④啓子編で正しいルートを進むと、透の死亡が回避され、香山が意識を取り戻して生き返える。
 ⑤仮死状態となり幽体離脱した香山は、死んだ元妻の夏美の力を借りて、島を支配していた悪霊を退治した。こうして物語は大団円を迎える。

香山さん      地下通路

■ 効果が薄いザッピングシステム
 『×3』ではサウンドノベルゲーム『街』(PS)で好評だった「ザッピングシステム」を導入しています。主人公の1人の選択が他の主人公の行動に影響を与え、新しいルートが発生するという複雑なシステムです。
 ルート分岐は『1』と『2』のような単純なツリー構造ではないため、どの行動がどのルート分岐に影響を及ぼすのか、自力で見つけようとすると時間がかかると思います。バッドエンディングを含めた全エンディングを見る完全攻略を達成したい人は、攻略本か攻略サイトをチェックしながらプレイすることをオススメします。

 本作のザッピングシステムについては否定的な意見が多いみたいですね。『街』のように全く違った物語がいくつも絡み合うのではなく、主人公の4人とも同じ屋敷内にいて同じ出来事を体験しているわけですから、ザッピングシステムとの相性は良いとは言えません。
 食事のシーンなど同じ場面を4回連続で見せられたときは、「う~ん、これは企画倒れじゃないのかなぁ……」と少し疑問を持ちました。まあ、真エンディングは『かまいたちの夜』シリーズを総括する綺麗な終わり方をしていたので、全体的には満足していますが。

 メインシナリオで使われた「鍵の番号プレートを交換するトリック」は、森村誠一氏の代表作『高層の死角』が元ネタですね。『高層の死角』は前半が密室トリック、後半がアリバイトリックを解く本格推理小説です。森村氏はこの作品で第15回江戸川乱歩賞を受賞しました。
 『高層の死角』の場合は、ホテルの3401号室と3402号室の鍵の番号プレートを交換するだけの、シンプルかつ無理のないトリックでした。

 ネタバレになるのでトリックの詳細を書くことは控えますが、『×3』はそこにもう一つトリックを付け加えて「二重トリック」を形成しています。これがかなり偶然に頼りすぎているというか、登場人物の全員が騙されるとは思えないんですよね。部屋割り図を見たらおかしいことにすぐ気づくでしょう?

犯人はどこへ      書き置き

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プロ麻雀 極 NEXT (PS2)

タイトル画面
・機種プレイステーション2
・メーカーアテナ
・ジャンルテーブル
・発売日2000年8月31日
・価格4,800円



■ 実力主義の本格麻雀ゲーム
 実在のプロ雀士との対局が楽しめる麻雀ソフト『極』シリーズのPS2版。『極』シリーズはイカサマなしの守備的な打ち筋がウリで、スーパーファミコン時代から麻雀ファンを魅了してきました。本作のパッケージの裏面には「136牌対象期待値演算」の宣伝文句が書いてあり、いやが上にも期待が膨らみます。「"PlayStation 2"によって初めて現実化された、麻雀思考アルゴリズムの終着点がついに登場!」――言葉の意味はよく分からんが、とにかくすごい自信だ!

 『極』シリーズの特徴としては、「1.CPUの聴牌(テンパイ)が速い」、「2.CPUはプレイヤーになかなか振り込まない」の2点が挙げられると思います。大きな役を狙って廻していると、先に安い役で上がられてしまうことが多いです。
 このCPUの「鉄壁さ」が『極』シリーズの良さであり、欠点でもあります。プレイヤーがCPUに勝とうとすると、どうしても鳴きを多用した断么九(喰い断么)狙いが増えてしまうんですよね。点棒をコツコツと増やす地味な打ち方が嫌いな人には、ストレスが溜まるソフトかもしれません。

