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ファイナルファンタジータクティクス (PS)

タイトル画面
・機種プレイステーション
・メーカースクウェア
・ジャンルシミュレーション
・発売日1997年6月20日
・価格6,800円



■ 『タクティクス・オウガ』と『ファイナルファンタジー』の邂逅
 『ファイナルファンタジータクティクス』(PS)は、クエストからスクウェアに移籍した松野泰己氏ら『タクティクス・オウガ』(SFC)の元開発スタッフが作り上げた本格シミュレーションRPGです。販売本数は130万本と、このジャンルとしては驚異的な売り上げを記録しています。
 「スーパーファミコンの傑作ソフト『タクティクス・オウガ』をベースにして、『ファイナルファンタジー』シリーズの世界観で味付けした作品なら、絶対面白いに決まってるじゃん!」と、発売前は馥郁とした「約束された神ゲー」の薫りが漂っていました。もちろんこのゲームが発売された頃は、「約束された神ゲー」などという奇妙な表現は生まれていなかったわけですが。

 前評判が異常に高いゲームが実際に神ゲーであった確率は30%くらいだと思います。クロスレビュー40点満点の『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』は“アレ”でしたし、『レッド・デッド・リデンプション2』は発売前に公開された公式プレイ動画を見た限りだと、「どう転んでも神ゲー」と思いましたけどね。実際はいろいろと“面倒臭い”部分が気になるゲームのようです。CD Projekt REDが長期間開発を続けている『サイバーパンク2077』は、発売前からすでに不穏な空気に満ちている気がしないでもない。

 それで『ファイナルファンタジータクティクス』は本当に神ゲーだったのでしょうか?――この結論は後回しにして、まずはストーリーの概要とゲームシステムについて解説したいと思います。

 大国イヴァリースと隣国オルダーリアで争われた戦乱「五十年戦争」は、イヴァリースの事実上の敗北という形で和平が結ばれました。
 五十年戦争の終結から1年後、イヴァリースを統治していた六大統治領の間で内乱が勃発。ガリオンヌ家(統治者ラーグ公)とゼルテニア家(統治者ゴルターナ公)の武力衝突は、その両家の紋章から「獅子戦争」と呼ばれるようになります。
 イヴァリース全土を巻き込んだ獅子戦争を平定したのは、名門ベオルブ家出身の貴族であるラムザ・ベオルブと、彼の親友で平民出身のディリータ・ハイラル。後に英雄として歴史に名を残したディリータと、歴史の闇に消えたラムザ、この2人のメインキャラクターを軸に、物語は展開します。

オープニング      レベルUP

■ 気が遠くなるほど低い確率だがゼロではない。(大嘘)
 本作の戦闘システムは『タクティクス・オウガ』の「ウェイトターンシステム」を受け継いでいます。敵味方の区別なく、「チャージタイム(CT)」ゲージがMAXまで溜まったキャラクター順に行動が可能になります。この順番をアクティブターン(AT)と呼びます。行動をしないでそのまま待機したキャラクターは、次のATが早く回ってきます。
 戦闘マップは『タクティクス・オウガ』と同様に、高さの概念があるクォータービューで表現されています。グラフィックが3Dポリゴンで描かれているため、マップを回転させたり、視点の位置を微調整することができます。

 キャラクターの育成方法は『ファイナルファンタジーV』の「ジョブ&アビリティシステム」を採用。ジョブは「ナイト」、「モンク」、「白魔道士」、「黒魔道士」といったFFシリーズでおなじみのものが用意されています。各種ジョブを経験することで獲得したアビリティは、他のジョブに転職してもセットすることが可能です。ジョブの組み合わせはプレイヤーの自由。白魔法を使えるナイトや、シーフの能力を持った侍など、特徴的なキャラクターを作り出せます。

 と、ここまでは『タクティクス・オウガ』と『ファイナルファンタジー』のいいとこ取りで不満は一切ないんですよ。問題は出撃人数が主人公を含めて最大5人と少ないこと。ゲストユニットを加えても小規模な戦闘です。『タクティクス・オウガ』の場合、出撃人数は最大10人でしたから、明らかにスケールダウンしています。それに合わせたかのように、戦闘マップの広さもスケールダウン。限られた戦力でマップを攻略する詰め将棋をプレイしているような感じがしました。

 本作のゲームデザインを担当した人物は、松野氏たちが口々に「天才」と賞賛するスクウェアの伊藤裕之氏です。伊藤氏は『ファイナルファンタジーIV』の「アクティブタイムバトル(ATB)」や『ファイナルファンタジーV』の「アビリティシステム」を考案したゲームクリエイターで、業界内での評価は非常に高いです。
 松野氏に対するインタビュー記事によると、『ファイナルファンタジータクティクス』のキャラクターには最初6つのパラメーターがあったようですが、伊藤氏の助言でパラメーターを3つに減らしてスッキリさせたそうです。

 その勢いで出撃人数までも減らしてしまったのでしょうか。本作には『タクティクス・オウガ』のシステムを簡略化した弊害が出ていると感じました。『ドラクエIV』の4人パーティから『ドラクエV』の3人パーティになったときの「ガッカリ感」に近いと言いますか、「戦いは数だよ兄貴!」――この名言はシミュレーションRPGにも当てはまると思います。キャラクターの人数が少ないと、シミュレーションRPGの醍醐味である部隊の編制が楽しめません。「神ゲーには届かなかった良ゲー」、私がプレイした際の印象はこうでした。

 なお、レアアイテムの「源氏シリーズ」は絶対に盗むことができないので注意。一部の攻略本に低確率で盗めるような記述がありましたが、これはガセネタです。悪いのは出版社に偽情報を渡したメーカー側なんだよなぁ……。

編成画面      ショップ

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ことばのパズル もじぴったんDS (DS)

パッケージ画像
・機種ニンテンドーDS
・メーカーバンダイナムコ
・ジャンルパズル
・発売日2007年3月15日
・価格2,800円



■ ♪ぴったん たんた もじぴったん♪
 「もじブロック」を組み合わせて言葉を作るパズルゲーム『もじぴったん』。本作は2001年にナムコが発売したアーケードゲーム『ことばのパズル もじぴったん』を、ニンテンドーDSに移植した作品です。タッチスクリーン+タッチペンを使うニンテンドーDSと『もじぴったん』の相性は「バッチグー」(死語)。直感的で素早い操作が可能です。

 各ステージは絵、文字、記号など何かの形を表現したマス目の集合体で作られています。最初に設置してあるひらがなの文字に、もう一つひらがなの文字パネルをくっつけて、意味が通る言葉を作ります。上から下、または左から右に読んだときに日本語(外来語を含む)として成立していることが条件です。大文字と小文字の区別はなく、「や」「ゆ」「よ」などは大文字か小文字かをソフトが自動で判別してくれます。

