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スペースインベーダー (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカータイトー
・ジャンルシューティング
・発売日1985年4月17日
・価格4,500円



■ ムーンサルトり~みたいな~
 時は1978年、日本全土はスペースインベーダーに侵略された。二等兵のタコ、一等兵のカニ、上等兵のイカで編制されたインベーダー軍団は、ゲームセンターやデパートの屋上や駄菓子屋などに出没し、上から下への卑劣な“圧迫”を開始したのだ。その目的は我々の貴重な資源である白銅(100円玉)を奪うことであった。

 我らがピエロのゲームセンターいがらしは、「炎のゴマ」「ムーンサルトり」「グレートハレー彗星」といった超必殺技を繰り出すも、インベーダーに大苦戦。そこで「エレクトリックダンサー」――ではなく「電子ライター点火装置」を使い、夢の65536クレジットを実現。事なきを得た。しかしゲームセンターの入り口には、「五十嵐お断り」の看板が立てられるのであった……。
 これは『週刊ファミ通』誌上に掲載された、ゲームセンターいがらしの実録マンガである。その後、パックマン子や毛利名人が登場し、さらにハチャメチャな展開になるのだが、続きはwebのgifで。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回レビューするソフトは、アーケードゲーム史上に燦然と輝くシューティングゲーム『スペースインベーダー』、そのファミコン版です。
 この作品の登場によって、アーケードゲームを専門に扱う「ゲームセンター」という遊戯施設が生まれたと言っても過言ではないでしょう。『スペースインベーダー』の爆発的な人気の余波で市中に出回る100円玉が足りなくなり、日本銀行が急遽100円玉を大量鋳造したという逸話は、当時のインベーダーブームの大きさを物語ります。

 しかしファミコン版『スペースインベーダー』が発売されたのは、インベーダーブームがすっかり過去の出来事となっていた1985年4月。『スペースインベーダー』の完全上位互換であるナムコの『ギャラクシアン』や『ギャラガ』、そして革新的な縦スクロール型シューティングゲーム『ゼビウス』のファミコン版がすでに発売されていました。
 ファミコン時代に小学生だった人は、インベーダーブームの頃は幼児かまだ生まれていなかったわけで、そういう世代のユーザーが『ゼビウス』をプレイした後に『スペースインベーダー』を買うかというと、う~ん、正直「イエス」とは言い難い。

 同じ画面固定型の『ギャラクシアン』と比較しても、残念ながら『スペースインベーダー』は地味に感じてしまいます。敵が上から降りてくるだけの『スペースインベーダー』と、敵が編隊を組んで飛んでくる『ギャラクシアン』では、優劣の差は歴然。マクドナルドで普通のハンバーガーとビッグマックが同じ100円だったとしたら、あなたはどちらを選ぶでしょうか? ファミコン版は発売時期が悪かったんですよ。せめて1年早く発売されていたら……。

ゲーム開始      UFO

■ ノーブラボイン撃ち~~~~っ!!
 インベーダーブームは1年ぐらいで沈静化し、1979年11月に“ポストインベーダー”の雄『ギャラクシアン』が登場したことで、『スペースインベーダー』はゲームセンターから姿を消していきました。『スペースインベーダー』の生みの親の西角友宏氏は、ナムコの『ギャラクシアン』を見て「やられた!」と思ったそうですよ。『ギャラクシアン』はスプライト方式でキャラクターを滑らかに動かしていて、『スペースインベーダー』の亜流ゲームの域を超えていましたからね。

 とはいえ、『スペースインベーダー』がビデオゲーム業界に与えたインパクトは絶大であり、その歴史的な価値を疑うことはできないでしょう。『スペースインベーダー』がなければ『ギャラクシアン』や『ギャラガ』も誕生せず、「シューティングゲーム」というジャンルが発生する時期が遅れていたのは確実です。
 私が初めて『スペースインベーダー』を見たときは、「アメリカ製のゲームかな?」と思いましたね。全体的なデザインから何となく洋ゲーっぽく見えたんですよ。タイトーは代理店か何かかなと。日本人が“発明”したことを知ったときは驚きました。

 『スペースインベーダー』は『ブロックくずし』の発展系です。ブロックをインベーダーに、パドル(バー)を砲台に変えたのです。つまりブロックが動く(上から押し潰してくる)『ブロックくずし』というわけです。
 『ブロックくずし』との決定的な違いは、敵であるインベーダーがこちらを攻撃してくること。この一工夫によって『スペースインベーダー』のゲーム性が高まり、プレイヤーはスリルを味わえるようになりました。開発段階では「敵が攻撃しないように変更しろ」と上から圧力もあったようですが、ゲームが下手な人の意見は無視して正解でしたね。

 『スペースインベーダー』の攻略方法といえば、忘れてはならないのが「名古屋撃ち」ですよ。片方のインベーダー軍団を隅のイカだけ1匹残して倒し、もう片方のインベーダー軍団を4~5列残して、最下段に降りてきたインベーダーを、砲台を素早く横移動させて連続撃破するというやり方です。
 ファミコン版『スペースインベーダー』は、インベーダーのドット絵が小さくてやりにくいものの、アーケード版と同じように名古屋撃ちの裏技が可能です。名古屋撃ちは隙間が大きく空いているので、ボーナスキャラのUFOを撃墜しやすいのもメリットですよね。

 名古屋撃ちの語源については、名古屋が発祥の地だとか、これで終わり→尾張→尾張名古屋のシャレから来ているとか、諸説ありますが、どれも確証されていない説です。もしかして、名古屋という名字の人が発見した可能性も微レ存?

UFO撃墜      ミス

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闘いの挽歌 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーカプコン
・ジャンルアクション
・発売日1986年12月24日
・価格5,500円



■ いわゆるひとつの盾ゲー
 アーケード版『魔界村』でゲームファンを虜にしたカプコンが、新しい横スクロール型のアクションゲームを出してきた! タイトルは『闘いの挽歌』。「挽歌(ばんか)」って一体何だ?と思いながら、ゲームセンターに登場した新しい筐体をのぞき込むと、そこには剣と盾を持った勇ましい戦士の姿が! 重低音がビンビン響くBGMもメチャクチャかっこいい! ファミコンで発売されたらじっくりプレイしたいぜ、と期待で胸を膨らませたゲームでした。

 で、1986年の年末に発売されたファミコン版『闘いの挽歌』。「剣で敵キャラを切り刻んで挽肉にしてやるぞー!(挽歌だけにね)」とワクワクしながらファミコンの電源をスイッチオン。しかし15分ほどプレイすると、ある種の違和感が私を襲いました。「……なんか、全体的にショボくなってない?」――ファミコン版『魔界村』も相当な“アレ”でしたけど、こうもアーケード版との違いを見せられると悲しくなってしまいます。(´・ω・`)

