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家庭用ゲーム機のコントローラーについて

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■ すべての基礎はファミコンのコントローラー
 先月発売されたソニーの新型ゲーム機「プレイステーション5」。そのPS5のコントローラーについてですが、デフォルト設定で「×ボタンが決定ボタン、○ボタンがキャンセルボタン」になりました。日本人は幼少期から「○記号が正解、×記号が不正解」とあらゆる場所で刷り込まれているため、SIEから頭ごなしに「今日から×ボタンで《決定》だ。グローバルで統一するぞ。いいね?」と命令されても、なかなか対応が難しい面があります。
 そこで今回は、家庭用ゲーム機のコントローラーについて、自分の意見を述べてみようと思います。コントローラーの形に、「これが絶対に正しい」というものはありません。これから書くことは、2Dアクションゲームが好きな私の個人的な意見であることをご理解ください。

 現在のゲームバッドの基礎になったものは、ファミコンのコントローラーである――これに異論を唱える人はいないと思います。ファミコン以前の家庭用ゲーム機のコントローラーは、棒状のジョイスティック型が主流で、左側に十字キーがあり右側に2つの押しボタンが並んだ平べったい形のコントローラーはファミコンが初でした。

 ファミコンのコントローラーは扱いやすさがダントツに優れていて、ファミコン以降に発売されたゲーム機のコントローラーはすべてこの形状になりました。PCエンジンがそうでしたし、MSXのおにぎり型ジョイパッドもファミコンの形と同じです。
 任天堂とは違う道を歩むことを信条にしていたセガでさえも、SG-1000からSG-1000IIにマイナーチェンジする際には、コントローラーをファミコンに似せてきました。

 ファミコンの2つの押しボタンはBA配列になっています。英文は左から右に読みますから、普通に考えるとAB配列が自然です。なぜ任天堂はAB配列ではなくBA配列を選択したのでしょうか。その理由は明らかではありませんが、おそらくコントローラーを両手で握ったときに、外側の押しボタンが押しやすい、押されやすいという研究結果があったのだと推測されます。
 押しやすい、押されやすいボタンを第一ボタン、つまりAボタン(決定ボタン)にして、第二ボタンをBボタン(キャンセルボタン)にした、というのが主な経緯ではないでしょうか。ファミコンのコントローラーはゲーム&ウオッチの延長線上に成立したものですが、ゲーム&ウオッチで本体の右側に押しボタンが2つ並んだ機種は存在しておらず、この点はファミコン開発者に質問してみたいところです。

 ちなみに、PCエンジンの2つの押しボタンは、左がIIボタン、右がIボタンの配列で、意味的にはファミコンと同じ並びです。MSXのおにぎり型ジョイパッドもBA配列です。
 SG-1000IIとセガ・マークIIIの2つのボタンに文字は書かれていませんが、セガ・マスターシステム(海外版セガ・マークIII)の2つのボタンには文字が書かれています。左が1ボタン(STRATボタン)で右が2ボタン、つまりAB配列になり、ファミコンとは逆ですね。ここからメガドライブ独自の3つの押しボタン――ABC配列につながっていきます。
 メガドライブのゲームは、初期のソフトがAボタンで決定、Bボタンでキャンセル、だんだんとAボタンでもCボタンでも決定できるようになり、後期のソフトはCボタンで決定、Bボタンでキャンセルとなっています。


■ 『アイスクライマー』がAボタンとBボタンの役割を決めた
 1983年7月15日に発売されたファミリーコンピュータのローンチタイトルは、『ドンキーコング』、『ドンキーコングJR.』、『ポパイ』の3本でした。その3タイトルの操作方法をおさらいしてみましょう。

 『ドンキーコング』――Aボタン:ジャンプ、Bボタン:使用しない(無反応)
 『ドンキーコングJR.』――Aボタン:ジャンプ、Bボタン:使用しない(無反応)
 『ポパイ』――Aボタン:パンチ、Bボタン:使用しない(無反応)

 『ポパイ』にはジャンプ要素はないので、Aボタンはジャンプボタンではなくパンチボタンになっています。そこで『ポパイ』は例外として、ジャンプアクションゲームである『ドンキーコング』と『ドンキーコングJR.』の2タイトルについて話を進めていきます。