 言葉はソフトの辞書に入っているものしか認識されませんが、収録語数は10万語以上あるので、日常で使われる言葉はほぼ網羅していると言ってよいでしょう。死語になった昔の流行語や、ナムコ作品に関連した特殊語も収録されています。なお、10年以上前に発売されたソフトであるため、「ユーチューバー」「eスポーツ」「NHKをぶっ壊す」といった新語は辞書に入っていません。

 画面左にはそのステージで使える縦長の文字リスト「えらぶくん」が表示されます。文字リストの内容はステージによって異なり、「あ」~「ん」の50音の場合もあれば、意味がある言葉の羅列の場合もあります。白色の文字パネルは一回のみ使用でき、赤色の文字パネルは何回でも使用できます。

 こうしてルールを説明すると、『もじぴったん』は文字の使用制限があるクロスワードパズルであることが分かります。昔からあるクロスワードパズルをコンピューターゲームにしたところが、ありそうでなかった斬新な発想でした。
 アイディア自体は1980年代くらいからあったと思います。ただ、その頃は国語辞典を丸ごと記憶させておくような媒体(メディア)がなく、実現が難しかったのでしょう。フルコンテンツ型の電子辞書が普及し始めたのは1990年代中頃からで、『もじぴったん』という新しい形のパズルゲームが誕生するためには、技術の進歩を待つ必要がありました。

 ゲームセンターで初めて『もじぴったん』を見たときは、「ナムコは上手いこと考えたな~」と感心しましたね。ゲームデザインはオシャレで可愛らしく、ナウなヤングにバカウケでした(死語)。


■ 必殺連鎖文字「甲州街道(こうしゅうかいどう)」
 『ことばのパズル もじぴったんDS』のステージ数は、全部で420面。これだけでもマンモス級のボリュームなのに、ゲームボーイアドバンス用ソフト『ことばのパズル もじぴったん アドバンス』をDS本体にセットした状態でソフトを起動すると、DS用にアレンジされたゲームボーイアドバンス版のステージが、なんと120面も追加されます。合計で540面のゴジラ級のボリュームに! 1日1面クリアのペースだと、1年と半年は遊べますゾ。「マンモスうれピー」(死語)。

 ステージは「練習ステージ」「初級ステージ」「中級ステージ」「上級ステージ」「ひみつステージ」+「GBA版アレンジステージ」の6種類が用意されています。「どきどきパズル」は制限時間あり、「こつこつパズル」は制限時間なしのステージです。
 各ステージのクリア条件は様々です。「○○○という言葉を○個作れ」「○文字以上の言葉を○個作れ」など細かい条件が設けられています。マス目を文字で全部埋めてもクリア条件を満たしていないとゲームは続行します。この場合は取り消しボタンで文字を消してやり直しましょう。

 このゲームはただクリア条件を満たすだけではなく、さらに高得点を出してクリアすることが求められます。設定された得点を超えると「王冠」をゲット。この「王冠」を200個集めると、「ひみつステージ」が遊べるようになります。高得点を達成するコツは、言葉をなるべく多く連鎖させることです。
 たとえば「甲州街道(こうしゅうかいどう)」という9文字の長い言葉には、他の言葉がいろいろと含まれています。「こうしゅ□かいどう」と文字を並べて、最後□に「う」の文字を入れると、「こうしゅう」「こうしゅうかい」「こうしゅうかいどう」「うしゅう」「しゅう」「しゅうか」「しゅうかい」「しゅうかいどう」「ゆう」「ゆうか」「ゆうかい」「うか」「うかい」と、言葉が次々と生まれて連鎖していきます。

 「甲州街道」という言葉は、空いたマス目が縦か横に9つ並んでいて、「う」が最低でも3回使えるステージしか作れませんが、こうした長くて連鎖しやすい言葉をたくさん憶えておけば攻略が楽になります。日本語の特性として、拗長音を含んだ言葉が候補となるでしょう。「自己紹介(じこしょうかい)」とか「調教師(ちょうきょうし)」といった言葉ですね。「よっこいしょういち」(死語)は辞書になかったです(笑)。

 メインメニューには、1Pプレイの「ひとりでパズル」に加え、2Pプレイの「ふたりで対戦」、雑学を学習する「タッチ図鑑+クイズ」のモードがあります。また「ワードサーチ」を使えば、ソフトの辞書に登録されている言葉を検索することができます。充実のオプション機能です。

 目指せ、最高得点! 目指せ、最適解!

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Shovel Knight: Treasure Trove (PC)

タイトル画面  オープニング

■ ショベルがあれば、何でもできる!
 ショベルを持って戦うユーモラスな騎士「ショベルナイト」を主人公にした、レトロ風味のアクションゲーム『ショベルナイト』。本作はYacht Club Gamesという海外のインディーメーカーが開発した洋ゲーです。
 今時珍しいドット絵(それもかなりの高品質)で表現されたグラフィックは、ファミコン~スーパーファミコン時代のゲームを愛する人々を惹きつけてやまないでしょう。『ロックマン』や『悪魔城ドラキュラ』が三度の飯よりも好き、というレトロゲーマーはもちろんのこと、ポリゴンのキャラクターに慣れ親しんだ若い世代にもオススメできる作品です。

 『ショベルナイト』の類似作品(元ネタ)として『ロックマン』を例に挙げる人が多いですが、ショベルナイトの「ジャンプ下突き」を基本としたアクションは、『わんぱくダック夢冒険』をベースにしていると思います。ホッピングマシンを使ったときのように、下突きした反動で大きく飛び跳ねるアクションを見ると、「あ~なるほど、『わんぱくダック夢冒険』を現代に甦らせたのか」と膝を打ちました。
 海外では『わんぱくダック夢冒険』は人気がありますよね。『ロックマン』と同じくカプコンが開発したゲームで質が良いですし、月面ステージのBGMは屈指の名曲として知られています。

 主人公のショベルナイトに、剣ではなくショベルを持たせた理由は、下突き攻撃を行うことに加えて、土から宝石を掘り出したり、ブロックの床や壁を壊したりするアクションがあるためです。これらのアクションをすべてこなせる武器はショベルのみ。剣、槍、斧、杖、ハンマー、ムチのいずれも不適格です。武器をショベルにしたのは奇を衒ったというよりも、実用を考えた合理的な判断だったのでしょう。