 ゲームの舞台は、核戦争によって荒廃した『北斗の拳』的な世紀末の世界。拳王ならぬ剣王アキレスの恐怖政治によって、人々は怯えながら暮らしていました。戦闘のプロである主人公のリュウは、アキレス率いる悪の軍団に立ち向かいます。
 カプコンの「リュウ」といえば、『ストリートファイター』シリーズの主人公リュウを思い浮かべますが、『闘いの挽歌』のリュウが1年先輩です。

 『闘いの挽歌』のアクションで特徴的な点は、敵の攻撃を防ぐ「盾」を標準装備していることです。それまでのアクションゲームは、敵を攻撃するか敵の攻撃を避けるかの二者択一でしたから、敵の攻撃を受け止める「盾」をアクションに組み入れたところに新しさを感じました。いわゆる「盾ゲー」の走りです。『闘いの挽歌』と同時期に発売されたタイトーの『黄金の城』も、盾をフィーチャーしたアーケードゲームでした。

 「盾ゲーには名作が多い」とゲームファンの間では言われています。『デモンズソウル』や『ダークソウル』シリーズは説明するまでもないでしょうし、『ゼルダの伝説』シリーズは初代から盾の重要性を意識させる作りになっていました。少し意味は異なりますが、『風来のシレン』シリーズも盾の強さが冒険の成否を決めるため「盾ゲー」と呼ばれています。

マップ画面      地上

■ 悪はオレが裁く!!
 ステージ1は廃墟の街で、ステージ2は岩山。ここまでは横スクロールのステージです。次のステージ3になるとエレベーターでどんどん下に降りていきます。ステージ4は壊れたビルの中を右に進み、ステージ5はマンホールか換気口かよく分からない穴に入って再び下へと降りていきます。どうやら敵のアジトは地中深くにあるようです。山を登っていく『魔界村』とは逆のステージ構成ですね。
 アーケード版『闘いの挽歌』は『魔界村』と同じく2周制のゲームでした。ファミコン版『闘いの挽歌』はユーザーフレンドリーになって、1周だけクリアすればOK。ステージ6のボス・剣王アキレスを倒すとエンディングです。

 レベルダウンしたグラフィックとチープになったBGMのせいで最初の印象が良くなかった本作ですが、アクションゲームとしては佳作の出来です。
 アーケード版にはなかったパワーアップアイテムが追加され、自キャラが強化状態だと多少のゴリ押しも可能。敵キャラの攻撃力や攻撃パターンも抑え気味で、アクションが苦手な人でもそれなりに先に進めます。ボス戦でのコツをつかめば、全面クリアも十分可能なゲームだと思います。

 先に「盾ゲー」と言いましたが、本作は敵から特定の攻撃を受けると、剣と盾を落として「素手」になってしまう場合があります。しかしリュウは戦闘のプロ。武器がなくてもパンチやキックで戦うことができます。圧倒的な膂力によってボスキャラをボコボコにすると、気分はもう『ファイナルファイト』。――「そういうゲームじゃねえからこれ!

 ファミコン版『闘いの挽歌』には、おまけの「V.S GAME」モードが付いています。これは格闘ゲームのような1対1の対人戦を楽しめるモードです。1Pはリュウ、2Pはグラフィック違いの同性能キャラを操作して戦います。
 これが熱い! 友人たちが集まったときは、この対戦モードで盛り上がりました。こういうのが元になって、格闘ゲームの『ストリートファイター』が誕生したわけですね~(しみじみ)。

地下      中ボス

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妖怪道中記 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルアクション
・発売日1988年6月24日
・価格4,900円



■ たろすけ地獄を往く。
 漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を意識したと思われる「妖怪もの」のアクションゲーム『妖怪道中記』(FC)。1987年4月に原作のアーケード版が登場し、1988年2月にPCエンジン版が、同年6月にファミコン版が発売されました。

 家庭用ゲーム機で発売された『妖怪道中記』については、古参のゲームファンならPCエンジン版を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ナムコのPCエンジン参入第1弾ソフトが、この『妖怪道中記』でした。
 PCエンジン版『妖怪道中記』はグラフィックがアーケード版に近く、ゲーム雑誌でスクリーンショットを見ただけでワクワクしたことを憶えています。「PCエンジン本体を持っていたら、絶対に買うのになあ~」と羨ましくなりましたよ。「ゲーセンの人気作品を遊べるPCエンジンすごい、時代遅れのファミコンしょぼい」――『R-TYPE』の衝撃もあって、発売当時はそう思わざるを得ない状況でした。

 PCエンジン版の発売から4ヶ月遅れて発売されたファミコン版の『妖怪道中記』。グラフィックの色合いが全体的にくすんだ感じになり、地味になった印象はあるものの、移植の出来は上々です。アーケード版やPCエンジン版で不評だった理不尽な箇所が緩和され、比較的遊びやすくなっています。
 『ドラゴンスピリット』、『パックランド』、『源平討魔伝』などのナムコ作品は、明らかにファミコン版よりもPCエンジン版が高品質だと思いますが、そのなかで『妖怪道中記』はかなり健闘しているといえるでしょう。

 主人公のたろすけは、いたずら好きのスケベ少年。のぞきの常習犯かな? いたずらで村の人を困らせていたたろすけは、神様からお灸を据えられ、罰として地獄巡りをすることになってしまいました。ナムコの作品らしく、舞台は地獄なのにどこか明るいムードが漂うゲームです。

 ファミコン版独自の要素として、たろすけには「PIOUS(パイアス)」という信仰心を表す数値が設定されました。ゲーム内の行動によってPIOUSの数値が上下。これによりクリア時のエンディングが変化します。
 エンディングの種類は下から「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」「人間界」「天界」の5種類。さらにファミコン版では「天界」より上位の「げえむ界」エンドが用意してあります。

地獄入口      丁半博打

■ 輪廻界では殺生は厳禁
 たろすけが冒険するステージは、「地獄入口」「苦行の道」「幽海」「裁きの谷」「輪廻界」の5つ。第2ステージの「苦行の道」からお店(よろず屋)が登場し、貯めたお金でアイテムを購入することができます。
 地獄の沙汰も金次第といいますが、ステージをクリアしても体力が回復しない『妖怪道中記』では、よろず屋が販売している回復アイテム(妖怪汁や地獄丼)が特に重要になります。お金でアイテムを買うというシステム自体、当時のアクションゲームでは珍しくて新鮮でした。

 『妖怪道中記』は簡単そうに見えて実際は難しいゲームだと思います。第3ステージの「幽界」までは慣れれば楽しくプレイできますが、第4ステージの「裁きの谷」に入ると難易度が上昇。針山や溶岩だらけのシビアな地形には心が折られます。三途の川を渡るためにはこんなに苦労をしなければならないのでしょうか……。
 そうは言ってもファミコン版はまだマシで、永久パターン防止キャラの「地獄火」が次々と現れるアーケード版は鬼畜の難易度です。ゲーム序盤の“のほほん”とした雰囲気に騙されたプレイヤーはコインを吸い取られました。