 アーケード版『ドンキーコング』の筐体は、方向レバー1本とジャンプボタン1つだけのシンプルな構造でした。では、『ドンキーコング』をファミコンに移植する場合、開発者はAボタンとBボタンのどちらをジャンプボタンにするでしょうか? これは考えるまでもなく、押しやすい第一ボタンのAボタンです。
 ここで注目すべき点は、プレイヤーにBボタンを使わせなかったことですね。私なら余っている押しボタンを活用したいですし、プレイヤーがAボタンを押してもBボタンを押してもジャンプできるように作ると思います。しかし『ドンキーコング』と『ドンキーコングJR.』はそのようには作られていません。
 サード初のファミコンソフトであるハドソンの『ナッツ&ミルク』は、AボタンでもBボタンでもジャンプできるように作られていました。『ドンキーコング』と『ドンキーコングJR.』は単に不親切な作りだったのか、それともAボタンは絶対にジャンプボタンとして固定するという明確な意図があったのか――私は後者のような気がします。

 ファミコンのアクションゲームにおいて、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃、という仕組みを最初に導入したソフトは、1985年1月30日に発売された『アイスクライマー』です。『アイスクライマー』はAボタンでジャンプして上段のブロックを破壊し、Bボタンでハンマーを振って敵を撃退します。
 1985年9月13日に発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、『アイスクライマー』の操作方法を踏襲。Aボタンでジャンプ、Bボタンでダッシュ/ファイアボール攻撃を行います。この『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットによって、アクションゲームの操作方法が確立しました。
 これは偶然の結果かもしれませんが、スーパーマリオ方式は人間工学的に理にかなった設定だったのです。

 1.親指の先でBボタンを連打して攻撃し、親指の腹でAボタンを押してジャンプする操作方法と、2.親指の先でBボタンを押してジャンプし、親指の腹でAボタンを連打して攻撃する操作方法では、圧倒的に前者のやり方が楽です。押しボタンを連打するときは親指を立てて行うのが普通ですからね。このことはファミコン初期の時点で、遊ぶ側の共通認識としてありました。
 ハドソンの『チャレンジャー』やタイトーの『六三四の剣』は後者のやり方です。Aボタンで攻撃して、Bボタンでジャンプします。プレイ中はずっと違和感を抱きますよ。自然なやり方に逆らったらダメなんですね。

 正直なところ、ファミコンのコントローラーのボタンがAB配列であったと仮定して、Aボタンが決定ボタン、Bボタンがキャンセルボタンであったと仮定しても、テキストアドベンチャーゲームやコマンド式のロールプレイングゲームなどの激しい操作を要求されないジャンルのゲームであるならば、特に問題なく遊べると思います。
 ただ、AB配列なら、『スーパーマリオブラザーズ』は、Aボタンでダッシュ/ファイアボール攻撃、Bボタンでジャンプになりますね。アクションゲームにおいて、右側の押しボタンと左側の押しボタンの役割を変えてはいけないでしょう。

アイスクライマー      チャレンジャー

■ スーパーファミコンのコントローラーはこれで良かったのか?
 さて、ファミコンのコントローラーの話を踏まえた上で、本題に入りたいと思います。ファミコンの次の家庭用ゲーム機として任天堂が発売したスーパーファミコン、このスーパーファミコンのコントローラーは、各ボタンの配列と配色に問題があったと私は考えています。
 スーパーファミコンの押しボタン配列は、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、Wii U、そして最新機種であるニンテンドースイッチでも用いられています。

任天堂系セガ系マイクロソフト系ソニー系

 上の図は、任天堂、セガ、マイクロソフト、ソニーの四社が発売した家庭用ゲーム機のコントローラーの押しボタン配列をまとめたものです。セガはドリームキャスト、マイクロソフトはXboxシリーズ、ソニーはPSシリーズのコントローラーです。見事にバラバラですね。
 任天堂がスーパーファミコンのときにベストの配列・配色にしなかったせいで、コントローラーの形が統一されずに今の混迷があるといっていいでしょう。