 本作は無印版の『ショベルナイト』(「ショベル・オブ・ホープ」編)に、「プレイグ・オブ・シャドウズ」編と「スペクター・オブ・トーメント」編の2本のDLCをセットにした商品です。「プレイグ・オブ・シャドウズ」編ではプレイグナイト、「スペクター・オブ・トーメント」編ではスペクターナイトを操作します。このプレイグナイトとスペクターナイトは、ショベルナイトとは全く違う能力を持っていて、ステージ構成もそれに合わせて改変されています。
 さらに今年の4月に新しいDLCの配信が予定されていましたが、配信を数ヶ月延期するというニュースがありました。デベロッパーの説明によると、品質を向上するために延期したとのこと。おそらく配信は秋以降になるでしょう。

ドラゴン  町

■ ショベルに誓って、シールドナイトを救い出す!
 ショベルナイトにはかつて一緒に冒険をしていたシールドナイトという盟友がいました。しかしシールドナイトは「運命の塔」で謎の失踪を遂げ、失意のショベルナイトは農業をしながら孤独に暮らしていました。
 英雄の消えた地に現れたのが、邪悪な魔力を持った女帝エンチャントレスとその配下のボクメツ騎士団。「運命の塔」の封印が解かれるのを阻止するため、ショベルナイトはショベルを片手に立ち上がりました。

 このシールドナイトは、なんと女性騎士。ショベルナイトとシールドナイトの2人は、恋人同士のような関係です。オープニングシーンを見ると、シールドナイトはショベルナイトよりも大柄なので、エンディング間近までハンサムな男性騎士だと思い違いをしていました(笑)。シールドナイトが大柄というより、ショベルナイトが小柄なのかもしれませんが。

 プレイヤーはすごろくのようなマップ画面を移動し、好きなマスを選択してアクションステージに進みます(下左画面参照)。マップ画面には休息のための町もあり、ここでアイテムを消費してHPを増強したり、貯めた宝石で武器のショベルや鎧を強化することができます。

 アクションステージは初見殺しのトラップが多く、難易度は少々高めです。私はラスボス撃破までに100回以上ミスをしてしまいました。ミスをすると所持金の一部がドロップし、チェックポイントに戻されて再スタート。ドロップした所持金を回収する前に再びミスをすると、その所持金は完全に消滅してしまいます。『ダークソウル』シリーズのような「死にゲー」の要素があります。
 敵の攻撃でダメージを受けた後の「ノックバック」がキツいですね。『悪魔城ドラキュラ』や『忍者龍剣伝』の難しさを思い出しました。死因の95%はノックバックによる転落死か、トゲに当たっての一撃死です。思わずイラッとしてしまう箇所がいくつかありました。

 ただ、チェックポイントの数は多めなので、やり直しはそれほど苦にならなかったです。何回かミスをして適正なタイミングを学習すれば、難所の突破は十分可能です。激ムズというほどではないのでご安心を。
 チェックポイントを意図的に破壊すると、宝石が大量に出てきます。「チェックポイントなんていらない」という上級者は、チェックポイント破壊による宝石稼ぎをすることができますよ。

 ショベルナイトは動きにもっさり感があり、ショベルのリーチも短く、接近戦型のキャラクターですが、DLCのプレーグナイトとスペクターナイトは操作感が大きく異なります。特にスペクターナイトは高い機動性を誇り、爽快感抜群のキャラクターです。「ショベル・オブ・ホープ」編をクリアしたら、ぜひ「スペクター・オブ・トーメント」編も遊んでみましょう!

マップ画面  ステージ画面

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[ 2019/07/31 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)

星のカービィ (GB)

タイトル画面
・機種ゲームボーイ
・メーカーHAL研究所
・ジャンルアクション
・発売日1992年4月27日
・価格2,800円



■ ピンクで丸いカービィが初登場!
 本作はアクションゲーム『星のカービィ』シリーズの記念すべき第1作目です。『大乱闘スマッシュブラザーズ』で有名な、HAL研究所出身のゲームクリエイター桜井政博氏のデビュー作として知られています。
 『星のカービィ』シリーズは、第1作目がゲームボーイ用ソフト、第2作目の『星のカービィ 夢の泉の物語』がファミコン用ソフトです。そして第3作目の『星のカービィ2』は再びゲームボーイ用ソフトとして発売されました。『2』はシリーズ3作目なのでお間違えなく。

 主人公は子供たちに大人気のキャラクター「カービィ」。ピンク色の丸い体に大きな目と口があり、それに短い手足が生えたかわいらしい姿をしています。人間がかわいいと感じる特徴だけで形作られたような、ある種の“あざとさ”すら感じるキャラクターです。
 あまりにも子供っぽいキャラクターであるため、幼稚園児から小学生くらいまでを対象にしたキッズゲームのように感じるかもしれませんが、いやいやどうして、「見た目は大人、中身は子供」のシャザムみたいなピュアな成人でも楽しめる作品です。

 開発当初は主人公を「ポポポ」という名前にするつもりだったそうです。作品のタイトルも『星のカービィ』ではなく、『ティンクル☆ポポ』になる予定だったとか。しかし、任天堂の宮本茂氏による恒例の「ちゃぶ台返し」があり、発売直前になって作り直しに。その際、タイトルも変更されました。
 もし『ティンクル☆ポポ』のまま発売されていたら、タイトルを略したときに卑猥な響きがする「ティンポ」になりますからね。変更されて良かった(笑)。

 日本人は商品名を3文字か4文字に省略して言うのが常ですから、省略された場合に変な名前にならないか、商品開発者はチェックするのが一般的です。ソニーの「プレイステーション」も、「プレステ」と略されるのは発売前から予想されていて、「プレステ」の「ステ」が「捨て」につながるのは問題ないだろうかと議論になったそうですね。
 『ダークソウル』は略すと「ダクソ」、つまり「駄糞」になります。だから最初は『ダークリング』というタイトルにしようと考えていたのではないでしょうか。
 インターネット上では、『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』のことを「ブスザワ」と略す人がいますが、いや、それは普通に略すと「ブレワイ」でしょう(笑)。

吸い込み      ホバリング

■ 吾輩はカービィである。コピー能力はまだない。
 ゲームの舞台は、地球から遠く離れた小さな星にある、小さな国の「プププランド」。ある日、「デデデ山」のお城に住む「デデデ大王」がプププランドを侵略し、プププランドの食べ物と、秘宝の「きらきらぼし」を盗んでしまいました。
 そこにやって来た旅人が、勇敢な若者・カービィ。人々の苦しみを耳にしたカービィは、食べ物を取り返すためにデデデ山へ向かいました。

 プププやデデデといった奇妙なネーミングは、主人公の名前がポポポであった頃の名残ですね。デデデ大王は、赤いガウンコートを着た、巨大なペンギンのような生き物です。激安の殿堂「ドン・キホーテ」のマスコットキャラクター「ドンペン」によく似ています。
 時系列的には、ドンペンの方が先に誕生しています。するとデデデ大王はパクリキャラ……かどうかは分かりませんが、ドン・キホーテがHAL研究所を訴えたという話は聞いたことがないので、たぶん関係はないのでしょう。