 プレイヤーを最も苦しめた関門が、ラストステージの「輪廻界」です。最上級のベストエンディングを見るためには、お金が入った袋を1つも取らず、敵キャラを1匹も倒さないで神様のところに到達しなければならないのです。金袋の配置が嫌らしすぎて、開発スタッフの悪意さえ感じます。
 『ゲームセンターCX』でPCエンジン版をプレイしていた有野課長は、エンディング条件のことを知らずに「餓鬼界」エンドでフィニッシュ。最後はぽか~んとした表情を浮かべていました(笑)。せっかく頑張って全面クリアしたのに、「餓鬼界」や「畜生界」で終わったらやり切れないですよね。

 ユーザーの評価がイマイチだったのか、『妖怪道中記』は続編が出ることなく1作で終了。ライトゲーマーでも気軽に遊べる難易度だったら、たろすけの活躍の場が広がっていたかもしれません。メジャーになれなかった惜しい作品でありました。

道中      赤鬼

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バベルの塔 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーナムコ
・ジャンルパズル
・発売日1986年7月18日
・価格3,900円



■ 不倒のパズルゲーム、『バベルの塔』
 数あるファミコンのパズルゲームのなかで、屈指の名作とされるナムコの『バベルの塔』。個人的にファミコンのNo.1パズルゲームはテクモの『ソロモンの鍵』だと考えていますが、本作はそれに負けないくらい良質なパズルゲームだと思います。
 『バベルの塔』と『ソロモンの鍵』――このファミコンを代表する2つのパズルゲームが誕生した1986年7月は、ファミコンユーザーにとって記憶に残る夏となりました。同じ月に、ハドソンは『スターソルジャー』でシューティング祭りを開催。コナミは初代『がんばれゴエモン!』を発売と、名作ソフトが次々と登場した時期でした。

 ナムコは1986年6月に発売した『スーパーチャイニーズ』から、独自の低価格路線を展開。ソフト1本3900円、いわゆる「サンキューシリーズ」でゲーム好きの子供たちを笑顔にするという戦略に打って出ました。当時4500円~5000円が相場だったファミコンカセットの値段が、お手頃価格の3900円に下がり、慢性的な金欠にあえいでいた子供たちは大喜び。

 しかし噂によると、任天堂の山内社長はナムコのこうした逸脱行為を快く思っていなかったようです。ナムコは当時、優遇措置を受けていたサードパーティ6社のうちの1社でしたが、そのなかでもナムコへの待遇はまさに特別扱いと言えるものでした。その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしい優遇措置をもらえるナムコは、きっと特別な存在なのだと感じました。

 ナムコは優遇措置にあぐらをかいて、「ここまでは許されるよな?」と“ストレステスト”みたいなことをやっていたんですね。それがエスカレートして、他のゲーム会社に作らせたソフトを自社のソフトとして販売し、勝手に他社からライセンス料を取っていたため、ついに山内社長の堪忍袋の緒が切れました。任天堂とナムコの諍いは、最終的に裁判沙汰にまで発展。
 このときの両社の確執が、ナムコがソニーのプレイステーションに肩入れする要因となり、ずぅ~と尾を引いて現在に至る……というのは、すべて私の妄想、ただの与太話です。
 でも、任天堂の宮本氏や亡くなられた岩田氏が、事あるごとにナムコのレトロゲームをリスペクトしている発言を見聞きすると、任天堂はナムコにずいぶん気を使っているのだなあと、心ならずも忖度してしまいます。

 忖度はさておき、今回レビューする『バベルの塔』は、そのサンキューシリーズの一つです。表面と裏面を合わせて全128ステージという、特大ボリュームのパズルゲームがたったの3900円で遊べちまうんだ! お得感が半端ないですよね。
 これ以外では、『ワルキューレの冒険』、『スカイキッド』、『マッピーランド』、『メトロクロス』、『ルパン三世』などが、3900円で発売されたナムコのソフトでした。

フロア1      フロア4

■ 難解だった壁画ステージの謎
 『バベルの塔』はL字型ブロックを持ち運び、出口までのルートを作るパズルゲームです。ステージによっては出口が「顔の絵」で封印されている場合があり(下左画面参照)、その場合はステージ上にある「水晶球」をすべて回収する必要があります。
 落ち物パズルゲームを除外すると、パズルゲームは、純粋思考型のパズルと、アクションの要素が混じったパズルの2タイプに大別することができます。『バベルの塔』は3種類の敵キャラクター(コウモリ、ウル、バベルズ)がいるので、『ソロモンの鍵』と同じようにアクションパズルに分類されます。

 ゲームの主人公、考古学者のインディー・ボーグナインが一度に持てるブロックの数は1個だけ。ブロックを持ち上げることができる回数にも制限があります(画面左上に表示されている「POWER」の数)。つまり、解答手順を大きく間違え、途中でPOWERがゼロになってしまうと、その時点で詰みになってしまう可能性があるのです。ただでさえ難しいパズルゲームなのに、この回数制限は非常に厳しい。私が初めて遊んだときは、POWERの概念はなくてもよかったかな、と感じました。

 インディーはジャンプ力がゼロで、L字型ブロックを階段のように登ることができるのは、段差が低い方からだけ。「L」を画面上のブロックと見立てると、「→L」方向の移動はできなくて、「L←」方向の移動はできるということです。スペランカー以下のクソザコナメクジ……かと思いきや、どんな高さから飛び降りても平気というヘンなキャラクターです。

 L字型ブロックは角と角がくっつく性質があり、階段状に重なったL字型ブロックの途中の1個持ち上げると、その上のL字型ブロックは下に落ちても階段状を維持します。物理的に不思議な感じがしますが、この性質を理解しないと『バベルの塔』をクリアすることはできません。
 また、インディーが持ち上げたL字型ブロックの向きは、持ち運んでも変わらないという点は重要でしょう。下ろしたL字型ブロックにそのまま登りたいならば、「L←」方向から持ち上げる必要があるということです。『バベルの塔』のステージ1は、その仕組みを理解していないと解けないようになっています(上左画面参照)。いちばん最初のステージなのに、初心者にとっては意外と難しいのです。

 『バベルの塔』で最も厄介だったのが、8面ごとに出現する壁画ステージでした(下右画面参照)。壁画ステージである決められた操作をすると、中央に壁画「ビッグパスワード」が表示されます。最終面クリア後に、8つのビッグパスワードを入力することがエンディングを見る条件になっていますが、そのビッグパスワードを表示させる操作はすべてノーヒント。
 『ドルアーガの塔』の宝箱の出し方と同じで、攻略本がないと何をしていいのかさっぱり分かりませんでした。発売当時、『バベルの塔』を完全攻略したユーザーの人はかなり少なかったと思いますね。まあ、パズルの難しさのあまり、ステージ20くらいでゲームを放り投げてしまった私にとって、ビッグパスワードの問題は特に重要ではなかったのですが(笑)。