 一体何が問題であるのか――まず、押しボタンの配列について単刀直入に言うと、親指で同時押しできる2つの押しボタンが正しいペアになっていないことです。
 任天堂のコントローラーを例にして説明しましょう。コントローラーを手で持ったとき、右手の親指は左斜め上の方向に伸びます。すると、無理なく同時押しできる押しボタンは、Aボタン+Xボタンか、Bボタン+Yボタンの2パターンになります。
 アルファベットの意味から言って、Aボタン+Bボタンがペア、Xボタン+Yボタンがペアであるのに、親指をねじ曲げないとそれらを同時に押せないんですよね。
 するとどうなったのか――ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』で行っていたBダッシュからのAジャンプが、スーパーファミコンのコントローラーではスムーズに行えなくなりました。

 スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオワールド』の操作方法は、Aスピンジャンプ、Bジャンプ、Yダッシュです。Aジャンプ、Bダッシュにすると上手く操作できないことを、任天堂の開発スタッフはちゃんと理解していたのです。
 なぜ上手く操作できないのか――それはBボタンからAボタンに移動するときに、親指を少し浮かせる必要があるからです。親指がBボタンから離れるため、ジャンプの直前にスピードが緩むことになります。ファイアボール攻撃も同じで、ファイアボールを発射した後にジャンプしようとすると、わずかながら時間的なラグが生じてしまいます。素早い操作を求められるアクションゲームで、このわずかなラグは不利に働きます。

 スーパーファミコンのコントローラーは、下の図のような段階を経て完成品へと至りました。プロトタイプ1では、XボタンとYボタンではなく、CボタンとDボタンになっています。

SFCコンの開発

 プロトタイプ2になると、CボタンとDボタンに変わって、XボタンとYボタンが登場。この配列だと、BダッシュからのAジャンプがスムーズに行えます。ところが、プロトタイプ3で押しボタンの配列を左に90度回転させました。プロトタイプ2はX軸とY軸的に考えても正しい配列であったのに、なぜか変えてしまったのです。

 その理由は、スーパーファミコンの前に発売されていたゲームボーイの押しボタン配列にあると言われています。ゲームボーイの押しボタンは、下の図のようにBボタンの右斜め上にAボタンがある形です。これは先に述べたように、親指で同時押しすることが難しい配列です。

ゲームボーイのボタン改変例1改変例2改変例3

 スーパーファミコンのコントローラーは、ゲームボーイのBA配列ボタンの上にYX配列のボタンを加えた形なのです。任天堂はプロトタイプ2の配列にするか、プロトタイプ3の配列にするか迷った末に、ゲームボーイの配列と合わせる方を選択しました。ゲームボーイとスーパーファミコンでボタン配列が異なると、ユーザーが混乱すると考えたのでしょう。

 昔、ゲームボーイ用ソフトの『スーパーマリオランド』をプレイしたときに抱いた違和感、それはゲームボーイの押しボタンに根本原因があったのではないかと思いました。
 ゲームボーイの押しボタンの改変例を3つ作成してみましたが、「改変1」は論外として、BボタンとAボタンが真横に並んでいるファミコン方式の「改変2」か、Aボタンの左斜め上にBボタンがある「改変3」の方が、アクションゲームを遊ぶ場合はやりやすそうです。

 ゲームボーイは横井軍平氏が開発した携帯用ゲーム機です。ローンチタイトルの『スーパーマリオランド』は宮本茂氏ではなく、横井氏がプロデューサーをしています。横井氏が関与したスーパーファミコン用ソフトで代表的なものは『スーパーメトロイド』です。
 『スーパーメトロイド』の操作方法は、Aジャンプ、Bダッシュ、Xショット、YアイコンアイテムOFFです。『スーパーマリオワールド』とはジャンプボタンとダッシュボタンが異なります。『スーパーメトロイド』は私の大好きな作品ですが、操作性に難があることは当初から気づいていました。ダッシュして→ジャンプして→敵を撃つという一連の動作がやりにくいのです。上の位置にあるXボタンはスーパーファミコンの4つのボタンで最も押しにくく、それをショットボタンにするのは不自然だと思いました。

 宮本氏へのインタビュー記事か何かで、「ボタンをひとつひとつ区別して押せることを重視している」というような趣旨の発言を見た記憶がありますが、おそらく会社の上司であった横井氏も同じ思想を持っていたのではないか、と想像します。横井氏はBボタン(ダッシュボタン)の右斜め上にAボタン(ジャンプボタン)があることに対して疑問を感じない人だったのではないでしょうか。