 ステージ数は全部で5つ。最終ステージがデデデ大王がいるデデデ山です。アクションゲームのステージ数は7つくらいあるのが普通ですので、ボリューム的にはやや少なめと言えます。
 それでは物足りないというプレイヤーのために、HAL研究所は「2周目」を用意しています。ゲームクリア後に表示される隠しコマンドを入力すると、難易度が大幅に上昇した「エクストラモード」を遊ぶことができます。このモードのデデデ大王は大人でも苦戦するほど強いですよ~。

 本作のカービィの得意技は、敵やブロックを口から吸い込んで、それを星弾に変えて飛ばす「吸い込み」と、体を膨らませて空中に浮く「ホバリング」の2つです。
 カービィといえば、吸い込んだ敵の性質をコピーする「コピー能力」が有名ですが、初代『星のカービィ』では、コピー能力を使うことはできません。コピー能力のシステムは、第2作目の『星のカービィ 夢の泉の物語』から導入されました。ただし、アイテムに「カレー」というものがあり、それを取ると一定時間、炎を吐くことが可能です。

 『星のカービィ』のカービィには、『スーパーマリオブラザーズ』のマリオにはできないホバリングのアクションがあります。口に何も含んでいないときに十字キーの上を押すと、体が膨らんでふわふわと空中に漂います。ゲームにまだ慣れていない間は、普通のジャンプとホバリングの瞬時の切り替えが難しいと感じました。
 子供向きのゲームに見えて、意外と難しいステージ箇所がある、というのが『星のカービィ』に対する感想です。見た目のかわいらしさに騙されてはいけない(教訓)。

アイテム      ウィスピーウッズ

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ファイナルファンタジーVII インターナショナル (PS)

タイトル画面
・機種プレイステーション
・メーカースクウェア
・ジャンルロールプレイング
・発売日1997年10月2日
・価格6,800円



■ プレイステーションを勝利に導いた歴史的大作
 1997年1月31日に発売されたスクウェアの『ファイナルファンタジーVII』は、プレイステーション最強のキラーソフトとなった作品です。世間では「『ファイナルファンタジー』の新作がプレステで出るなら、まあ本体を買うしかねーよな」といった雰囲気でしたね。

 3つの次世代ゲーム機――任天堂のニンテンドウ64、ソニーのプレイステーション、セガのセガサターン――が出揃った1996年、ゲームファンの多くはどのゲーム機を買うべきなのか迷っていたと思います。CPUの性能はニンテンドウ64が上でしたが、先に発売されていたプレイステーションには、魅力的なソフトが集結しつつありました。
 そこにきて、トドメのキラーソフト『ファイナルファンタジーVII』が降臨(デデーン!)。これでもう勝負ありです。コアゲーマーからライトユーザーまで、雪崩を打ったようにプレイステーションになびいていきました。セガサターンはというと……格闘ゲームの『バーチャファイター2』に興味がない人にとっては、どうしても3番手のゲーム機になりますよね。

 ファミコンとスーパーファミコンのヒットによって、10年以上ゲーム市場を支配していた任天堂が、まさかの失墜。これには三冠馬のナリタブライアンが、秋の天皇賞で惨敗したときのような衝撃を受けました。
 ニンテンドウ64は1年目からソフト不足が顕著でした。四方八方のサードに喧嘩を売っていた山内社長も、内心は「失敗したなあ~」と焦っていたのではないでしょうか。大人気RPGシリーズの『ファイナルファンタジー』を、ライバル機のプレイステーションに奪われてしまったわけですから。

 今回レビューする『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』は、無印版『ファイナルファンタジーVII』に様々な新要素を追加した完全版です。発売日は1997年10月2日。海外版『ファイナルファンタジーVII』をベースにしていることから、「インターナショナル」のタイトルが付きました。
 本作は無印版のセーブデータが使用可能です(逆は不可)。無印版を中古ショップに売り払って、インターナショナル版に買い換えた人もいたと思います。

 インターナショナル版には新しいCGムービー、イベント、武器、ボスキャラ(ルビーウェポン、エメラルドウェポン)が追加され、マテリアの装備に関するUIが改善されるなど、『ファイナルファンタジーVII』の世界をもっと楽しめるように作られています。
 さらに、設定資料集が入った4枚目のCD-ROM「パーフェクトガイド」をプラス。これ以上ない豪華さがウリのソフトです。

オープニング      戦闘シーン

■ 天野FFから野村FFへ転換
 『ファイナルファンタジーVII』はシリーズの転換点となった作品です。ファミコンで3作、スーパーファミコンで3作発売された『ファイナルファンタジー』シリーズは、ゲームの中で「機械」が登場することはありましたが、基本的には中世ファンタジーを基調とした世界観で統一されていました。
 ところが、本作では近未来の世界を思わせる「魔晄都市」からゲームがスタートし、工場やロボットなどのSF要素がふんだんに出てきます。「クリスタル探しはもう飽きた!」と言わんばかりの方向転換です。ドット絵からポリゴンへグラフィック表現が変わったという表面的な違いとは別に、何か“本質的なもの”までも変わってしまったという印象を持ちました。

 キャラクターデザインの担当が、画家の天野喜孝氏からスクウェア所属の野村哲也氏に交代したのも、『ファイナルファンタジー』を変質させた大きな要因だと思います。
 野村氏が描くキャラクターは、ファッション雑誌のモデルたちが着用しているようなチャラチャラとした服を着ていて、極めて現代的。頭髪をスプレーで固めて渋カジでキメた若者が、中世時代のバスターソードを振り回すシーンを見ると違和感MAXです。「神羅カンパニー」の敵兵士たちは銃で戦っているのに、こちらの武器は時代錯誤の大剣。もう、何かがオカシイ。

 『ファイナルファンタジーVII』以降の、シリーズ作品の世界観を一言で表現した言葉が「ノムリッシュ」。近未来的なストーリーや中二病全開の造語は野村氏1人が考えているわけではないのですが、野村氏のデザインが作品全体に影響を与えているのは否定できないと思います。私は『ロード・オブ・ザ・リング』や『ゲーム・オブ・スローンズ』のような王道バリバリの中世ファンタジーが好きなので、『ファイナルファンタジー』もこうした路線を歩んで欲しかったなと残念に思いました。

 しかし、いざゲームを進めてみると、さすがスクウェアが社運を賭けて開発した大作RPG、非常に作り込まれていて面白いです。あらゆる角度から映し出される3Dの戦闘シーンは迫力があり、また、武器の穴にマテリアをはめてアビリティを強化する「マテリアシステム」は、新鮮かつ戦略性の奥深さを感じました。