フロア5      フロア8

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頭脳戦艦ガル (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーデービーソフト
・ジャンルロールプレイング
・発売日1985年12月14日
・価格4,900円



■ RPGの定義を揺るがした問題作
 ファミコン初のロールプレイングゲーム(RPG)は何でしょう?というクイズに、『ドラゴンクエスト』と答える人はただの素人です。正しい答えは、1986年3月に発売された『ハイドライド・スペシャル』。ホビーパソコンを持っていなかった私にとって、『ハイドライド・スペシャル』は宝物のようなソフトでした。
 しかしそれ以前に、どこからどう見ても「シューティングゲーム」でありながら、ロールプレイングゲームを自称した不届きなゲームが存在しました。その名は『頭脳戦艦ガル』。

 1985年12月にデービーソフトが発売したこの『頭脳戦艦ガル』のパッケージには、「スクロール・ロールプレイングゲーム」という、今まで聞いたこともないような宣伝文句が書いてあったのです。――「は?ふざけんな! 本当のRPGとはどういうものか、俺たちが見せてやるよ!」と開発されたのがエニックスの『ドラゴンクエスト』です。
 これはウソのようなホラ話ですが、「『頭脳戦艦ガル』はRPGじゃねーだろw」とファミコンユーザーから総ツッコミを受けていたのは事実です。みうらじゅん氏が本作をクソゲーだとネタにする前から、すでにネタゲーとしての地位を築いていました(笑)。

 メーカーがRPGと強弁すればどんなゲームでもRPGになる、まあ、それは「表現の自由」ということでいいでしょう。スクウェアが『キングスナイト』をRPGと言うなら、ジャンルはRPGなのだと思います。
 では、「そもそもRPGとは何ぞや?」と考えると、その定義付けの難しさに気づきます。「『ドラゴンクエスト』のように、剣を持った勇者が世界を冒険して、敵である魔王を倒すゲームでしょう?」と言われると、確かにそれはRPGに対する私たちのイメージと合致します。

 しかし例えば『ゼルダの伝説』はまさにそういう物語のゲームでありながら、ジャンルは「アクションアドベンチャー」と表記されています。「アクションRPG」と「アクションアドベンチャー」の違い、具体例を挙げると『ダークソウル』と『ゼルダの伝説』の違いって、いったい何なのでしょうか?
 『聖剣伝説』(GB)のレビュー記事で少し触れましたが、この業界ではゲーム内に〔経験値による成長の仕組み〕を取り入れているか否かで、このゲームはRPGである、またはアドベンチャーゲームである、とジャンル分けします。

 『ダークソウル』は敵を倒して獲得した経験値=「ソウル」を使ってレベルアップするからRPG、『ゼルダの伝説』は「ハートの器」というアイテムを取って体力を増やすからアドベンチャーゲーム、……私には両者の本質的な違いがよく分かりませんが、一般的にはそういう慣習になっています。もし、アクションゲーム『ロックマン』が経験値で成長する仕組みを導入したとすれば、ジャンルは「アクションRPG」になるということです。

地底ステージ      コアステージ

■ ガルとはいったい……うごごご!
 このゲームの最終目標は、戦闘機「ジスタス-21」を操作して、敵惑星ガーネットスターの宇宙空間制御装置「ドラッグ」を破壊することです。この「ドラッグ」を破壊するためには、各ステージに散らばる「パーツ」(上左画面参照)を100個(!)集める必要があります。
 なお、タイトルの「頭脳戦艦ガル」は、味方の戦艦の名前であり、ゲームには一切登場しません。アニメ『宇宙戦艦ヤマト』でヤマトが出てこないようなものです。

 ステージは「地底ステージ」、「コアステージ」、「宇宙ステージ」の3種類があり、さらに合計30のエリアに分かれています。パーツはエリアに1つずつあり、3種類のステージを周回しながらパーツを収集していきます。
 パーツを100個集めた状態で宇宙ステージの最終エリアに行くと、宇宙空間制御装置「ドラッグ」が出現。「ドラッグ」がスクロールによって画面から消える前に連射攻撃で破壊すると、エンディング画面が表示されます。

 まず、このパーツ100個という数、どう考えても多すぎですよね。パスワード機能やセーブ機能があるなら、まあ分からなくもないですが、ファミコン初期のソフトにそんな便利なものはありません。2時間近く敵の攻撃を避け続けるなんて「苦行」というしかないです。シューティングが得意なゲーマーの人でも、これはきついでしょう。
 最近のゲームに置き換えて考えてみると、もし『ゼルダの伝説 BotW』が「コログ」を100匹見つけるまでセーブできない仕様だとしたら、非難が殺到すること間違いなしですよね(笑)。

 難易度的に考えて、ステージの順序も狂っています。宇宙ステージがいちばん易しくて、コアステージは中難易度、最も難しいのが地底ステージです。それなのにプレイする順番は「地底ステージ」→「コアステージ」→「宇宙ステージ」のステージ構成になっています。
 地底ステージは自機が移動できる範囲が狭く、両サイドの壁に激突するとミスになります。高度な動体視力と反射神経を要求されるステージです。プレイヤーの多くが最初の周回の地底ステージ(全12エリア)をクリアできず、どうにもならないクソゲーという烙印を押されてしまいました。
 3つめの宇宙ステージは『スターフォース』っぽくて、結構爽快な作りなんですけどね。全エリアが宇宙ステージだったら、評価も大きく変わっていたと思いますよ。

 実はこのゲーム、倒した敵の数によって自機が4段階にパワーアップする「RPG要素」があります。前述したRPGの条件(経験値があるかないか)を満たしているのです。
 だから、デービーソフトが本作を「RPG」と称したのは、決して間違いではないんですよ。デービーソフトはRPGの意味をちゃんと理解していたからこそ、シューティングゲームに「RPG」とジャンル付けした、つまりは確信犯なのです。

 『頭脳戦艦ガル』はRPG! 以上!