 次に、押しボタンの配色について言うと、これはXboxシリーズ方式が正しいと思います。Aボタンは決定ボタンだからセーフティーの緑色、Bボタンはキャンセルボタンだからリスキーの赤色――うん、普段パソコンを使用している者の感覚としても自然です。信号機の色は世界共通で、「進んでもよし」は緑色、「止まれ」は赤色が使われています。
 任天堂、セガ、ソニーの三社とも、決定ボタンの色を赤色にしていますが、赤色=めでたい=正解、と捉えるのは、日の丸が国旗である日本特有の考え方です。ハードのグローバル展開を考えると、もっと配色について慎重になるべきでしたね。


■ ニンテンドウ64とゲームキューブで独自規格に挑戦した任天堂
 ソニーの初代プレイステーションが徐々に市場でシェアを拡大し、ゲーム業界の盟主が任天堂からソニーへと入れ替わろうとしていたとき、任天堂はスーパーファミコンの次の家庭用ゲーム機「ニンテンドウ64」をリリースします。

 プレイステーションのコントローラーは、スーパーファミコンのABXYを記号の○×△□に置き換えただけの、いわば模倣品でした。任天堂はスーパーファミコンのコントローラーをすっぱりと捨て去り、中央に3Dスティックを搭載した新しいコントローラーを提唱します。それがニンテンドウ64のコントローラーです。
 私はN64のコントローラーが好きなんですよ。Aボタンの左斜め上にBボタンがあって同時押しが可能ですし、右上には十字の形にCボタンが4つ並んでいます。このCボタンと『実況パワフルプロ野球』の相性は最高。一塁、二塁、三塁、本塁へ直感的にボールを投げることができます。3Dスティックを使用したバッティングについても、引っ張りや流し打ちが自由自在でした。どうしてニンテンドウ64はプレイステーションに敗北してしまったのか……。『パワプロ』シリーズはN64のコントローラーなしには考えられないのに……。

 任天堂がニンテンドウ64の次に発売した家庭用ゲーム機、それが「ゲームキューブ」です。任天堂はここでもまたコントローラーの形状を変えました。3Dスティックを2つに増やし、十字キーを左側の3Dスティックの下に移動させます。
 右側には中央に少し大きめのAボタンがあり、その左下にBボタンが、上にYボタン、右にXボタンがあるという形です。AボタンとBボタンの位置関係をスーパーファミコン型に戻した点については「迷走しているなぁ」という印象を持ちました。AボタンとBボタンの色は緑と赤で、これは正しいと思いましたが。

ニンテンドウ64ゲームキューブ理想?試案

 上の図の「理想?」が、スーパーファミコンの時にやるべきだった押しボタン配列と配色だと思います。XボタンとYボタンの色については、金色と銀色とか、鶯色と鳶色とか、組み合わせは何でもいいと思いますが、まあ、メジャーな色である青色と黄色にするのが無難な選択でしょう。配色はXboxシリーズのコントローラーと同じになりますね。

 上の図の「試案」は、私が「こういうのもアリなんじゃないかな?」と考える押しボタン配列です。Aボタンを中心軸として、親指で同時押しできるボタンは、Aボタン+Bボタンと、Aボタン+Cボタンの2パターンになります。Aボタンはゲームキューブを真似して一回り大きめに描きましたが、あまり気にしないでください。
 たとえば、Bボタンで剣を振り、Cボタンで銃を撃つような設定のゲームだと、剣から銃、銃から剣への切り替えがスムーズに行えるのではないでしょうか。ジャンプのAボタンから親指を離すことなく、BボタンとCボタン間の移動ができますから。

 これまで私が述べてきたことは、もう一度言いますが、2Dアクションゲームが好きな私の個人的な意見です。格闘ゲームだと6ボタン方式のコントローラーが理想ですし、ゲームキューブのコントローラーを至高だと考えるスマブラ勢もいるでしょう。私は「Aジャンプ、Bダッシュ」という伝統を崩したくないだけなのです。