 ストーリーもよく練られていて、いくつものヤマ場が用意してあります。特に主人公クラウドの過去に関する謎とその真相については、ミステリー小説を読んでいるような驚きを覚えました。登場人物たちの心理描写は細やかで、プレイヤーは仲間となる人々に感情移入をするようになるでしょう。

 多くのゲームファンを虜にした『ファイナルファンタジーVII』が、リメイクでどのような作品に生まれ変わるのか、完成を楽しみにして待ちたいと思います。

イベントシーン      設定画面

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ギャラガ (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルシューティング
・発売日1985年2月15日
・価格4,500円



■ 『ギャラクシアン』にパワーアップ要素を追加!
 『スペースインベーダー』をより遊びやすく改良することで大成功を収めた『ギャラクシアン』。その『ギャラクシアン』の続編として発売されたシューティングゲームが、今回レビューする『ギャラガ』です。アーケード版『ギャラガ』がゲームセンターに登場したのは、1981年9月のことでした。

 タイトルの「ギャラガ」は、「ギャラクシー」と「蛾」を組み合わせた造語であるそうです。ギャラガの敵キャラのデザインは、蛾をモチーフにしています。つまり敵キャラの総称が「ギャラガ」であり、プレイヤー側を意味していた「ギャラクシアン」とは正反対の意味になっています。「ギャラクシアン」が人類で、「ギャラガ」がエイリアン……う~ん、非常に紛らわしい。

 最初の作品がヒットすると続編が作られるのは、ゲームの世界も映画の世界も同じです。しかしながら、続編が必ずしも初代を超えてくるとは限りません。
 ゲームの場合だと、『ドラゴンクエストII』、『天外魔境II』、『MOTHER 2』などは成功した続編に該当すると思いますが、『ドラゴンバスターII』や『俺の屍を越えてゆけ2』のようにファンの期待を裏切った作品もあります。

 映画の場合だと、『エイリアン2』とか『ターミネーター2』は、前作の素材を活かして質・量ともにレベルアップしていましたよね。ジェームズ・キャメロンは優秀な監督だと思います。
 失敗した映画の続編でよく例に挙がる作品は、『スピード2』、『マスク2』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(ジュラシック・パーク2)』などです。『エイリアン3』や『ターミネーター3』のように、3作目でクソ化する映画もあるので、連続で前作を超えるのはかなり難しいのでしょう。

 さて、『ギャラガ』について話を戻しましょう。『ギャラガ』は『ギャラクシアン』を正統進化させた作品です。『ギャラガ』には『ギャラクシアン』にはなかった、自機(ファイター)のパワーアップ要素が追加されました。
 上部に4体いるボスキャラは、こちらに飛来してきた時に「トラクタービーム」を発射する場合があります。トラクタービームに巻き込まれるとファイターは捕獲されてしまいます(下右画面参照)。そしてファイターを付けたボスキャラを撃ち落としてこれを救出すると、2機のファイターが横に連結して「デュアルファイター」に変化します。この状態になると、2発の弾を同時に発射することができます。

 しかし、2機のファイターともに当たり判定があるため、敵の攻撃を喰らいやすくなるという欠点があります。『ギャラガ』のパワーアップ方式には一長一短があり、早くゲームオーバーにさせる罠のような側面も感じました。

ゲームスタート      キャプチャー

■ デュアルファイターで撃ちまくりだ!
 『ギャラガ』は通常ステージを3面クリアするとボーナスステージが始まり、再び通常ステージに戻ります。4面ごとにボーナスステージが繰り返す構造になっています。
 ボーナスステージでは8体の敵の編隊が5回通り過ぎるので、編隊が画面から消える前になるべく多くの敵キャラを撃ち落としましょう。ボーナスステージのみに登場する敵キャラもいます。8体×5回=40体すべての敵キャラを撃ち落とすと、パーフェクトボーナスの10000点を獲得できます。パーフェクトはデュアルファイター状態のときが達成しやすいです。

 スコアが30000点に到達すると自機の数が1UPして、以後スコアが70000点増えるたびに1UPします。残機数は画面右側中央に表示されます。残機数が5つまではファイターマークが増えていき、残機数が6つになると、5つのファイターマークの横に数字の6が表示されます。
 残機数が99を超えると数字が0になりますが、これはきちんと100機と認識されています。以後、残機数は101機、102機と増えています。

 スコアは999999点まで表示され、これを超えると0点に戻ります。その代わりに、数字の下にカンストした印である小さなファイターマークが付きます。カンスト6回までは小さなファイターマークが増えていき、7回目のカンストで「HERO 7」と表示が変わります。
 8回目のカンストで「HERO 8」、9回目のカンストで「HERO 9」、10回目のカンストで「HERO A」、11回目のカンストで「HERO B」となります。

 ステージをクリアすると、画面右下にエンブレムが増えていきます。ステージ5クリアでSエンブレム1個、ステージ10クリアで青エンブレム1個、ステージ20クリアで赤エンブレム1個、ステージ30クリアでイーグルエンブレム1個、ステージ50クリアでVエンブレム1個が表示されます。

 ステージ199まではエンブレムの組み合わせで表示されますが(たとえばステージ190はVエンブレム3個+イーグルエンブレム1個+青エンブレム1個)、ステージ200になると突然「STAGE 200」と赤い文字に変わります。
 アーケード版と同じように、STAGE 255で終了かな?と思いきや、STAGE 999まで表示され、これを超えるとSTAGE 000になります。STAGE 000=ステージ1000、STAGE 001=ステージ1001です。これ以降、ステージ数の表示は999でループするのでしょう。まあ、ここまで延々とプレイする人間はいないと思いますが(笑)。

デュアルファイター      パーフェクト

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タクティクス・オウガ外伝 (GBA)

タイトル画面
・機種ゲームボーイアドバンス
・メーカー任天堂
・ジャンルシミュレーション
・発売日2001年6月21日
・価格4,800円



■ 常に悩み考えろ。生きることは決断の連続だ!
 『タクティクス・オウガ外伝 The Knight of Lodis』(GBA)は、スーパーファミコンの不朽の名作『タクティクス・オウガ』のサイドストーリーを描いた外伝作品です。『タクティクス・オウガ』の時代より少し前、ガリシア大陸北西部に位置するオウィス島で発生した事件について、プレイヤーは体験することになります。本作は販売元の任天堂と開発元のクエストが協力して製作されました。

 これは重大なネタバレになりますが、主人公のアルフォンス・レーエルは、『タクティクス・オウガ』に登場した敵キャラクター、暗黒騎士ランスロット・タルタロスの若い頃の姿です。複数あるエンディングの一つに、彼が暗黒騎士となって終わるものがあります。『タクティクス・オウガ』とのつながりを意識するなら、このエンディングが正史と言えるでしょう。