※【本作の無敵コマンド】
 タイトル画面で、Aボタン2回、十字キーの下1回、十字キーの左1回、十字キーの右3回、Bボタン1回、十字キーの上4回押してスタートすると、自機が無敵状態になる。ただし、壁に激突するとミスになる。

宇宙ステージ      ボス戦

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スーパーアラビアン (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーサンソフト
・ジャンルアクション
・発売日1985年7月25日
・価格4,500円



■ 超アラビア人が活躍するゲーム
 『いっき』や『アトランチスの謎』などの「迷作」を世に放ったサンソフトの、ファミコン参入第1弾ソフト。アーケードゲーム『アラビアン』のファミコン移植作品です。
 昨年末に『ファミコンクソゲー番付』というムック本が発売されまして、そのなかで漫画家のピョコタンさんが、このゲームを自選の「クソゲートップ5」に入れていました(笑)。「あー、『スーパーアラビアン』はクソゲー判定しちゃうよねw 単純につまんないもん」と笑った次第です。

 発売日はファミコン初期にあたる1985年7月25日。任天堂以外のゲーム会社が続々とファミコンのサードに参入して、ゲームセンターで人気だった作品をファミコンに移植し始めていた時期でした。
 その流れに乗って、サンソフトも自社のアーケードゲーム『アラビアン』をファミコンに移植したわけですが、これがとてつもなく微妙な出来。「微妙な臭いがする… 遊べなくはないが、とても人には勧められない!」と感じるゲームでした。「ファミコンのゲームなら何でも面白い!」と幻想を抱いていたユーザーの人たちは、悲しみに暮れる日々。8月6日まで待って、ナムコの『ドルアーガの塔』(FC)を買っていれば、みんな幸せになれたのにね……

 『スーパーアラビアン』の主人公は、ペルシャの王子アラビアン。悪の軍団に捕まったレイア姫を救出するのがゲームの目的です。画面固定型の古典的なアクションゲームで全4ステージ。ステージ4をクリアするとステージ1に戻るエンドレス構造です。これは推測ですが、『ドンキーコング』や『ドンキーコングJR.』を念頭に置いて開発されたゲームだと思います。
 主人公の名前が「アラビアン」というのは解せないですね。日本人が「私の名前は日本人です」と言っているようなものですよ。姫の名前は……、まあ『スター・ウォーズ』が元ネタでしょう。

 ゲーム画面上にあるアルファベットが書かれた「魔法の壺」をすべて集めると1面クリアになります。操作方法は、十字キーで移動、Aボタンで敵を撃退するキック、Bボタンでジャンプです。
 ファミコンのコントローラーは、右側のボタンがAで、左側のボタンがB。この配置だと、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃が「大正義」であり、それ以外の設定はあり得ません。タイトーの『六三四の剣』(FC)と同じ過ちをしている、これが『スーパーアラビアン』の欠点の一つです。

ステージ1      ステージ2

■ 魔法のじゅうたんに苦しめられたプレイヤーたち
 Aボタンでキック、Bボタンでジャンプという“違和感”と戦いつつ、ステージ1とステージ2をクリアしたとき、私は「んー、そこそこ遊べるゲームじゃないの?」という印象を持ちました。操作性はあまり良くないけど、『ドンキーコング』が好きならなんとか許容できるレベルのアクションゲーム、最初はそんな感触だったのです。

 ところが、次のステージ3に登場する「魔法のじゅうたん」がとんでもない“クセ者”でした。横移動する3つのじゅうたんにタイミング良く飛び乗り、緑色の足場に移動する箇所が非常に難しいのです。
 2つめのじゅうたんの移動スピードが異様に速く、緑色の足場は下からすり抜けられないため、3つめのじゅうたんに飛び移る際に、高確率で足場に頭をぶつけて下に落ちてしまいます。画面端でじゅうたんの側面に押されると圧死する仕様も不可解。ステージ3の「じゅうたん地獄」に苦しんだプレイヤーはかなり多かったと思います。背景のブロック柄が足場に見えるのも、紛らわしくて厄介ですよね。

 さらに敵キャラのロッグとピンキーが上から頻繁に降ってきて、プレイヤーの邪魔をします。プレイヤーはここで「二重の苦しみ」を味わうのです。
 ロッグとピンキーは、同種の2匹が接触すると合体して巨大になり、猛スピードでこちらに飛んできます。「避けられないよ!こんなの!」――イライラ具合がピークに達したプレイヤーはここでリタイヤ。サンソフトの第1弾ソフトは、こんな感じで不発に終わりました。
 同社の『いっき』(FC)が発売されたのが1985年11月ですから、まだ「クソゲー」という言葉は生まれていなかったわけですが、客観的に見てクソゲーだと思います、はい。

 ただ、原作のアーケード版は普通に遊べるゲームだったということは憶えていますよ。調整ミスというか、『いっき』と同じように劣化移植ゲームの一つではないでしょうか。アーケードからファミコンへの移植は、ナムコが一枚も二枚も上手でしたね。

ステージ3      ステージ4

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コナミワイワイワールド (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーコナミ
・ジャンルアクション
・発売日1988年1月14日
・価格5,500円



■ コナミのヒーローたちが結集!
 ここ最近、というか2000年代に入ってから、アメリカのハリウッド映画界では「スーパーヒーローもの」の映画が量産されるようになりました。アメリカの二大漫画出版社「DCコミック」と「マーベル・コミック」が創造した人気キャラクターが活躍するSFアクション映画のことです。
 DCコミックの代表的なヒーローは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュ、グリーン・ランタンなど。マーベル・コミックの代表的なヒーローは、スパイダーマン、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、マイティ・ソー、X-MENなどです。
 マーベル・コミックのヒーローたちが共闘する映画『アベンジャーズ』シリーズが世界的にヒットし、DCコミックはそれに対抗してスーパーマン、バットマンを中心としたヒーロー集団「ジャスティス・リーグ」を題材にした映画を製作中です。

 いやー、多い。異常に多い。雨後のタケノコのようにスーパーヒーロー映画が増殖しています。VFXを駆使した映像は確かにスゴいし、白人俳優の“コスプレ姿”も様になっていてカッコいいんですが、正直飽きてきました(笑)。
 『スパイダーマン』なんてトビー・マグワイア主演の三部作のあと、すぐに『アメイジング・スパイダーマン』が二作品できて、さらに今年の夏に『スパイダーマン ホームカミング』が公開予定ですよ。いったい何作作れば気が済むんですか。『スパイダーマン』が邦画の『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』みたいなポジションになっていて笑います。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回レビューするソフトは、コナミの往年のゲームキャラクターたちが登場する『コナミワイワイワールド』(FC)です。『がんばれゴエモン』のゴエモン、『悪魔城ドラキュラ』のシモン、『月風魔伝』の月風魔、『グーニーズ』のマイキー、『モアイくん』のモアイ、『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』のコング、そして彼らを束ねるコナミマン(別名・粉未満)とアンドロイドのコナミレディが勢ぞろい! ワクワクを 8倍にしてゲームの主役になりましょう!
 別々の作品で活躍していたヒーローたちが一つの作品で一堂に会するっていう展開、漫画とかアニメとか特撮ものではありがちな、手垢のついた手法だとは思いますが、そうは言ってもヒーローのファンならやっぱり感極まってしまうんですよね。