■ ×ボタンで《決定》って本気ですか!?
 長い長い前振りにお付き合いくださったみなさま、ありがとうございます。結論に入りたいと思います。PSコントローラーは開発者のエゴが強いコントローラーです。はっきり言いまして、ユーザー、特に日本人ユーザーへの配慮に欠けています。

 ×ボタンで《決定》、○ボタンで《キャンセル》という今回の決定は、易々と受け入れられるものではありません。決定ボタンとキャンセルボタンの位置をXboxコントローラーと合わせたいというのであれば、○ボタンと×ボタンの位置をPS5で入れ替えるべきでした。

 本体のアクセシビリティ設定によって、○ボタンを押すと×ボタンを押したことに、×ボタンを押すと○ボタンを押したことにする変更は可能ですが、ゲーム画面そのものは変更されず、たとえばゲーム中に次のような表示が出てくる可能性があります――「セーブデータを上書きしますか? はい×、いいえ○」――逆に間違えやすくなるわwwwww

 初代プレイステーションの開発に関わった人が告白していますが、日本と海外で○記号と×記号の意味が違うことを、事前のリサーチで知っていたんですよね。海外では×記号は✔(チェック)の意味で使われることがあるとか、○記号(正確には数字の0)はテストで間違いを指摘するときに使われる記号であるとか、それを承知の上で、○ボタンを決定ボタンに、×ボタンをキャンセルボタンにしたのです。
 プレステで○記号と×記号の日本的意味を世界に広めてやるぜwと目論んでいたら、海外のユーザーの声に屈して、○ボタンをキャンセルボタンに、×ボタンを決定ボタンにしてしまいました。なんとも不甲斐ない。

 初代プレイステーションのコントローラーをスーパーファミコンとは違うものにしたいと考えたのであれば、○×□△の記号でなく、1、2、3、4、と番号にしていた方がまだマシだったと思います。
 あ、公式の並びは△○×□の順になっているので、上から時計回りに、△=1、○=2、×=3、□=4となりますか。まあ、いまさらどうしようもないっス。 

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[ 2020/12/20 22:00 ] 特集記事 コラム | TB(0) | CM(2)

強くてニューゲームについて

タイトル

■ 強くてニューゲーム=タイムループ説
 さて、唐突に始まった特集記事のコラム。毎回、ある一つのテーマについて、心に浮かんだ様々なことをそこはかとなく書いていくネタコーナーです。何かを小難しく絞殺、もとい考察しているわけではないので、暇つぶしに読んでくだされば嬉しいです。

 第1回目はみんな大好き「強くてニューゲーム」について。「強くてニューゲーム」とは、ゲームを最後までクリアしたときのセーブデータを用い、キャラクターのレベル、能力、装備品、所持金などを引き継いで、シナリオを最初から始めるゲームシステムのことを意味します。
 この言葉は名作ロールプレイングゲーム『クロノ・トリガー』(SFC)で初めて使われ(ゲーム上では「つよくてニューゲーム」と、「強くて」がひらがな表記だった)、そのネーミングが秀逸だったことから、人口に膾炙したゲーム用語になりました。

 ゲームをクリアできる状態のキャラクターで再スタートすると、当然ながらゲーム終盤まで無双プレイが可能になります。強くて苦戦したザコキャラ、クソみたいに手こずった中ボス、憎たらしいあん畜生を鎧袖一触に屠ることができたとき、あなたの体内では愉悦の情動が湧き起こるのではないでしょうか。
 もともと弱い敵キャラに勝っても何とも思いませんが、1周目でその強さを知った敵キャラを2周目でフルボッコにするとカタルシスを得られます。ロールプレイングゲームがなぜ楽しいのかというと、強くなることは快感であるからです。「強くてニューゲーム」というシステムは、自分の力が上昇したことをこれでもかと味わえる実に上手い仕組みであるわけですね。

 セーブ機能があるロールプレイングゲームは多かれ少なかれタイムループの要素があるといえますが、「強くてニューゲーム」は1周目とは違う行動を取るとどうなるのだろうという疑問を簡単に検証することができます。キャラクターが強くなっているので、通常プレイでは無理な進行ルートやふざけた遊び方を試す余裕が生まれます。1周目では気づかなかった作り込みや小ネタを発見して、そのゲームの奥深さを感じることもあるでしょう。