 『タクティクス・オウガ』との違いで特に目を引く点は、キャラクター単位のターン制「ウェイトターン」から、通常のターン制にゲームシステムが変更されていることです。味方のターンと敵のターンが交互に入れ替わる、大多数の戦略ゲームで採用されているオーソドックスなシステムになっています。
 『タクティクス・オウガ』をプレイ済みの人から見ると、難易度が下がったように感じるかもしれませんが、そうとも言い切れない点があります(後述参照)。『タクティクス・オウガ』をプレイしているような感覚で、1体だけを敵陣に突っ込ませる無謀なやり方は控えるべきです。

 シナリオは夏期、秋期、冬期の三部で構成されていて、最終ステージは26番目のマップ「異界」です。率直に言って、シナリオ後半のボリュームが不足している感は否めませんね。春夏秋冬の四部構成にするのが理想的だったと思います。4分の1ほど欠けているピースがあるような、シナリオの面に関しては少し物足りなさを感じました。
 マップに出撃できるユニット数は最大8体と、10体出撃できた『タクティクス・オウガ』から20%ダウン。マップ数やマップの広さ、戦闘の規模などを総合的に判断すると、本作は簡略版『タクティクス・オウガ』といった作品です。

 携帯ゲーム機のソフトということもあり、本格志向のゲームファンを唸らせる出来とは断言できません。ただし、レアアイテム獲得を目的とした、本編とは別の「探求モード」が用意されています。キャラクター育成の楽しさは、『タクティクス・オウガ』と同じですね。「オウガバトル」シリーズのファンなら、プレイしても損はしないと思います。

ウェスパ丘陵      全体マップ

■ スナップドラゴンで世界に一つだけの剣を作ろう!
 『タクティクス・オウガ』では弓の威力が非常に強く、たとえばアーチャーのアロセールは、レギュラーとして活躍できるほど強力なキャラクターでした。しかし『外伝』では弓の威力が弱体化。さらに言うと、弓だけではなく剣や召喚魔法の威力までも弱体化し、全体的に攻撃力が抑えられています。ザコ敵1体を数人がかりで集中攻撃してやっと倒せるようなゲームバランスです。遠距離攻撃で敵キャラのHPを削っていく安全策が難しくなりました。

 また、補助魔法のペトロクラウドを使って、敵の動きを完全に封じるという、『タクティクス・オウガ』の鉄板攻略法が、本作ではやりにくくなっています。ペトロクラウドやスタンスローターの成功率自体は低くないものの、敵キャラが魔法やアイテムを使ってステータス異常をすぐに回復するのです。石化・麻痺無効のボスキャラまでも部下を回復させるから始末に負えない。こちらが準備不足だと、石化・麻痺→回復、石化・麻痺→回復の「泥仕合」になりやすいです。ザコ敵がドロップするアイテムを全部回収してからボスキャラを倒そうとすると、余計にね……。

 泥仕合を避けるためにも、味方のレベルをトレーニングやランダム戦闘で均一にしておくことが重要です。主人公のアルフォンスのレベルが最も上がりやすいので、全員のレベルを主人公のレベルに合わせておけば、味方の与ダメージが増加し、被ダメージが低下します。
 もっと攻撃力を底上げしたいならば、アイテム「スナップドラゴン」を使用して、一般ユニットを剣に変化させるといいでしょう。スナップドラゴンで作る竜剣は基本攻撃力85と高い威力を誇り、ユニットのパラメーターに応じた補正値が剣の威力に加算されます。おまけに片手剣であるため、2本持つことが可能です。キャラクターを手塩にかけて育てれば、無双キャラ完成も夢ではないですよ。

 シミュレーションRPGの面白さは、何十ものキャラクター(ユニット)を自由に育てることができること、そして育てたキャラクター(ユニット)を自由に編制できること、この2つに集約できます。次のステージ(マップ)に対する攻略方法、アプローチの仕方は、プレイヤーの裁量に任されているわけです。装備品やクラス(職業)の組み合わせを考慮すると、遊び方は数え切れないほどあります。
 ストーリーの中心人物のみで部隊を編制して“王道を征く”のもいいですし、脇役やモンスターを活躍させる“変則プレイ”も乙なものです。編成画面が三度の飯より好きな凝り性の人にオススメできるゲームですね。

選択肢      デネブ

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ギャラクシアン (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルシューティング
・発売日1984年9月7日
・価格4,500円



■ 『スペースインベーダー』に引導を渡した傑作
 ナムコが初めて自社開発したアーケードゲームは、ブロック崩しとピンボールを組み合わせた『ジービー(Gee Bee)』(1978年)という作品でした。その1年後、ナムコは『スペースインベーダー』を大きく改良した、『スペースインベーダー』の完全上位互換と言えるシューティングゲーム『ギャラクシアン』(1979年)を発売します。

 『ギャラクシアン』が登場する少し前の時点で、「インベーダーブーム」は終焉を迎えていたのですが、『スペースインベーダー』を文字通り強制終了させたゲームが、この『ギャラクシアン』でした。ゲーム性が向上した『ギャラクシアン』を一度でも体験してしまうと、『スペースインベーダー』に戻ることはもはや不可能です。
 電球が発明されてからガス灯が急速に廃れていったように、『スペースインベーダー』の筐体はゲームセンターから姿を消していきました。ゲームセンターの片隅に、“記念品”として置かれた1台を除いて。

 『ギャラクシアン』とその翌年に発売された『パックマン』の大成功によって、ナムコはゲーム業界でトップランナーの地位に躍り出ました。ナムコ黄金期の到来です。
 『スペースインベーダー』の改良版が『ギャラクシアン』であり、『ヘッドオン』の改良版が『パックマン』であるため、ナムコがビデオゲームの先駆者とは言い難い面もあります。しかしナムコはアレンジの仕方が抜群に上手かったのです。そのセンスは他のゲーム会社を完全に凌駕していました。

 『スペースインベーダー』と『ギャラクシアン』の決定的な違いは、すばり敵キャラの動きです。『スペースインベーダー』の場合、列になった敵キャラが一段ずつ降りてくるだけでしたが、『ギャラクシアン』では敵キャラ1体1体が個別に動き、こちらを翻弄するようなカーブを描いて飛来してきます。また2~3体の編隊を組んで自キャラに攻撃を仕掛ける敵キャラもいて、プレイヤーにほどよい刺激と緊張感を与えてくれます。

 敵キャラの滑らかな動きは、「スプライト」と呼ばれる新しいグラフィック技術を用いることで可能になりました。アニメーションにおける「セル画」に相当するものがスプライトで、この手法をゲームにいち早く導入したのが『ギャラクシアン』でした。ファミコンのアクションゲームのキャラクターが滑らかに動くのも、このスプライト機能のおかげです。