 ファミコン時代のコナミは、サードパーティのなかで最も安定した品質のソフトを提供していた会社でした。コナミのファミコンソフト・ディスクシステムソフトは、グラフィック良し、BGM良し、ゲームバランス良しの隙の無さ。「なんだよ、お前知らねーのかよ、コナミのゲームってスゲーんだぜ!」と子供たちの間で大評判でした。
 そんなコナミが作り上げたお祭りソフトの『ワイワイワールド』。単なるパーティゲームとか、しょぼいミニゲーム集とか、子供たちを落胆させるような作品を発売するはずがないじゃないですか。本作はコナミの「本気」を味わえるソフトです。

シナモン博士      ステージ選択画面

■ アクション+シューティングの豪勢な作り
 『ワイワイワールド』の目的は、悪の大魔王ワルダーに囚われた6人のコナミヒーローたちを救い出し、彼らと力を合わせてワルダーを倒すことです。ゲームスタート時点で操作できるキャラクターは主人公のコナミマンとパートナーのコナミレディの2人だけ。
 十字キーの上+Aボタンで操作キャラクターの切り替えを行います。2人同時プレイの場合、デフォルト状態で1Pがコナミマンを操作し、2Pがコナミレディを操作します。

 拠点であるシナモン博士の研究所には、シャッターが付いた3つの部屋があります。1番シャッターの部屋では体力回復と死んだキャラクターの復活を行います。2番シャッターの部屋は「転送ルーム」。ここから6つの横スクロールのアクションステージのスタート地点に移動します(上右画面参照)。
 横スクロールの各ステージでは、牢獄の「カギ」を入手するかボスキャラを倒すことでヒーローを救い出すことができます。救出済みのヒーローは画面上部に表示され、操作キャラクターとして使用できるようになります。

 6人のコナミヒーローを全員助けると、閉ざされていた3番シャッターが開きます。この部屋にはビックバイパーとツインビーの2種類の機体が置いてあり、これに搭乗すると縦スクロールのシューティングステージが始まります。後半の「内臓ステージ」は再び横スクロールのアクションステージになり、ステージの奥にいるラスボスを倒して制限時間内に脱出するとゲームクリアです。

 横スクロールのアクションステージには、様々な武器やアイテムが落ちていますが、初期状態だと取れない場所にあるものがたくさんあります。コナミマンとコナミレディは「地獄ステージ」にある「マント」を取ると空を飛べるようになり、行動範囲が広がります。
 「都会ステージ」にある狭い通路を通りたいときは、小柄なマイキーにチェンジ。「地獄ステージ」にある高い障害物を越えたいときは、ジャンプ力が高いコングにバトンタッチしましょう。ステージを探索してアイテムを収集すれば、ヒーローたちがどんどん強くなります。

 縦スクロールのシューティングステージは、「おまけ」の要素を超えたしっかりとした作りです。『ツインビー』、『グラディウス』、『沙羅曼蛇』をミックスしたような濃密なシューティングが楽しめます。1人プレイでも2人プレイでもOKな『ワイワイワールド』は、まさにコナミの集大成的なソフト。コナミっ子を大満足させた名作ソフトでした。
 ありがとうコナミ! 偉大なるコナミ! たとえコナミがゲーム部門から撤退しても、ぼくたちはコナミのゲームを決して忘れないでしょう!

 この『ワイワイワールド』は、2006年4月に携帯電話のアプリとして移植されました。版権上の都合から、『グーニーズ』のマイキーが『バイオミラクル ぼくってウパ』のウパに、『キングコング2』のコングが『けっきょく南極大冒険』のペン太に差し替えられています。それに伴い、「港町ステージ」が「お菓子ステージ」に、「都会ステージ」が「南極ステージ」に変わりました。
 マイキーとコングは元々ハリウッド映画のキャラクターだったし、このキャラ変更は個人的にありだと思います。このメンバーのファミコン版がプレイしてみたいですね。

ゴエモン      シモン

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メタルマックス (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーデータイースト
・ジャンルロールプレイング
・発売日1991年5月24日
・価格7,800円



■ 戦車と人間のRPG
 今は亡き椎茸栽培会社データイーストから発売された近未来RPG『メタルマックス』(FC)。バイオレンスアクション映画『マッドマックス2』の世界観をベースにした、クルマと呼ばれる戦車が主役のゲームです。

 テレビCMのキャッチコピーは「竜退治はもう飽きた!」。ここでいう「竜退治」とは文字通りの意味ではなく、『指輪物語』などの西洋ファンタジーに影響を受けたロールプレイングゲーム(RPG)のことを指します。ファミコンの代表的なRPG『ドラゴンクエスト』もそのひとつですね。
 毎日毎日僕らは鉄板のファンタジー系RPGで遊んでいますが、たまには変わり種のRPGで遊んでみたくなるのが人情です。それはゲームを開発する側も同じこと。剣と魔法のRPGじゃあまりに平凡じゃないですか。

 『ドラゴンクエスト』の元ネタである『Wizardry』や『Ultima』は、ファンタジーの世界にどっぷりハマれる作品です。でも日本人が同じようなゲームを作ったところで、悲しいかな、亜流ゲームにしかなりません。ゲームの世界を司る西洋文化が、元々日本には存在しないからです。
 魔法だとか、妖精だとか、錬金術だとか、ファンタジーにありがちな要素はすべてが西洋起源のもの。「わしらどん百姓が南蛮の鎧を着て竜退治だあ? 馬鹿こくでねぇ!」――勇者になりたいなんて言ったら、父ちゃんに叱られちゃいますよ。

 洋風がダメなら和風にすればいいじゃない、という食べ物的(?)な発想から、ファミコン中期になると和テイストのRPGが登場。ハドソンの『桃太郎伝説』、ケムコの『真田十勇士』、SNKの『里見八犬伝』、ジャレコの『じゃじゃ丸忍法帳』と、RPGの世界を拡張する動きがこの時期に見られました。
 これらの作品は一定の成功を収めたものの、『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズの人気には及ばず、ファミコンユーザーの間では「異色のRPG」という扱われ方に終始していたと思います。

 1989年7月に発売された任天堂の『MOTHER』は、真の意味で斬新なRPG作品だったのではないでしょうか。現代のアメリカを舞台にした『MOTHER』は、いわゆる神話や昔話由来の伝統的なモンスターが出てこなくても、RPGとして成立することを証明しました。
 ストーリーの時代も過去にこだわる必要はなく、現代であっても未来であってもいい、つまり敵キャラと戦って自キャラを成長させる内容であれば、どんなRPGでも作ることが可能ということです。

 こうしたRPGの進化を経て誕生した作品が、この『メタルマックス』です。『メタルマックス』シリーズの生みの親である“ミヤ王”こと宮岡寛氏は、『ドラゴンクエスト』シリーズとは全く異なる世界観のRPGを提案。戦車に乗って敵キャラと戦うユニークな作品に仕上げました。