 『クロノ・トリガー』の攻略本『クロノ・トリガー ザ・パーフェクト』には、開発者の坂口博信氏(ヒゲ)と堀井雄二氏(グラサン)の対談が掲載されていて、その中で堀井氏は牢屋の壁のぬけ穴について言及されています。1周目ではスルーしてしまったけれど、2周目で壁の外に出られることに気づいたそうです。あそこは外壁を伝って別の階の牢屋の中に行けますよね。私は1周目でちゃんと気づきましたけど(えっへん!)。
 ただ、牢屋に入れられたクロノを動かさずに待機していると、別の展開になるということには気づきませんでした。このストーリー分岐は攻略本で知って驚きましたよ。あの場面で脱獄しようとしないプレイヤーがいるのでしょうか?

どのデータで      ラヴォス

■ 強くてニューゲームの起源
 『クロノ・トリガー』が大いにウケた理由の一つに、10パターン以上にも及ぶマルチエンディングを採用している点が挙げられます。2周目以降、ラスボスのラヴォスを倒すタイミングによってエンディングが変化します。
 ゲーム開始直後、マールを仲間にした後に、向かって右側の転送マシンの光っている部分を調べると、時空ゲートが開きます。その先はラヴォスとの決戦の場につながっています。クロノとマールの2人だけという厳しい状況のなかラヴォスを倒すと、開発者たちのメッセージを見られるベストエンディング「ドリームプロジェクト」が始まります。いや~、このスクウェアの粋なサービスには感動しましたね。

 マルチエンディングを採用しているロールプレイングゲームは多々あるものの、他のエンディングを見るためにシナリオを最初からやり直すのは億劫ですよね。そこで便利なのが「強くてニューゲーム」。キャラクターを一から育てる必要がなく、強い装備品を集める必要もないため、目標の分岐点まで短時間でたどり着くことができます。「強くてニューゲーム」とマルチエンディングの相性はまさに最高。「強くてニューゲーム」という“金鉱脈”を掘り当てた『クロノ・トリガー』は偉大なゲームだったな、と今でも強く感じる次第です。

 スクウェア製以外のゲームで、「強くてニューゲーム」のシステムを導入している作品といえば、『バイオハザード』シリーズや『スーパーロボット大戦』シリーズなどがぱっと頭に浮かびます。『バイオハザード4』の無限ロケットランチャーを使った無双プレイは爽快でした。
 『クロノ・トリガー』以前のゲームを振り返ると、1987年1月に発売された『リンクの冒険』(FDS)は、クリア後にステータスのレベルを引き継いで2周目を始めることができるように作られていました。
 Wikipediaの「強くてニューゲーム」の項目には、1989年4月に発売された『凄ノ王伝説』(PCE)も一例として書かれていますね。このゲームはエンディングに到達すると、経験値と所持金がMAXの状態でスタートする秘密のパスワードが表示されます。

 『凄ノ王伝説』の場合は、厳密に言って「強くてニューゲーム」とは少し違うと思いますが、パスワード方式も含めるとしたら、『リンクの冒険』と同時期に発売された『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(FC)にも裏技パスワードがありました。レベル48のローレシアの王子「もょもと」で、シナリオのほぼ最初から遊べる有名な「復活の呪文」です。「ゆうてい みやおう きむこう ほりいゆうじ とりやまあきら ぺぺぺぺぺ……」ってやつですよ。何で堀井さんが2回出てくるんだよ、と当時は変に思いましたけど(笑)。

 『ドラゴンクエストII 』よりも更に前の作品を振り返ると、……あー、あります、あります、1986年3月発売の『ハイドライド・スペシャル』(FC)です。このゲームにはLIFE、STR、MAGICの3つのステータスが高い状態でスタートする裏技パスワードと、アイテムを9つ取得済みの状態でスタートする裏技パスワードが存在しています。
 「強くてニューゲーム」の話題で、『ハイドライド・スペシャル』のタイトルをさっと言える人は、周囲から「わかっている人」と一目置かれるでしょう(半分本気)。

復活の呪文      もょもと


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[ 2020/05/20 22:00 ] 特集記事 コラム | TB(0) | CM(0)
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