ゲーム序盤      敵が襲来

■ 裏技で隠しミュージックが聴ける!
 ファミコン版『ギャラクシアン』は、ファミコン初期の1984年9月に発売。ナムコのファミコン参入第1弾ソフトが『ギャラクシアン』です。同じ1984年に、ナムコはアーケードのヒット作品であった『パックマン』、『ゼビウス』、『マッピー』を次々とファミコンに移植しています。これがファミコン人気を加速させた最大の要因でした。任天堂が発売するソフトだけでは、ファミコンの寿命は3~4年で尽きていたかもしれませんね。

 『ギャラクシアン』の敵キャラ「エイリアン」は、昆虫をモチーフにしてデザインされています。『スペースインベーダー』の敵キャラ「インベーダー」は、海の生物をモチーフにしていましたから、違いを出そうとしたのでしょう。
 緑色の「グリーンエイリアン」が下っ端のソルジャーで、紫色の「バイオレットエイリアン」が中間管理職。赤色の「レッドエイリアン」が幹部クラスで、旗艦の「イエローエイリアン」が取締役です。

 エイリアンを迎え撃つ戦闘機の名称は「ギャラクシップ」。タイトルの「ギャラクシアン」はエイリアンの総称ではなく、プレイヤー側を指す言葉です。『パックマン』のボーナスフルーツに「イエローエイリアン」が登場し、それが一般的に「ギャラクシアン」と呼ばれていたため、誤解が生じたようです。
 ちなみに、「ギャラクシアン」の次のボーナスフルーツは「ベル」ですが、「かき氷」と見間違えた人が多かったです。まあ、「ベル」にせよ、「かき氷」にせよ、“フルーツ”じゃないですけど(笑)。

 エイリアンは上で待機しているときに撃墜した場合と、飛来してきたときに撃墜した場合では得点が異なります。得点が高くなるのはもちろん後者です。
 イエローエイリアンがレッドエイリアンを2体連れて飛来してきたときは、得点アップのチャンス。イエローエイリアンを先に撃つと300点、レッドエイリアン2体→イエローエイリアンの順に連続撃破すると800点になります。

 画面右上の赤いフラッグはステージ数を表しています。フラッグが1本だとステージ1。ステージ5まではフラッグが1本ずつ増えていき、ステージ6になるとフラッグの横に数字の6が表示されます。
 数字は99までカウントされ、ステージ100になるとリセットされて、表示がステージ1に戻ります。このゲームは5000点到達時に残機が1機増えるだけで、それ以降のエクステンドはありません。無敵チートなしに、どれだけの人がステージ99まで行けるというのか……。

ミス      ゲームオーバー

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ドクターマリオ (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカー任天堂
・ジャンルパズル
・発売日1990年7月27日
・価格4,900円



■ 医者というより細菌学者
 タイトーが『スペースインベーダー』で大ヒットを飛ばしたとき、他の大小様々なゲーム会社はタイトーに遅れまいと、『スペースインベーダー』を模倣した亜流ゲームを次々と世に送り出しました。
 任天堂も例外ではなく、『スペースインベーダー』をもろにパクったアーケードゲーム『スペースフィーバー』を発売。パクリ作品ではあるものの、これでいくらか“小銭”を稼ぐことができたようです。キャラクターをデザインしたのは若き日の宮本茂氏でした。

 落ち物パズルゲームの元祖である『テトリス』が日本で発売されたときも、これと同じような展開になりました。上から降ってくる物体を移動または回転させ、適切な場所に落とす、という『テトリス』の基本システムを用いた落ち物パズルが、『テトリス』の登場以降、毎年のようにリリースされたのです。
 任天堂の『ドクターマリオ』、セガの『コラムス』、コンパイルの『ぷよぷよ』、コナミの『対戦ぱずるだま』などがその代表格です。このうち、現在でも新作が発売されている作品は、『ドクターマリオ』と『ぷよぷよ』の2本です。『テトリス』フォローのゲームは、この2作品しか生き残らなかった、と言い換えることもできますね。

 故・横井軍平氏の代表作である『ドクターマリオ』は、1990年7月にファミコン版とゲームボーイ版が同時発売されました。ゲームボーイ版『テトリス』の発売は1989年6月でしたから、1年あまりで『テトリス』を応用したゲームを作ったことになります。『テトリス』を触った横井氏の頭脳に、何か閃いたものがあったのでしょう。

 ちなみに、『テトリス』の原作者であるアレクセイ・パジトノフ氏も、『テトリス』以外のパズルゲームを考案していました。ブロックを帽子に変えた『ハットリス』や、チェスの駒をモチーフにした『ナイトムーブ』などです。『ハットリス』はファミコン版が、『ナイトムーブ』はディスクシステム版があります。
 しかし『ハットリス』は『テトリス』の二番煎じにもならないつまらない作品で、『ナイトムーブ』はこれまた微妙すぎる、毒にも薬にもならないパズルゲームでした。

 パジトノフ氏はあれこれと別のゲームを作ってはいますが、『テトリス』のような有名作品は1つも生み出せていません。ゲームクリエイターとしては究極の一発屋(One-hit wonder)です。歌手にたとえるなら、「愛は勝つ」のKAN、「Take On Me」のa-haのような存在です。ただ、その一発が超新星爆発並の特大花火なんだよなぁ~。

設定画面      ゲームスタート

■ ♪僕らはいつも以心伝心♪
 『ドクターマリオ』のゲームシステムは至って簡単。上から落下する6種類のカプセルを操作し、縦または横にウィルスと同じ色を4つ以上並べると、カプセルと接触しているウィルスは消滅します。これを繰り返して、ビンの中のウィルスをすべて消すと1面クリアになります。ね、簡単でしょう?
 消えずに余ったカプセルはそのまま落下。落下したカプセルがウィルスに接触すると、状況次第で連鎖が発生します。カプセルは動くが、ウィルスは固定されたまま動かない――ここが『ドクターマリオ』のポイントですね。

 ウィルスの色は赤・青・黄の三色、カプセルの色もそれに対応して赤・青・黄の三色です。カプセルは2つのブロックがつながった形をしていて、「赤赤」「青青」「黄黄」「赤青」「青赤」「赤黄」「黄赤」「青黄」「黄青」の9パターンがあります。「赤青」と「青赤」、「赤黄」と「黄赤」、「青黄」と「黄青」は回転させると色の組み合わせは同じであるため、カプセルは6種類ということになります。

 なぜウィルスを色の三原色である赤・青・黄で表現しているのか、という点については――うん、まあ、その、何かを暗示しているのかも。
 ゲームボーイ版は画面がモノクロということで、ウィルスとカプセルを黒・白・灰の三色で表現しています。色の識別についてはゲームボーイ版も全く問題ないです。