 本作のゲームのモードは、打ち筋のセンススコアを獲得して半荘4回を戦い抜く「ゲームスタート」と、「ゲームスタート」で戦った雀士を自由に選択して対局する「フリーゲーム」の2種類。「ゲームスタート」を勝ち進むと新しい雀士が解放される仕組みです。
 「ミスター麻雀」こと小島武夫氏や、「亜空間殺法」で有名な安藤満氏などおなじみのプロ雀士に加え、プロレスラーの武藤敬司氏や漫画家の福本伸行氏といった著名人が対局相手として登場します。マツオカメカトロニクス社製の全自動雀卓が3Dポリゴンで再現されている点もリアル志向でGOODです。

 対局画面は自分の手牌と捨て牌の河が大きく表示される3D視点と、卓上全体が表示されるクラシック視点をL1ボタンでいつでも切り替えることができます。
 リーチ、ツモ、ロン、チー、ポン、カンを行いたい場合は、方向キーの下を押してメニュー画面を開きます。
 CPUの捨て牌が赤く光る場合は、それが手出しした牌(ツモ牌をそのまま捨てるのではなく、手牌から捨てた牌)であることを示しています。CPUが作っている役を読むときの参考になるでしょう。

対局メンバー      対局スタート

■ 抱腹絶倒のセンスシステム
 本作の最大のセールスポイントは、一打ごとにその打牌の良し悪しをソフトが判断してくれる「センスシステム」です。プレイヤーの判断が正しいのか間違っているのか、その打ち筋を点数化して見せてくれるシステムです。私はこの「センスシステム」目当てにソフトを購入しました。

 最良の打牌(正着)を行うと10センスポイントを獲得できます。正着が連続するとコンボ状態になり、コンボ数がボーナスとしてセンスポイントに加算されます。さらにツモってから3秒以内に正着を行うと、センスポイントが1.5倍されます。
 最良の打牌(正着)を続けていくと、プレイヤーを観戦するギャラリーが増えます。ギャラリー数は画面右上の人影で表示され、最大8人まで増えます。逆にセンスポイント0の最悪の打牌(ナンセンス)を行うと、ギャラリーが減ります。ギャラリーが誰もいない状況(DANGER)で局が終了するとゲームオーバーになるので要注意です。

 「ゲームスタート」モードでは、獲得したセンスポイントの合計(センススコア)がクリア条件を満たせば次のステージに進むことができます。センススコアは、対局時のセンスポイントの累計数+順位ボーナス(1位が1500ポイント、2位が1000ポイント、3位が500ポイント)+最終ギャラリー数×対局レベル×100ポイントで算出します。

 勘のいい人はお気づきでしょうが、1位になってもらえるセンスポイントよりも、対局中に獲得するセンスポイントと最終ギャラリー数から算出されるセンスポイントの比重が大きいです。この麻雀ゲームの目的は優勝することではなく、センスを採点するソフトを満足させることなのです。

 ソフトが好きな役は「三色同順」、「一盃口」、「一気通貫」などです。特に三色同順に対するこだわりは異常です。三色同順に必要な牌を序盤に捨てると評価が下がります(笑)。
 ソフトが嫌いな役は「混一色」、「清一色」などの染め手系。混一色に不要な数牌をさっさと捨てると、三色同順にならないからと激おこ。もし捨てた牌がドラだったら激おこぷんぷん丸は必至です。――「なんでやねん! CPUがリーチした後にドラを捨てたくないんじゃああああ! 先にドラを処分してどこが悪いんじゃあああああ!

 1時間ほどプレイするとソフトが正しいと思う手筋を予想できるようになりますが、それで勝てるかどうかは別問題です。センスが良いと判断された捨て牌でロンされると茫然自失。センスを取るか、自分の打ち方を貫くか、すごく胸がモヤモヤしてくるソフトです。

なんでやねん      ギャラリー不在

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ども、ブログ管理人のうどん太郎です。
主にレトロゲームのレビューと関連ゲーム動画の紹介をしています。

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