とうちゃん      WANTED

■ 戦車の煙って、男のコだよな
 『メタルマックス』の主人公は、リオラドの修理屋の息子で、「モンスターハンター」に憧れている少年。ある日、少年は父ちゃんに自分の夢を語ります。ところが「なにっ!! モンスターハンターになりたいだとっ! それはカプコンのゲームだろっ! いい加減にしろ!!」と父ちゃんに怒鳴られ、家の外に叩き出されてしまいます。
 この荒廃した世界で生きていくためには、生活の足であるクルマ=戦車が絶対に必要です。「リオラドの南にある洞穴に戦車が埋まっている」という噂を聞いた主人公は、戦車を探す冒険の旅に出かけます。

 戦車を手に入れたら北方面へ移動。イベントを進めていくと、メカニックの「いじる」と、ソルジャーの「アンヌ」が仲間になります。本作は『ドラゴンクエストII』と同じ3人パーティ制です。

 『メタルマックス』最大の特徴は、人間のキャラクター+戦車の「ダブルユニット」を採用している点です。従来のRPG作品だと、乗り物はあくまでも移動用であり、乗り物自体に攻撃力や耐久力を設定していることはまずありませんでした。
 本作では、人間の体力(HP)と戦車の耐久力(SP)が別々になっていて、戦車が完全に破壊されない限り、人間にはダメージが届かない仕組みになっています。戦車は人間を守る「鎧」であると同時に、強力な大砲を積んだ「兵器」でもあるのです。こういう画期的なシステムを搭載したRPGって、『メタルマックス』が発売されるまでは意外となかったんですよ。

 戦車にはシャシー(車体)、エンジン、Cユニット(電子制御装置)、主砲、副砲、SE(特殊兵器)の6つのパーツがあり、町や村の改造屋で性能をアップすることが可能です。
 パーツの中で最も重要なものはエンジンです。パーツにはそれぞれ重量があり、エンジンは全体の積載量を決めるためです。戦車を改造するときはまずエンジンを強化して、それから他のパーツを考えるのが基本になります。

 このゲームには戦車を降りて人間だけで戦うイベントがあるので、人間の装備品も適時整える必要があります。戦車の改造費用に加えて、人間の装備品の購入費用――これは所持金がいくらあっても足りませんよね。
 そこで世界各地に散らばっている「賞金首」を倒して、一攫千金を狙いましょう。賞金首だけあって強敵揃いですが、戦車の性能を試すのに絶好の相手です。賞金首を倒すか、それとも無視してゲームを進めるかはプレイヤーの自由。この自由度の高さが『メタルマックス』の魅力です。

 1993年3月に続編の『メタルマックス2』(SFC)が発売され、1995年9月には本作をリメイクした『メタルマックスリターンズ』(SFC)が発売されました。賞金首、装備品、ダンジョンが追加された、やり応え十分な作品です。初代『メタルマックス』を遊びたいなら、このリメイク作品を選ぶのがベストでしょう。

犬      ウルフ

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スパルタンX (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカー任天堂
・ジャンルアクション
・発売日1985年6月21日
・価格4,900円



■ 考えるな、感じろ!
 本作は、香港映画『スパルタンX』(1984年)を題材にしたカンフーアクションゲームです。映画の『スパルタンX』のことを考えると、心の中が懐かしさでいっぱいになりますね。香港の人気俳優ジャッキー・チェンとその弟分ユン・ピョウ、そして「元祖動けるデブ」ことサモ・ハン・キンポーが活躍する痛快娯楽映画。子供の頃はテレビで放映された『スパルタンX』をビデオテープに録画して、何度も繰り返し観ていましたよ。

 映画が日本で公開された同じ時期に、同じタイトルのビデオゲームがゲームセンターに登場。なんとメーカーのアイレムは映画の公開前にゲームを作っていました。
 主人公トーマスが悪党にさらわれた恋人のシルビアを助けるという設定は映画と同様ですが、それ以外は全くの別物。映画を観ないでゲームを作れば当然そうなりますよね。

 ゲーム内容はブルース・リー主演の映画『死亡遊戯』によく似ていて、「タイトルは『スパルタンX』なのに、中身は『死亡遊戯』とはどういうこっちゃ?」とみんな不思議がっていました。おそらく、というかほぼ確実に、アイレムの開発スタッフは『死亡遊戯』を元ネタにしてゲームを作っています(笑)。

 その映画『死亡遊戯』は、1973年に32歳の若さで亡くなった伝説の俳優ブルース・リーの遺作となった作品です。ブルース・リーは1966年にアメリカのテレビドラマ『グリーン・ホーネット』で俳優デビュー。主人公グリーン・ホーネットの相棒カトウ役で人気を博しました。ブルースはこのドラマで「截拳道(ジークンドー)」の基礎である「詠春拳」を披露しています。
 ブルースは初のハリウッド作品となった『燃えよドラゴン』(1973年)を完成させた後、中断していた『死亡遊戯』の撮影を再開しますが、その矢先、愛人のベティ・ティンペイの自宅で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。死因については現在でも謎が多いです。

 『死亡遊戯』はブルース・リーが撮影で遺したフィルムと、複数の代役(代役の一人がユン・ピョウ)を使って追加で撮影したフィルムを貼り合わせた不完全な映画であるため、粗が目立つ作品です。
 しかしながら、身長218cmの黒人ハキム(NBA選手のカリーム・アブドゥル・ジャバー)と闘うシーンはインパクトが強く、そのときにブルースが着ていた黄色のジャンプスーツは彼の代名詞となっています。ブルース・リーに興味があるなら、必ずチェックしておくべき映画でしょう。ゲーム版『スパルタンX』の3階のボス・怪力男は、ハキムをモデルにしていると思われます。

キック      棒術使い

■ 4階のボス、妖術使いが最強の敵
 ファミコン版『スパルタンX』は、アーケード版『スパルタンX』を開発したアイレムのソフトではなく、任天堂のソフトとして発売されました。アイレムは自社ソフトとして本作をファミコンに移植する予定でしたが、任天堂の宮本茂氏から「ぜひ我が社から出したい」との要望があり、こういう形になったそうです。

 移植の出来はかなり良いと思います。アーケード版『スパルタンX』の筐体は4方向レバーであったため、斜めジャンプがやりにくいのが難点でした。ファミコン版『スパルタンX』は十字キーでスムーズに自機トーマスを動かすことが可能です。
 ブルース・リーが創始した武術「截拳道」は、決まった型を持たない無形の拳法であり、水のような動きを特徴としています。対戦相手の急所を最短距離で叩く、実戦的な武術「截拳道」。トーマスのキレの良い動きは、上手くそれを表現しているのではないでしょうか。まあ、先に述べたように、本作は『死亡遊戯』を題材にしたゲームではありませんが(笑)。