 私はどちらかと言えば、ゲームボーイ版『ドクターマリオ』を好んでプレイしていました。テレビ画面でプレイするファミコン版よりも、お手軽で遊びやすいことが理由でした。ソフトの値段もゲームボーイ版の方が安かったですしね。
 ゲームボーイ版『ドクターマリオ』はビンの高さがファミコン版よりも1段低く、最高難易度のレベル20がファミコン版よりも難しくなっています。上の隙間が2段分しかないんですよ。スタート直後に少しでもミスをすると、カプセルが天井まで積み上がってゲームオーバー。スピードが「HI」だと、まさに「運ゲー」になります(笑)。

 『ドクターマリオ』は縦のラインだけに気を取られている間は素人、横のラインも上手く消せるようになれば一人前です。安直に縦にカプセルを積み重ねるよりも、横にカプセルを積み重ねた方が、連鎖消しの可能性が増えます。『ぷよぷよ』のように連鎖が続くと実に気持ちいい。今でもプレイすると面白い、中毒性のあるゲームだと思います。

あと少し      エンディング

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Firewatch (PC)

タイトル画面  太陽がまぶしい

■ 森林火災監視王に、おれはなる!
 『Firewatch(ファイアー・ウォッチ)』は、アメリカ・ワイオミング州の自然保護区を舞台にした、1人称視点のミステリーアドベンチャーゲームです。ロッキー山脈中部にあるイエローストーン国立公園を散策しているような気分を味わえます。
 主人公のヘンリーは、森林火災監視員に採用されたアラフォーの男性。1人称視点であるため直接ヘンリーの姿を見ることはできませんが、監視員の山小屋に飾っている自分の写真を見ると、ヒゲもじゃのたくましい容姿をしています。キャプテン・アメリカも逃亡中にヒゲを生やしていたし、アメリカでは今ヒゲづらがトレンドのようです。まあ、このゲームの時代設定は現代ではなく、1980年代ですが。

 ヘンリーにはジュリアという名前の妻がいます。ジュリアは大学の研究者でしたが、不幸なことに若年性認知症を発症。ヘンリーと一緒に生活することが困難になってしまいました。物語の冒頭でジュリアをどうするか選択肢が出てくるものの、介護施設に入れても自宅で介護しても、ジュリアと離ればなれになる結果は変わらず。一体どうすればいいのさ?

 現実逃避をするように、ヘンリーは森林火災監視員の募集に応募します。人里離れた山小屋でたった1人、四六時中火災が発生していないかを監視する過酷な仕事です。しかし、ジュリアのことで心が傷ついたヘンリーにはうってつけの仕事でした。男には孤独になりたいときがあります。家に書斎を作りたがるのもその表れです。

 森の中の山道を進み、監視塔になった山小屋に到着。部屋に入ると、監督官のデリラから無線連絡が届きます。デリラはヘンリーよりも4歳ほど年上の女性で、この仕事を10年以上続けているベテランのようです。
 デリラとはゲーム中で一度も顔を合わせることがありません。無線での会話のみで交流します。デリラはおしゃべりな女性というか、話し好きの性格みたいですね。デリラの質問には選択肢が出現します。ジョークに対してはジョークで返答するのもよし、返答しにくい質問には無視を決め込むのもよし、プレイヤーの気分次第で会話の流れを変えることができます。『Firewatch』のウリがこの会話部分です。

 日本のゲーム会社が作るゲームの主人公は、たいていが10代の少年少女です。本作のようにアラフォー世代の男女が主人公である“枯れた”ゲームはまずないと思います。大人が共感できるゲームが少ないことが、ゲームが幼稚な趣味だと見られる原因の一つではないでしょうか。ゲームの世界は映画のようにもっと多様性があっても良いはず。

監視塔の中  人影

■ 監視している者が監視されていた件
 プレイヤーは無線で話しかけてくるデリラの指示に従い、イベントをクリアすることによって物語を進めます。食物を見つけたり薪を集めたりするサバイバル要素はなく、きちんとした筋がある中篇小説のようなゲームです。エンディングに到達したときの印象をまとめると、ミステリー小説でもホラー小説でもなく、純文学小説といった内容でした。
 IGN Japanのレビュー記事で、クラベ・エスラさんが「ポール・オースターの小説を読んでいる気持ちにさせられる」と書いていますが、上手い表現だなと思いました。オースターの小説は何か劇的な事件が起きるのではなく、新しい環境の中でトラブルに巻き込まれる話が多いんですよね。

 仕事開始1日目、「湖の近くで花火を打ち上げている馬鹿野郎がいる」との連絡を受けて、ヘンリーは花火を止めさせに行きます。「どうせウェーイ系の大学生か田舎のマイルドヤンキーの仕業だろう。あーしんど」と思いながら、現場に急行してみると、犯人は2人組の不良少女。花火に飽きたのか、すっぽんぽんになって湖の中ではしゃいでいます。少女たちに注意すると、「キモい」だの「ウザい」だの「クサい」だのと言って逆ギレ。やれやれ、僕は射精した。

 この珍事件を皮切りにして、ヘンリーの周辺ではおかしなことが発生するようになります。監視塔の窓ガラスを割られて室内が荒らされたり、電話線を切られたり、少女たちの嫌がらせにしては度を越しているように感じます。夜に懐中電灯を持った不審人物も目撃します。
 デリラからの情報によると、あの少女たちは行方不明になって自宅に戻っていないとのこと。「やべえ。レイクサイドで騒いでいる若い女性ほど、ジェイソンを苛立たせる者はいないからな。まさかあの不審人物が……」とぞわぞわする展開に。

 するとデリラはとんでもないことを告白します。「本部には少女たちを目撃していないと報告した」と言うのです。――「アホか、このアル中ババアwww 真実を伝えろやwww 俺が少女たちを襲って殺したように思われるやろwww 無実の罪で死刑にされちゃうwwwww」

 ヘンリーはデリラとの無線通信を盗聴している謎の人物を探すために、金網で封鎖された地域に侵入。発見したテントの中を捜索しているときが恐怖のピークでした。「これ、ゾディアック風の覆面をした男が背後から近づいてきているよねw」とビビって、後ろを何度も振り返りましたよ(笑)。
 前述したように、本作はあくまでも純文学風のシナリオであるため、ネタばらしの部分は拍子抜けしたというか、プレイヤーが驚愕するような結末ではありませんでした。クリアまでのプレイ時間は正味4時間くらいで、定価だと高いと感じるかも。割引セールで500円程度で買えるなら十分オススメできます。

地図を片手に  夕日

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[ 2019/02/17 22:00 ] ゲームレビュー Steam | TB(0) | CM(0)
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