 ファミコン版『スパルタンX』には、『KUNG FU』バージョンという超レアソフトが存在しています。『スパルタンX』の版権が切れた後で、箱・カセット・タイトル画面の文字を「KUNG FU」に変えて再販された後期バージョンのソフトとのこと。販売本数はWii Uソフトの『ラビッツランド』並に少ないかもしれません。
 これを中古ショップのワゴンケースの中から発見できたら最高なんですけどね。そんな夢のような話、絶対にあり得ないですよね~

 『スパルタンX』といえば、「24周をクリアしたときにシルビアが敵として襲ってくる」というガセネタ、ファミコン世代の人なら憶えていますよね。ゲーム漫画『ファミコンロッキー』がでっち上げたフィクションなのですが、24周クリアという極めてハードな条件により、実機での検証は不可能に近い話でした。
 Xはアルファベットの24番目の文字だから、24周クリアしたときに何かが起きる!――こういう強引すぎる展開はわりと好きです。もし『KUNG FU』バージョンにこのネタを実装していたら、一大事件になっていましたよ(笑)。

 『スパルタンX』や『プロジェクトA』でカンフー映画の一大ブームを作ったジャッキー・チェン。私は彼が発散する“いい人オーラ”がたまらなく好きでした。しかし最近のジャッキーは中国共産党に迎合した痛い発言が多くて、ファンであったときの熱がすっかり冷めてしまいました。
 ジャッキーは『サンダーアーム』の撮影の時に死んでいたら、ブルースのような伝説の存在になったんじゃないかな?(失礼)

シルビア      怪力男

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高橋名人の冒険島 (FC)

タイトル画面
・機種ファミコン
・メーカーハドソン
・ジャンルアクション
・発売日1986年9月12日
・価格4,900円



■ YATTANE TAKAHASHI !
 ファミコン全盛期にアイドル並みの人気を誇った、ハドソンのゲームマスター高橋名人。1秒間にボタンを16回叩く神業「16連打(16連射)」をテレビ番組で披露し、一躍時の人となった人物です。
 ゲームの腕前については多少誇張されていた部分もあったと思いますが、それでも近所のゲームが上手いお兄さんよりもはるかに格上。アクションゲームやシューティングゲームのみならず、パズルゲームも得意という守備範囲の広さは驚異と言うしかありません。

 『高橋名人の冒険島』(FC)はその高橋名人を主人公にしたアクションゲームです。セガのアーケードゲーム『ワンダーボーイ』のキャラクターを高橋名人に変えた移植ゲーですね。『ワンダーボーイ』を開発したウエストンが移植作業に関わっていて、オリジナルゲームの操作感を忠実に再現しています。100万本以上の売り上げを記録した、ハドソンの代表的なファミコンソフトです。

 『高橋名人の冒険島』シリーズはファミコンで4作品、スーパーファミコンで2作品発売されました。1994年6月24日にリリースされた『高橋名人の冒険島IV』はファミコン最後のソフトとして知られ、希少価値と相俟って中古市場ではプレミア価格が付いています。
 私が所有している『高橋名人の冒険島IV』のカセットは、某中古ショップのワゴンケースの中から見つけ出した宝物です。あのときは古代の金貨を地中から掘り出したような気分を味わいましたよ(笑)。

 本作の冒険の舞台は、南洋に浮かぶ謎の冒険島。恋人のティナがこの島に潜む悪の大王キュラにさらわれたため、高橋名人が救出に向かうというストーリーです。
 ステージ構成は『スーパーマリオブラザーズ』と同じく、8エリア×4ラウンドの全32ステージ。各エリアのゴール地点にはキュラ大王が出現。顔に石オノを当てて倒すと新しい別の顔が生えて復活し、次のエリアのゴール地点へ移動します。完全クリアするためには、キュラ大王を8回倒さなければならないということです。

 元ゲーの『ワンダーボーイ』では、各ラウンドに1個ずつあるアイテムの「ドール」を取り逃しているとエリア8に進めないという初見殺しの罠がありました。『高橋名人の冒険島』でのドール(=ポット)はただの得点アイテムなので、あまり気にする必要はないでしょう。

スケボー      プータ

■ サッポロ一番、みそ味♪
 本作はミリオンセラーを達成した人気ソフトで、発売当時はプレイした子供たちが多かったと思いますが、最後の8-4までクリアした人は全体の0.1%にも満たなかったと思います。クリアできるのが異常というか、とにかく尋常でないほど難しいのです。
 ゲームマスター高橋名人本人ですら、「クリアしたのは2回くらい」という有様。夕食の時間までの息抜きで遊び始めた子供がクリアできるレベルのゲームではないですね。『魔界村』、『忍者龍剣伝』、『オバケのQ太郎』などの類似の激ムズゲームよりも、クリアまでのハードルは高いと思います。

 難しさの要因その1は、先のステージにワープできないこと。キッチリ全32ステージを踏破する必要があります。比較的簡単な『スーパーマリオブラザーズ』でさえも、1-1から8-4までワープしないでクリアしようとすると、時間的・精神的にきついですからね。
 高橋名人の教え「ゲームは1日1時間」のルールを守ると、エリア4あたりが限界です。ゲーム後半のエリア5以降は全くの未知の領域。インターネットに投稿された攻略動画(TAS動画)を見て、「先のステージはこんなに難しいのか!」と初めて知りました(笑)。
 1-1の隠しアイテム「ハチ助」を取ることでコンティニューが可能になる点は、このゲーム唯一の救いかもしれません。

 難しさの要因その2は、基本武器の「石オノ」がパワーアップアイテムであること。つまりタマゴの中から武器の石オノを取るまでは、敵を一切攻撃できないということです。1度ミスをして石オノを失うと、とたんに難易度が跳ね上がります。ゲーム終盤では「ミスをするとさらに苦しくなる(汗)」というプレッシャーがプレイヤーを押し潰します。

 時間経過ともに減少する「バイタリティ(体力)ゲージ」の存在も厄介ですね。空中に浮かんでいるフルーツ(またはミルク)を取ることでバイタリティが回復。敵キャラや障害物を“避ける”という動作と、フルーツに“当たる”という矛盾した動作を瞬時に切り替えなければならないところに、『高橋名人の冒険島』の難しさがあります。
 元ゲーの『ワンダーボーイ』自体かなり難しいゲームですからね。コインを稼ぐことを狙ったアーケードゲームの仕様をそのままファミコンソフトに適用すると失敗する、という良い例ではないでしょうか。

 その『ワンダーボーイ』より優れていると感じたところは、ゲームのBGMですね。ラウンド1-地上ステージの軽快な音楽、ラウンド2-海ステージの穏やかな音楽、ラウンド3-洞窟ステージの危機感あふれる音楽、ラウンド4-森ステージの不気味な音楽……、ハドソンのゲーム音楽って、つくづく体に沁みわたるなぁ(涙)。

悪魔ナスビ      キュラ大王

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